2012年7月31日火曜日

前期授業アンケート(匿名)の自由記述コメントへの返答

2012年度前期の授業が終了しました。本務校では携帯電話を使った授業アンケートを実施しており、それぞれの授業に対して選択式および自由記述での回答が多数寄せられました。

どの科目も概ね良い結果を得られたものと判断しましたが、以下、自由記述欄から、どちらかといえばネガティブなコメントをいくつかを取りあげながら、私の見解を紹介します。それぞれの科目の授業記録(科目名のところからリンクを張っています)も併せてご参照下さい。



> 回答10 質問コーナーが長かった。
 ご指摘ありがとうございます。確かにこの件は私自身も失敗だったと反省しているところです。本来、ブリッジ・イングリッシュIでは質問コーナーは実施しない予定だったのですが、いつの間にか質問コーナーが定着してしまい(定着させてしまい)本来行うべき英語の音とリズムに関する内容が十分扱えなかった点は良くなかったと思います。後期にも同一授業を行いますが、出席カードの様式を変更して、英語の音とリズムに関する内容以外の質問はなるべく受け付けないようにしたいと考えています。

> 回答22(後半)私語に関しても厳しいから、授業を受けやすい環境だった
 私自身、130名ものクラスを担当するのは初めての経験で、少々無理しすぎたところがあったかもしれません。教室の雰囲気を少しでも良くするという試みの一環で、他の科目(もともと私は私語に厳しい方ですが)よりも厳しくやってみたのですが、これが良かった点と悪かった点があるのでしょうね。

> 回答27 自分1人で授業しているみたい。誰かが何か不満を言うと「もう単位はとらせません。」と言い、誰も何も不満を言えない状態にしているとこ。
 なるほど。ご意見は承りました。しかし本来、大学の講義というものは教員が一人で授業するのは当たり前です。それを聴きに来るのが皆さんの役目です。そして一人一人が勉強する権利を持っています。他人の権利を妨害することは決して許されません。また、いろいろと不満があるのも分かります。しかしそれを授業中に私語という形で表明する必要はあるのでしょうか。その部分については厳しく対処させてもらいました。誰も何も不満を言えない状態にしているのは授業時間内のみでしょう。文句があれば教室の外でお好きなだけ不満を述べ散らかして下さい。
 単位を取らせないという発言はご指摘の通り、何度か行いました。しかしこれは私自身が皆さんの「英語の音とリズムに関する一定の能力」を保証することに責任を持っているためです。私の責任において、受講態度等を勘案した上で、英語の音とリズムに関する一定の能力を身につけることができないであろうと判断した学生に対してはこのように通告しています。確かに言われた方にしてみたらさぞかし腹立たしいことでしょう。しかしそのように言われないように努力をすることも皆さんの役目であるということ、今一度確認して欲しいところです。


 
>回答1 質問コーナーの応答は良かったけれど毎回これだけで30分以上時間が削られるので主体の文法があまりできなかったので残念でした
 ご指摘ありがとうございます。シラバスの入力システムの問題もあるのですが、私自身は授業時間の配分は言語・文化・教育に関する質問コーナーと英文法の学習は1:1ぐらいでちょうど良いと考えていました。予習・復習も含めて考えれば、質問コーナーと英文法の比率は1:3ぐらいになったのではないかと思います。ですので、授業時の取り組みとして英文法が主体というつもりはありませんでした。むしろ英文法の学習は授業外での予習・復習をしっかりやってもらうことで皆さん自身が発見的に学習を進めていただくこと、そして授業では皆さんが苦手意識を感じていた英文法に関して、新たな視点を提供することで勉強のきっかけにしてもらうということを意図していました。
 質問コーナーは特に後半は毎回質問を書いてくれる人が決まってくる傾向がありました。しかし他人の質問に対する回答から何かを学んでもらうこと、言語・文化・教育に関する様々な観点を知ることで、そこから今後、英語に関して興味を持ってくれる人が増えたのであれば、この授業の試みは成功したと言えると考えています。このあたりのことをもう少し丁寧に説明しておけばよかったですね。
 
>回答6 光が黒板に反射して見にくいときがあったので、前だけでもカーテンをしめてくださると有り難いです。
 ご指摘ありがとうございます。冷房開始前の時期の窓の開閉とも関連しますので、カーテンの利用についてはなかなか難しいところがありますが、今後、板書の見やすさなども考慮した上で、冷房期間中にはカーテンもなるべく利用するよう配慮します。

>回答16 答えを見ずに予習 復習して丸つけしたほうがいいかなとおもいます。
 ご指摘ありがとうございます。皆さん自身にあった勉強方法を考えるのも皆さんの役目ですので、予習・復習の方法は強制することなく、様々な勉強方法を選べる(あらかじめ答えも配布する)という趣旨からお任せするという方針としました。
 もともと皆さんの英文法に関する理解度も人それぞれだったと思います。既にある程度、英文法を理解できている人はより定着を目指して、一方でまだ基礎のレベルで躓いている人は早めの基礎固めを目指して、というように、いろいろな勉強方法が選べるように工夫したつもりです。

>回答20 もう少し黒板の文字を見やすくしてほしい。
 ご指摘ありがとうございます。乱筆の悪癖はなるべく正すように努力していますが、毎回板書する情報量も多く、特に大教室でこのような授業を行う場合の黒板の使い方にもまだ私自身が不慣れなところがあるようです。今後気をつけます。

>回答25 まわりくどい言い方をしてわかりにくい。
 ご指摘ありがとうございます。確かにそのような癖があることを自覚していますが、まわりくどい言い方に慣れてもらうことも大切だと思います。言い訳をするわけではありませんが、これも一種のレトリックということでお許し下さい。



>回答4 説明をもっとゆっくりしてほしい。
 ご指摘ありがとうございます。TOEICに真っ向から立ち向かうということをシラバスにも明記しておりますし、敢えて問題数の多い教科書を使っておりましたので、その分、一問ごとの説明が不足していたのかもしれませんが、そこは質問カードの方でカバーするつもりにしていました。後期の授業でも一問ごとの説明は不足してしまうかもしれませんが、質問カードを使っていつでもストップをかけてください。

>回答6 先生の早口を直してください。たまに、何言っているのかよく分からないです。
 ご指摘ありがとうございます。毎回授業アンケートで必ず指摘される点ですが、なかなか治りません。なるべく多くの情報をお伝えしたいという意図なのですが、配慮が必要でしょうね。理解しているつもりですがなかなか…。

>回答9 途中でやる気がなくなった、というのはさすがにやめてほしかった
 ご指摘ありがとうございます。確かに一度、学期末の頃にそんなことがありました。私語などによって教室の学習環境が乱れることは私がもっとも嫌う事象ですので、それが非常に強烈な形で発現してしまったものと反省しておりますが、皆さんも規律ある学習環境の維持にご協力下さい。



>回答8 全くできなかった英語が、ちょっとはできるようになった
 お役に立てて何よりです。この授業をきっかけに今後も努力を重ねていただきたいです。

>回答10 先生が早口すぎる時があるので、気をつけて欲しいです。

ご指摘ありがとうございます。毎回授業アンケートで必ず指摘される点ですが、なかなか治りません。なるべく多くの情報をお伝えしたいという意図なのですが、配慮が必要でしょうね。理解しているつもりですがなかなか…。



> 回答3 英語の音を聞き取る力がついた。
 お役に立てて何よりです。この授業をきっかけに今後も努力を重ねていただきたいです。

> 回答9 自主性が高い
 これこそが「大学での学び」と言えると思います。他の科目にも当てはまりますが、大学1年生として勉強できていますか?未だに高校4年生という人はいませんか?この夏休みの間に前期の取り組みを改めて振り返ってみて下さい。



>回答1 後戻りのしないように前から文を訳す練習が少しずつ身についてきた
 授業でも何度か言いましたが、大学生としての英文の読み方をなるべく早く身につけたいですよね。後戻り読みでなければ英文が読めないというのは高校生までで卒業したいところです。今後も直読直解を心がけて下さい。直読直解が上達するとTOEICのリスニングパートにもじわじわと効いてきますよ。

>回答12 良かった点なんてありませんでした。
 う〜ん、もう少し具体的に良くなかった点について書いて欲しかった。こちらの努力で改善できる範囲のことは可能な範囲で取り入れますが、皆さんの方の努力でついてきてもらうべきところまでは責任を持てません。なるべく皆さんも参加しやすいような授業設計を心がけているつもりですが。
 教える側と学ぶ側、立場は異なりますが、お互いに協力してお互いに成長していけたら良いですね。

2012年7月26日木曜日

授業記録:受信英語Ⅰ (木曜1限/木曜2限)

第15回 7月26日

・いよいよ最終回。授業開始時間から10分間の自習時間を設けてから30分間の期末試験。中間試験よりもちょっと難しくしたつもりだったがどういう結果となるか。

・終了後、その他もろもろ。まずは後期の受信英語IIの授業内容の予告。次に「夏休みの友」(改変・再配布自由)のプリントを配布し、まだ授業で紹介していなかったKhan AcademyとEnglish Centralを簡単に実演。最後にPay it forwardのDVDに収録されている「監督による解説音声」より、裏話を少しだけ紹介して終了。


・これにてこの科目の記録も終了です!そして前期授業も終了です!あとは…さいでんな〜、採点の祭典でんな〜。



第14回 7月19日

・年度初めが金曜日スタートだったことと、ゴールデンウィークで1週休みになったので、火曜日は今週で終わりだったがなぜか木曜日は来週まである。今日が14回目。

・出席カードを配布。宿題チェックなどの配布条件なし。

・大学指定の授業アンケートを実施。今日は教室のパソコンからVPN接続がうまくいったのでほぼ全員が回答を終えた頃を見計らって集計結果を提示。1限も2限も概ね良好の結果。

・前回の出席カードの裏面に書いてもらった「日本語字幕と私」を全員分、書画カメラで提示しながら講評など。

・宿題として指示していた教科書の問題の答えを板書して解説。

・今日は英語字幕で見せてから、英語字幕も出さずに見るという活動をやってみた。簡単な台詞などを聞き取って書く練習なども少々。また、Anybody who knows me knows where to find me. という少し長めの台詞を取り上げて詳しく説明。この台詞が日本語字幕では「私に会いたければ探せばいい」と訳されているが、素晴らしい意訳だと思う。確かにその通り。この映画の中で一番秀逸な字幕だと思った。また、この台詞を説明する中で find の最後の音が b に聞こえる理由についても説明。

・別の場面ではあらかじめ日本語字幕の内容を口頭で説明しておいて、それを英語字幕も出さずに視聴するという方法も取り入れた。このような練習をいろいろやりながら、今日の出席カードの裏面に「英語字幕と私」というテーマで数行書いてもらった。英語字幕があるかどうかで理解度は変わってくるかどうか、英語字幕を楽しんで見れているか、英語字幕なしでどの程度キャッチできるかなど。いろいろ面白い意見が寄せられた。


・教科書の問題を適宜映像を止めながら進めていった。1限は最後まで行ったが、2限は質問が多かったのと、教室の空調の故障で集中力が続かなかったことで、結局最後まで進まなかった。


・来週が最終回で期末テスト。さすがに空調の効かない教室での試験はきついので、教室変更をお願いした。次回は前半がテストで、後半は映画DVDに収録されているメイキング画像やインタビュー、監督による解説音声などで名場面を見てみるといったことをやる予定。




第13回 7月12日


・出席カードを配布。宿題チェックなどの配布条件なし。

・質問コーナーと前回の出席カードの裏面に書いたコメントや質問を書画カメラで提示して講評や回答など。1限も2限も両方合わせても5件程度だったのですぐに終了。

・前回やり残した教科書・プリントの後半の問題に相当する箇所の映像を英語字幕で約5分、通して視聴。その後、再び最初から今度は教科書およびプリントの問題に関係する場面で順番に止めながら再生。今日のテーマは「ありがとう」ではない Thank you. と「ごめんなさい」ではない I'm sorry. など。こういうのは高校までの英語ではなかなか扱いにくいし、映画があるからこそスムーズに導入できる。 他に I thought you still might. と I thought you still could. の意味の違いを映画の場面に合わせ、助動詞の実現可能性の度合いと絡めて説明してみたり、否定疑問文が関係する "You don't care." "Yes, I do." という対話で Yes. なのに日本語では「いいえ」になるといったような口語英語の特徴をいろいろ扱うことができて良かった。やっぱりこういうことが自由自在にできるのは映画を使った授業ならではの醍醐味。もっとも、どの場面でどういう事項を説明するかを綿密に計画を立てる必要があるのが何かと大変なのだけれど。

・教科書の次のChapterへ。宿題として教科書の英文に自分でスラッシュを入れながら読んでみるという内容を指示していたので、スラッシュ入れのサンプルとして教科書の本文に手書きでスラッシュと通し番号を入れたものと、それぞれの通し番号に対応する和訳をまとめたものを1枚もののプリントにして配布。7分程度のおしゃべりありの自習時間をとり、自分でスラッシュを入れたものと比べてみたり、英語フレーズで意味のとれないところをチェックしたり、日本語のフレーズ訳から元の英語を復元する作業をさせてみたりの自由作業。同時に教室内を巡回しながら質問受け。ここでは有効な質問には出席カードに押印していく方法で評価した。一番多く質問をした者の出席カードには押印が3つにもなっていた。

・この時点で残り時間が30分弱。映画のエンディングまでを日本語字幕で約20分間視聴。なるべく日本語字幕を参照しながら英語にも耳を傾けてみるなど、4月当初よりも発展的な学習を指示してさせてみた。

・最後の5分程度で出席カードの裏面に2~3行程度、「日本語字幕と私」というテーマでコメントを書かせてみた。後期からの授業でどの程度、日本語字幕を使って見せるかということの参考程度にしようと考えていたが、やはり日本語字幕と英語字幕の両方を使う学習方法が好評の様子。面白いコメントがいろいろ寄せられたので来週は書画カメラでこれらを示して講評するところから開始。

・次回までの宿題として教科書の単語問題など1ページ分を指示。

・木曜日の授業は曜日の都合であともう2回。(火曜日は来週で終了なのだけれど)次回は今日の範囲からいくつか抜粋して英語字幕を使って何か有益なことを扱う予定。どういう切り口がいいかゆっくり検討してみる。そして再来週が期末テスト。




第12回 7月5日

・予告通り、授業開始直後にノートチェック。分量・内容に応じて赤・黄・緑の3色の出席カードを配布しながら教室内を巡回。ノート忘れや1~2ページしか書いていない者は赤、3~5ページ程度で黄、6ページ以上が緑。目安として赤は1点、黄は3点、緑は5点として平常点(30点満点)に算入。

・質問コーナーと前回の出席カードの裏面を書画カメラで映して講評など。

・教科書の英文を英語の文字を見ながら、またはPhrase Reading Worksheetの日本語部分を見ながら1回通して聴く作業。そのあと、Phrase Reading Worksheetの内容を10分程度、周囲の学生と相談などしながら各自で学習し、その間に教室を巡回しながら質問受け。質問者には出席カードにはんこ押印。普段は1限は質問が少ない印象があるが、今日は非常に活発にいろいろな質問が寄せられた。質問への回答と合わせて15分程度となった。

・教科書の単語問題の答え合わせや解説などを行ってから再度自己チェックの時間を設けた。

・英語字幕で映画を視聴。教科書で指示されている映画から読み取る問題が不十分のように感じられたのでほぼ同数の問題を追加し、英語字幕の内容から適切な日本語字幕を考えさせる練習と、日本語字幕であまりにも意訳しすぎていると思われた表現を、元の台詞に忠実に訳してから適切な意味で捉えるといった練習、台詞を使った英作文問題などを行った。

・映画を使った授業ではどこかのタイミングで自分が修士論文で扱った「名前の付加」についてまとまった時間をとって触れることにしているが、この映画では今日の場面が最適と感じたので追加の話題として扱うことにした。生徒が教師をファーストネームで呼んだ場面ではそれまでとは何が変わったのか、また、日本語の感覚では名前の付加は頻繁に起こらないが、英語ではどういう意図が伝わる可能性があるのか、修士論文の内容と2005年に学内紀要に載せた論文を紹介しながら簡単に説明。来週はもう少し名前の付加について他の場面でも扱ってみる予定。そして映画もいよいよ感動のエンディング場面まで見ることになる。(もう既に一度見ているけど)

・名前の付加の部分で紹介した学内紀要に載せた論文の抜き刷りが大量に残っているので、希望する学生に配布した。20部ぐらいは捌けたかも。(冗談で「この論文を読んだら神谷ファンクラブ会員に認定!」と言ったのが功を奏した…かどうかは定かではない。)



第11回 6月28日

・教室の空調が故障しているらしく大きな扇風機を2台設置してあった。事前に教室変更の打診もあったけど各机に中間モニタがあるこの教室の設備が使いやすいので変更しないことにした。かなり大規模な修理が必要らしく、夏休みまでこの状態らしい。もともと午前中は日光があまり入らない北西側の教室なので、窓を開けて扇風機というのでもさほど問題ないのだが、授業時間の4分の1程度は映画を使っていて、暗幕も閉めることがあるのが少々つらいところ。

・先日の補講でやった内容をダイジェスト版で説明。Alcom WorldのClick all in Eijiroも紹介。

・中間テストの返却と講評など。出席カードの裏面にテストの感想などを書いてもらった。ここまでで30分経過。

・英語字幕で通して見てから、再度少しずつ止めながら教科書の問題を実施。教科書のリスニング問題を流すために音源ファイルを開こうとしたが、なかなかアプリが立ち上がらずイライラ。普段はそれなりに速いパソコンを使っているので時々教室設置のパソコンの遅さが残念。(設備上、持ち込みパソコンは使えない。)あまりにも立ち上がるのが遅いので、自分の声で2回通して読み上げ、答えを板書した頃にようやく音声が流れるというシュールさ。(事前にアプリを立ち上げておくのを忘れた自分も悪いけど、普通ならダブルクリックしたらすぐに流れて欲しいところ。)2限はあらかじめアプリを立ち上げておいたので問題なし。

・教科書の次の範囲を20分弱ほど日本語字幕で見て終了。教科書の英文とプリントの両方を比較しながら目を通し、教科書の単語問題を解いておくところまでが次回の宿題。来週は日本語字幕と英語字幕の内容比較を中心に進めたいので、教科書の方の「やさしい英語表現に書き直したぬるい英文素材」は控えめにする予定。


・この授業では「自分で英語で表現できるようになりたい表現集」のノートを作らせているが、次回授業でチェックすることにした。書いているページ数などに応じて出席カードへの押印の数を変えるといった形で検討中。



第10回(補講) 6月23日

・5月に忌引で休講にしてしまった分の補講、中間テストや2回セットで進めているというタイミングなどの都合でこんな時期にやることになってしまった。出席者は1限は6名、2限は4名と、通常の9分の1ほど。まあ仕方ないしこれは想定の範囲内。(むしろ予想以上に集まったというような気もしなくはない。)通常の1限・2限の時間の制約を受けず、どちらでも好きな方に出て構わないということにしたが、結果的に2限に出てもらう方が良かった。


・普段から使っている教室は機器トラブルがちょっと多め。今年はスピーカーの音が片方聞こえなくなるとか、誰も使わないHi8の機器から断続的にアラーム音が鳴って授業が妨害されるとか、空調が故障するといった比較的地味なトラブルが多かったが、今日はパソコン音声・映像は教室内の各テーブルのモニタに送信できても、書画カメラの映像が送信できないという過去最大級のトラブル。どうやら制御卓装置の故障らしい。パソコンと書画カメラの両方を使って授業しているので、まさに「つうこんのいちげき」(ひらがなで書きたくなる程度のドラクエ世代です)。

プリントと板書でいろいろと説明しようとしても機器の対応などで教務課の人が出たり入ったりするのでそのたびに中断。急遽別の教室を手配してもらったが、そこは今度は教材DVDが再生できないという重大な事実に教室移動を済ませてから気づいてしまった。仕方がないので教材とは無関係な内容だが緊急避難的持ちネタの一つである「パソコンを使った英語学習」に切り替えたが、移動先の教室ではさらにパソコンから音声再生がうまくいかず。TEDなどのオンライン英語学習コンテンツを紹介しようと思っていたのに緊急避難にも失敗。たぶんどこかの設定を変えたら出るはずだが、こちらも少々パニック気味だったので気づかなかった。でも1限の補講に出てくれた人には"Click all in Eijiro"の便利さだけは伝えることができたと思う。上手に使って欲しい。


・もともと1限と2限は同じ内容の補講をすることになっていたが、さすがに機器トラブルのドタバタ劇まで2限で再現することもなかろうと(当たり前だが)、1限を少し早めに終わらせ、普通教室を急遽手配。何とか持ち込みパソコンと書画カメラで通常と同程度の授業ができる体制まで整えて2限開始。最初1名しか来なかったが、遅れて3名が到着。


・プリントへの書き込みではいつもと同じように英文を前から後戻りせずに読むための訓練として「大きなかたまり」を見つける練習などをしながら、今日は新たにPhrase Reading研究などでもよく引用されるマジックナンバー7±2の考え方を紹介。英語での発信力を高めるためには単語だけを覚えても意味はなく、7±2の単位で発信できるようにすることが必要といった話。この授業は普段から「自分で発信できるようになりたい表現集」を自由に作らせているが、今後は単語の置き換えなどを行いながら7±2を参考にまとめて欲しい。このほか、教科書本文中のtheとa/anに特に注目しながら冠詞の捉え方などを説明。(なかなか冠詞の考え方を読解の授業と絡めて説明するのはタイミングが見つけにくいのだが、今日はたまたまそういう説明ができそうな素材だった。)


・教科書の問題をやってから映画を英語字幕で一場面だけ見て、その内容の練習問題をやったところで時間切れ。もう一場面あるが、ここはもう来週からの通常授業ではやらずに解答をプリント配布にして終わる予定。

・授業後しばらくして教務課の人から電話があり、業者に出張修理に来てもらい、機器トラブルは復旧したとのこと。一応今後の授業も同様に、急に普通教室を使うことになっても何とかなるように準備だけは…できたらしたくないなあ。何しろ現有の設備を利用することを前提に最適化した授業なので。(例えば普段から教卓パソコンから送信する映画映像とは別に、自分の手元ではノートパソコンのEvernoteに載せた映画DVDのシナリオ原文や授業メモなどをちらちらと見ながら授業している。これを見ながら映像も投影して授業するためには普通教室ならノートパソコンを2台持ち込まないといけない。授業メモだけならともかくシナリオ原文をプリントアウトして持っていくには膨大な分量だし時々セリフなどを検索して参照したりすることもあるが紙媒体ではなかなか難しい。)



第9回 6月21日

・教室のある階の冷房が故障しているとのことで窓を開けての授業となった。雨天のため冷房なしでも十分涼しく助かった。

・授業開始時間後10分間の自習時間を設けてから25分間の中間テストを実施。途中10分経過時点でディクテーション問題を音読。

・質問カードへの回答。1限は1件のみ、2限は多数といういつもの状況。

・前回の続きとして教科書の問題を映像を見ながらやったが、これは期末テスト範囲外とした。

・この時点で残り時間が1限は30分弱、2限は25分弱となったが、教科書の次の範囲の映画を日本語字幕で約20分視聴。中間テストも終わったので今後は少しずつ授業の進め方を変えていくことを宣言。2限はほとんど時間がとれなかったが、1限は映画を見終わった後で教科書の英文の4つの段落のそれぞれが、映像中のどの場面を描いたものかが読み取れるかグループでチェック。英文を精読できるかどうかはとりあえず脇においておき、パラグラフがどういう内容なのかをざっとつかむという趣旨。2分後ぐらいに日本語訳の入ったPhrase Reading Worksheetを配布して、想像した内容と合致しているかをチェック。

・今後はPhrase Reading Worksheetの日本語部分を埋めてくるという予習は減らしていき、映像を手がかりに授業中に、または映像を見る前に予習として教科書本文をパラグラフリーディングするといった方向で進めていく予定。

・6月23日の補講内容について連絡して終了。



第8回 6月14日

・来週の中間テストで出そうな問題(どんな形式の問題が出るか)を授業開始前に板書しておいた。メモを取る代わりにケータイで写真撮影可ということにしたらほとんど全ての学生がケータイで撮影していた。

・出席カードは使わず、カードリーダーにて。授業中の良い質問や活発な発言などはいつもなら出席カードに押印して回るが、カードリーダーで出席を取る週は「おっけい合格」のハンコを押印したプリクラサイズのシールを配布することにしているが、この授業では今回が初登場。1限・2限とも6名ぐらいずつに配布。(次回、出席カードを使う週にこのシールを貼り付けて提出してもらって一緒にカウントする。)

・前回の出席カードの裏面や質問カードに記された内容に回答。

・前回のPhrase Reading Worksheetの日本語訳部分を目で追いながら英語音声を聴く練習。映画を字幕なしで楽しめるようになるための小さな目標として。前回の範囲をざっと説明してからまだやっていない箇所を1ページずつ解説して自習用ノートに書き写したり質問を受け付けたりする時間。

・教科書の単語問題を共同作業で考えさせて答え合わせをしてから、途中で区切りながら読む場合の数を板書し、例文ごとに適切に区切って読む練習。これは速読のためだけではなく、初めて見た英文を音読するときにも必要な練習という位置づけで。

・いつもは英語字幕で見るところだが、一つの場面を再度日本語字幕で見て、日本語字幕にはないのに英語の音声では読まれているという内容をキャッチする練習。答えとなる英文箇所で部分的に単語が聞き取れたという学生は1限・2限とも数名ずついたが、自然な発話速度で読まれる箇所でもあり、文全体がキャッチできたという学生は誰もいなかった。次に英語字幕に切り替えてしばらく映画を視聴。教科書の練習問題の区切りとなる場面では1問ずつ止めながら、時に繰り返しながら英語字幕を書き写すといった練習など。また、別のシーンでは映画から音声だけを切り出し、かなりの早口で喋っている部分を再生速度を落として聞き取らせる練習を行った。本物の英語音声からすると-30%ぐらいだが、それでもなかなか難しかった様子。

・いつも進度調整では何かと苦労する1限と2限の進み具合は教科書の練習問題で3問分ほどの差に収まった。練習問題の残りを来週中間テストの後にやってから次の範囲に入るという段取り。次のUnitは時間調整のためにも予習プリントを1回飛ばして、いきなりフレーズ訳の入ったPhrase Reading Worksheetを配布し、教科書本文の解説からやる予定。



第7回 6月7日

・出席カードを配布。予習をやっているかどうかをチェックして回りながら異なる種類の出席カードを配布しようかと思ったが、今日は自己申告制ということにした。全員同じカードを配布し、予習してきた人は綺麗なお花の絵を、予習していない人は汚いウ○コの絵を出席カードの片隅に描いてもらうことにした。最初に予習範囲の解答プリントを配布し、適宜手が空いたときに各自が自由に予習範囲のチェックなど。

・質問コーナーは1限は1枚だけ、2限は大量に、というのはだいたいいつもの傾向。その後、前回の出席カードの裏面に書いた各自の理解度と積極性を全員分書画カメラで提示しながら講評など。

・1限も2限も教科書の前のUnitの練習問題を残していたので回答させて答え合わせ。2限の方は毎週恒例の多量の質問カードの影響で映画を英語字幕で見て答えさせる問題も少し残っていたのでそちらも。その後2限は少しスピードアップしたものの、結果的にプリント1ページ分の差がついてしまった。

・約20分弱、教科書の新しいUnit範囲に相当する部分の映画を日本語字幕で視聴。その後、Phrase Reading Worksheetを使いながら直読直解のためのコツなどをいろいろ紹介。今日は1行ごとにだんだんと話題が雪だるま式に広がっていくような読み方を推奨し、しつこく何度も小さい○から大きい○へと内容が増えていくイメージで捉えることを説明。それと同時に複数行のPhraseから成る中くらいの塊をみつけて、文法上どういう役割を果たすかということを観察させた。また、各自が発信できるようになりたい表現を中心にノートに書きためていく作業もいつもと同じだが、この時間を授業時間中に確保する分量を少しずつ減らしていくことを予告。その他、文頭の〜ing形や頻出構文、熟語などを直読直解を優先しながら意味をとっていく作業。最終的に1限はプリント3ページ分、2限はプリント2ページ分まで進んだ。

・来週はプリントの残りを終えてから教科書の問題を1ページ進め、英語字幕で部分的に視聴しながら教科書の問題をさらに進めていく。そして再来週に中間テストという段取り。



第6回 5月31日

・出席カードを配布。(全員同じもの)

・質問コーナー(前回提出の質問カードは2限のみ7枚。1限は質問カードは提出なし。)この授業で重点的に扱っている直読直解の方法や意義についての質問や学習方法について。また、リスニングの効果的な学習法に関する質問があったので、VOA Special Englishを紹介。さらに単語の多義性に関する質問があったので、以前書いたこちらのブログ記事を提示してざっと説明。

・前回、途中まで終わっているPhrase Reading Worksheetをもう一度最初から、日本語部分だけを見ながら上から順番に「音の粒を拾いながら」聴いてみる練習。こういうのは各自が教科書付属のCDでも是非やっておいて欲しいところ。続いて前回の続きの解説を行うが、特に2限でプリントの忘れ物が多く、書き込んで説明するために残していたプリントまで出払ってしまったのが残念。今日は特に直読直解を行う時のthatの扱い方に焦点を当てたつもり。プリント全体を終えてから3分程度、各自が覚えておきたい表現などをノートに書きためる作業時間を確保。

・続いて教科書の単語問題を3分ほどでやってから答え合わせ。単語の意味だけをざっと確認してから後方積み上げ方式で説明して音読練習。

・残り時間が約30分弱となったので、ここらで今日の範囲を英語字幕で見る練習。最初のあたりは教科書の次のページの問題とは無関係だったが、進行形が意志を表している用法と、否定疑問文の答え方が絡む場所があったので、映像を止めて説明。続いて教科書の問題を1つずつ映像と交互に見ながら進めていったが、英語字幕が出ているタイミングで一時停止をするのがちょっと難しかった。セリフはまだ続いているのに英語字幕が消えてしまうとかで、画面上に出ているセリフを書き写させたいのに何度も巻き戻しが必要だった。まあこれもパソコン上で3秒送りができるのでかなりやりやすい状況ではあったけれども。映画の中のセリフでも簡単な単語をつかって話しているところは丸ごとディクテーションできるようになってもらいたいところ。こういうのも中間テストに出題すると伝えておいた。

・2限だけ最後の場面まで行くことができなかった。来週答えることになる質問カードは1限は1件だけ提出があったが、2限は10枚も…。また進度がずれてしまいそう。

・最後に次回までの宿題プリントを配ってから出席カードの裏面にミニアンケート。(1)授業の理解度 (2)どれぐらい授業に積極的に関われているか をパーセントまたは記号で答えさせた。(2)についてはA(全力、楽しすぎて涙が出る)〜E(脱力、つまらなすぎてあくびが出る)という評価基準を提示したが、1限はAとDは非常に少なく、BよりもCが若干多い程度。幸いEはなかった。2限はAに相当する解答がかなりあった。1限よりも2限の学生の方が理解度も積極性も勝っている様子。(でも2限の方は毎週学生の私語を注意しないといけないというのが残念…私語をする者は他の学生から呪われてしまえ!…などという言い方で注意喚起。)来週この出席カードを書画カメラで映して講評を加えるところから開始予定。



第5回 5月24日

・前回休講の理由説明および補講について案内など

・質問コーナー(前回提出の質問カードは2限のみ。しかも10枚近く。一方、1限は質問カードは提出なし。)英語学習に関する一般的な質問からちょっとだけ言語学に絡む質問までいろいろ。「どこの国の言葉が一番奥深いですか?」という質問に言語オタ炸裂。以前みんぱくで受講したサン語の話をちょっとだけやって吸着音の説明(なかなか上手に発音できないけど)。まあこんな具合に授業と無関係の質問も歓迎するが、授業を聴いて疑問に感じたこと、自分ならこのことはこう考える、みたいな質問を今後も歓迎したい。2限の学生には説明したが、これも一種の就活対策。タイトルは過激だが石渡嶺司・大沢仁『就活のバカヤロー』という本では就活の面接で「最後に何か質問は?」という質問を行うことで学生の価値観や真のコミュニケーションスキルを探ることが多いことを指摘している。学生がこの授業に限らず、授業で聴いた話を自分の中でどう膨らませるかということを1年の時から繰り返すことは非常に大切であり、この授業みたいな質問コーナーがない授業でも、授業内容で関心をもったことがあれば授業後にでも担当者に声をかけてみることを勧めておいた。

・前回の出席カードの裏面に書いてもらった日本語字幕にするか英語字幕にするかという件について、記載のあるものを書画カメラで映してだいたいの傾向(英語字幕を好む声が多い)を紹介。

・今日の範囲の映画を日本語字幕で見てから、予習用として渡していたPhrase Reading Worksheetの答えとなるプリントを配布。各自が予習してきた内容を確認している間に机間巡視し、予習してきた者には「おっけい合格」のはんこを押した出席カード。やっていない者にはなにも押印のない出席カード。予習をしていない者の割合は2限の方が若干多め。2限は質問をたくさんしてくれるクラスなのは評価に値するが、もっと基本的な部分で手を抜いている者が多くて残念。

・この授業で目標にしている「英文を後戻りしながらではなく、前から順番に読む」活動の助けとなる読み方(特に英単語をネイティブスピーカーがどう捉えているかという話)を中心に、プリントを書画カメラで示しいろいろ書き込みしながら1ページずつ進めた。1ページ終わるごとに数分程度のブレイクを入れ、質問を受け付けたり各自の英語学習ノートに「使えるようになりたい英語表現」を転記する作業など。ここでも質問として有益なものには出席カードに「おっけい合格」を押印。1限は4ページのうち3ページで時間切れ。2限は4ページのうち2ページで時間切れ。

・次回はこのプリントを最後まで進めてから英語字幕で再度同じ範囲を見てから教科書の問題ともう少し細かい英語表現の抜き出しなどを行っていく予定。


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★ 受講生のみなさんへ お知らせ ★

申し訳ありませんが、急な用件のため、5月17日(木)1/2限の受信英語の授業は休講とさせてください。

これに伴い、中間テストの予定を6月14日(木)から6月21日(木)に変更します。また、今回の休講に伴う補講は6月23日(土)に実施します。

改めて事務室から通知があると思いますが、ひとまず休講の確定のお知らせをしておきます。


5月15日 神谷
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第4回 5月10日

・全員に出席カード配布。今回は宿題チェック等による差別化なし。

・質問コーナー。やはり2限の方が質問コーナーは盛り上がる様子。質問コーナーが終わった直後に追加の質問カードが提出されやすいのも2限の方。

・教科書の単語問題を5分間で実施。答え合わせしたあと、例文を後方積み上げ読みで意味を取っていく練習。具体的には、例えば Are you thinking about the whole globe? という例文の場合、globe、世界、the whole globe、世界全体、about the whole globe、世界全体について、thinking about the whole globe、世界全体について考える、Are you thinking about the whole globe?、世界全体について考えていますか…というように、後ろから積み上げる形でまずは通して訳し方を説明。このような練習はPhrase Reading Worksheetを使って前から読む練習を補うことにもなる。8つの例文を全て同様の形で行ってから、今度はglobe, the whole globe, about the whole globe, thinking about the whole globe, are you thinking about the whole globe… のような形で後方積み上げによるRepeat after me練習。最後に学生同士が適当なところで後方からのPhraseをクイズを出し合う形で確認練習。

・このクラスは英語学習ノートの作成を推奨しているが、板書とは異なるペース、異なる内容で自由にどんどん使えるようになりたいフレーズ等を書き溜めてくれる学生が増えてきた。この学習を授業外でもある程度やってくれるところまで持って行きたい。いずれはノートチェックなども行うことになるかな。

・映画を英語字幕で場面ごとに通してみて、教科書の問題を一つずつ解説。映画の再生にはパソコン上でVLCを使っているので、キーボードショートカットで3秒送り/戻し、10秒送り/戻し、1分送り/戻しができるので非常に便利。必要な場面だけを選んでみせることができる。また、教科書の問題の解答となる英文の一部を板書して語法の説明などを行い、字幕翻訳の制約(1秒につき4文字まで)についても紹介。

・今日の映画再生は英語音声/英語字幕でやってみた。前回同じ範囲を日本語字幕でも見ているので、さほど難しくはなかった様子。念のため、2週単位でUnit 1つずつ進めて行く際に1週目は日本語字幕、2週目は英語字幕という方法で問題ないか、出席カードの裏に感想を書いてもらったところ、ほとんどの学生からはむしろ英語字幕の方が良いというコメントが寄せられた。素晴らしい!普段あまり英語字幕で映画を見る機会もないので、新鮮な印象にも繋がるのかもしれない。ただやはり一部の学生からは2回目も日本語字幕を希望する声も出てきているので、この辺りの配慮をどうするか今後検討せねば。(実は今日、英語字幕を使うかどうかは授業開始時点ではあまり考えていなかった。ちょっと試してみるか、ぐらいな感じでやってみたのが正直なところで、事前に英語字幕で見ることも予告していなかった。でも今後ずっと1週目は日本語字幕、2週目は英語字幕という流れを定着させるようにすれば、1週目に日本語字幕を必死に(!)読む学生も増えてきて、ある程度はストーリーが頭に入った状態で英語字幕を見てくれることになると思うので、これはこれで効果的な学習に繋がるのかもしれない。)

・次回までの宿題として、教科書の次のUnitの英文をPhrase Reading Worksheetに加工したものを埋めてくることを指示。



第3回 4月26日

・前回の宿題をチェックしながら出席カードを配布。宿題をしていない者には「だめです」のはんこが押された出席カード。

・前回の質問カードへの回答。2限の受講生は質問が多い。熱心でよろしい!こういう学生の好奇心にはなるべく答えてやりたいところ。

・前回の映画の感想を書いた出席カードを書画カメラで示して共有。(今後、出席カードの裏面に授業の感想などを書いたらポイントを加算するかも?)

・Phrase Reading Worksheetの確認を1ページずつ進めながら学習アドバイス、注意すべき表現、意味の分からない単語のチェック、チャンクで覚えたい表現を探す、直読直解のために必要な文法の考え方などを中心に書画カメラで提示しながら説明。1ページ終わるごとに5分程度時間をとり、各自が覚えておきたい表現などをノートに書き写す作業。この作業の間は随時質問を受け、良い質問には出席カードに「おっけい合格」のはんこを押印。

・大学生の勉強は黒板に書いてあることを書き写すだけではダメで、自分で考えたこともノートに書き、それを貯めて行くことが重要!というアドバイスをしたのだが、うまく伝わったかなあ。この方法をどんな授業にも当てはめてくれたらきっといろいろうまく行くと思うのだけれど。

・プリント3ページ分の学習が終わった時点で最後に4通りのリスニングについて紹介。Phrase Reading Worksheetならではの学習方法として、英語音声のリスニングを行うとき、英語部分だけを見ながら、左右両方を見ながら、日本語部分だけを見ながら、何も見ないで、の4通り。これらの中から1つ方法を選ばせて、神谷のゆっくり目の音読で聴いてもらった。

・来週までの宿題として、これらの4通りの聞き方1セットを毎日、教科書付属のCDで聴くことを指示。本気でやってくれたら来週までに教科書の付属CDをこれで28回も聴かせることができる。朝昼晩にやったら84回も!(そこまでやる学生はいないか…!?)とにかく、教科書付属のCDをひたすら聴くためにはこういう練習をしてほしい。

・最後の10分で本日の範囲の映画を日本語字幕で視聴。

・次回は教科書の練習問題と、実際の台本の生の台詞を字幕と比べた学習などを行う予定。今後も2週セットで最初の週は教科書を中心に、次の週は映画そのものを中心に学習するという形で組み立てて行く予定。



第2回 4月19日

・前回の質問カードへの回答。1限は2件、2限は9件あったので2限の方が5分ほど長くかかった。授業後に回収した次回回答すべき質問カードも2限の方が圧倒的に枚数が多い。熱心でよろしい!

・映画の続きを視聴。約1時間。エンディングロールのところで教室を明るくして出席カードを配布、記入。裏面に映画の感想など自由に。

・Phrase Reading Worksheetを配布して次回までの宿題について説明。右側を埋めてくること、エキサイト翻訳は使わないこと、なるべく英語の語順を意識すること、なるべく意味の固まりをとらえながらやるようにすること、友達と協力してやること…などなど説明。1限は少し時間があったので、冒頭の部分だけ板書して考えさせた。2限は時間が足りず、口頭で訳し方をざっと説明したのみ。

・授業とは無関係の新入生アンケートをやって授業終了。

・以下、雑感など。教室では英語音声、日本語字幕で再生しながら自分はノートパソコンでタイミングをシンクロさせながら英語字幕で視聴。日本語字幕と英語字幕を比べて観たらいろいろ面白いネタが見つかったのでせっせとEvernoteにメモっていた。例えばI'm sorry. と言っていて字幕は「ごめんなさい」とあるが、どう考えても「ごめんなさい」とは訳しにくい場面とか。(だったらどう訳すのか?と言われると難しいけどちょっと考えておく。)Thank you. も「ありがとう」と訳さない方が良い場面も発見。学部生時代に英米語学科のゼミでこんなことをいろいろやっていたなあ、と当時を思い出しながら…。

・Anybody who knows me knows where to find me. が字幕で「私に会いたければ探せばいい。」なんて訳されているのも見つけた。面白いなあ。(授業しながら自分も結構楽しんでいたりする。)

・それにDVDの英語字幕も結構実際の台詞からは単語が抜け落ちてることも改めて発見。来週使う範囲だけでも日本語字幕と英語字幕(さらには実際の台詞も)を比較しておかねば…。

・それにしてもこの映画、最後がヤバいんですけど…。2限終了まででこの映画をもう4回観たことになるが、何度観てもラストが…。教室の後ろの方にはエンディングのしばらく前あたりから寝てしまった者が数人…なんともったいない…。



第1回 4月12日

・映画『ペイ・フォワード』(Pay it Forward, 2000年)を使う授業。

・出席確認はカードリーダーにて。

・オリエンテーション。シラバスと補足事項のプリントに従った説明を約30分間。ここでは効率的な英語学習方法の例を説明する中で、英単語を10回書くということがどういう意味を持つのかを考えさせた(つもり)。Nation(2001)の例の説明の仕方もちょっとだけ引用。(去年の1年生の授業では結局触れる余裕がなかったので忘れないうちに、ということで。もちろん今後も何度も紹介することになるのだけれど。)

・映画DVDをChapter 17(00:56:41)まで視聴。今週と来週で全体を日本語字幕で通して視聴。今日の視聴範囲がおおむね中間テストでの出題範囲。来週視聴分が期末テスト範囲に相当。

・質問カードを回収して終了。

2012年7月24日火曜日

授業記録:ブリッジ・イングリッシュⅡ(月曜2限)

授業のシラバスはこちら

第15回 7月23日

・いよいよ最終回。この科目も「ブリッジ・イングリッシュI」同様、期末試験を行わない科目(毎回の出席カードの評価と予習・復習・ミニレポートで成績算出)なので、最終回でもいつもと変わらない雰囲気。でもやっぱり最終回なので、この授業の最大の特徴と自負している「言語・文化・教育に関する質問コーナー」はなるべく全件答えることにした。(ひとり何件も書いている人のはせめて1件だけでも。)

・というわけで質問コーナーの大量記録、行きま〜す!「英語を勉強して人並み以上に英語をしゃべれるようになったら他の外国語にも興味が沸いてくるものですか?」(→人によると思う。英語だけを極めようと言う人と、英語が身についたのだから他の言語も行けるはず!みたいに思う人と。自分は後者。)「先生が英語を学んできた上で一番の喜びだったことは何ですか?」(→いろいろあるけどApple Keynotesがそのまま理解できるようになったことかな?日本では報道されない細かいところまで味わえるから。)「今までの出席カードの質問の解答を見たいですが、見せてもらえますか?」(→このブログでまとめている。全員分の出席カードも全て残しているので個人の質問履歴が見たければどうぞ。)「外国ではクリスマスにはケンタッキーを食べないそうですが本当ですか?」(→どうやらそうらしい。こちらの記事をどうぞ。)「TOEICテストでの会話文章問題で飛行機は飛ばない、予定を決めるとき最初の案は成立しないなどのイメージがありますが、他に受験者に決めつけられているものはありますか?」(→何だよ、そのライフハック!(苦笑)あまりそういうことは考えない方がいいと思うけど。本当の英語力じゃないし…。)「なぜ5W1Hの1HにあたるHowはWで始まる語にならなかったのでしょうか。6Wとなれば統一感があったと思うのですが。」(→実は5Wの方が変。本来はどれもHで始まる単語だった。以前別のブログでまとめた記事を紹介。)「日本で写真を撮るときは『はいチーズ』や『1+1=2』を使っているけど英語にも写真を撮るときにかけ声みたいなのがあるんですか?」(→そもそもSay Cheese!が英語なんですけど…「イー」の音を発音するときに口が横に開くタイミングで写真を撮るから笑顔が撮れるわけで。)「先生は英語の映画は必ず字幕を見るのですか?」(→字幕が要らないと思うことも多い。)「世界で最も自分の国から外国に人が出て行くことが多い国はどこでしょうか?」(→よく分からない。政治的な理由を除くのであれば、例えば韓国で頭脳流出が問題になりつつあるという話を聞いたことがある。)「英語の敬語とはどんなものですか?」(→とても一言では言えないけど、例えば依頼をするときの表現として pleaseを付ける、Will you...?、Would you...? I was wondering if you could ... というようにだんだんと丁寧さが増していくようなことがその例かも。)「私は外国に(言語にも文化にも)全く興味が持てないため英語の勉強が苦です。どうすれば興味が持てるようになりますか?」(→英語を知って得したという体験があると弾みが付くかも。)「昔の人間が原人やアウストラロピテクスだった頃に出会っても言葉が通じないので、やっぱり暴力という解決手段を使っていたんですか?」(→それだけじゃないだろう…動物の本能は暴力だけじゃないし、そもそも種が生きながらえるためにはオスとメスが…そこで暴力だけしか発生しなかったら種の存続は難しいと思うけど。)「アメリカの料理が考えられない色をしていました。ああいった料理は体にいいのでしょうか?」(→うーん、どうだろう?おいしそうに見えるものをおいしく食べるという健康法もあるのかな。)「先生はどこの国の料理が一番おいしいと思いましたか?」(→食べ慣れているという意味で日本と韓国。)「英語を縦書きで書くことはないのか?」(→たぶんないでしょうね。アルファベットの筆記体は横に流れる形で書くので。毛筆ので縦書きをするときの草書にあたるような書体がアルファベットでも作られて定着すれば縦書きにもなるだろうけど。)「先生の子どもに英語は学ばせていますか?」(→公文式英語をさせています。)「先生が次に覚えたいとかいま勉強している外国語はありますか?」(→この夏こそ韓国語をもうちょい…)「外国の名前(苗字)の由来が詳しく知りたいと思った。」(→アメリカの場合でも地名姓、父称姓、職業姓、ニックネーム姓など。参照した資料はこちら。)「現在だんだん日本に外国人が増えてきていると思う。将来外国人ばっかりになると日本語は廃れていきますか?」(→日本語が教育で使われる言語である限り、日本語が廃れることはない。何百年後かにどうかるかは知らないけど。)「以前、オーストラリアに行った時に現地の人に「金をくれ!」とせがまれたんですが、外国人は日本人を下に見ているんですか?」(→冗談で言っているなんてこともあるかと。自分の経験ではとある観光地で橋から景色を楽しんでいたら現地の子どもたちがいきなり飛び込んで「すごいだろう、金をくれ!」的なことをやっていた。これで観光客相手に小銭稼ぎができることに味をしめたなんていうケースもあるのかも。)「先生が一番好きな英語の映画は何ですか?」(→ノッティングヒルの恋人エリン・ブロコビッチバック・トゥ・ザ・フューチャー…ほかいろいろ)「単語の数が一番多い言語は何ですか?」(→解不能。ある言語の単語の数を数えるのは困難。複数形や三単現の変化形を1つにまとめて数えるか、別々に数えるかという問題もある。日本語なら、「出口」と「入口」と「出入口」をどう数えるか、みたいな問題もあるし。)「日本で使われているカタカナ語を英語圏で使うと全く意味が違う言葉がありますが、なぜですか?日本人の勘違いから始まったのでしょうか。」(→いわゆる和製英語。ウィキペディアでよくまとまっている。)「英語の最大の難しさって何ですか?」(→文化を知ること。大人になってから外国語としてどれだけ英語が上手くなったとしても、子どもの時に唄った歌やゲーム、踊りなど、ネイティブなら誰でも知っていることをネイティブ以外が経験するのは難しい。)「なぜ英語の先生になろうと思ったのですか?」(→英語との相性が良かったんだろうな。自分の英語学習歴はこちら。)「アメリカには貧困層に肥満が多いとのことでしたが、日本でも貧困層に肥満が多いのですか?」(→アメリカのフードスタンプのような制度は日本にはないので、同じ次元で語ることはできない。貧困層に肥満が多いことについては書籍「ルポ 貧困大国アメリカ」(堤未果)が参考になる。)「関係代名詞のwhoやwhichなどをthatに変換できると学びましたが、変換してはいけない場合はあるんですか?」(→先行詞が人の場合はwhoがよく使われ、thatにはなりにくいが、逆にthatの方が好まれるという場合がある。おすすめの文法書『総合英語フォレスト第6版』ではp.297-298に良くまとまっている。)「関係代名詞は誰が考えたんでしょうか?」(→誰が考えたというよりもインド・ヨーロッパ諸語に昔からあるのだけれど。)「日本の苗字とアメリカなどの苗字は逆に書いたりするが苗字の方を先に書く国は多いですか?」(→国単位で数えてもあまり意味はないだろうけど、名前→苗字の方の順番が多いかな。日本と同じように苗字→名前なのは中国・韓国・北朝鮮・ハンガリーなど)「日本語にはない概念の英語はどんなものがありますか?また逆の場合はどんなものがありますか?」(→例えば『単語の文化的意味』という本がある。サブタイトルに「friendは『友だち』か」とあるが、学校で言う「同じクラスの友達」という場合はfriendでないものも含む。英語のfriendはもっと親密な関係。また、帽子をかぶる、めがねをかける、シャツを着る、ズボンを履く、下着をつける…は英語では全てwearなので、wearの内容を1語で表すことは日本語では難しい。)「アメリカの祝日は州によって違う場合があると聞きました。それはどんな祝日ですか?」(→Wikipedia英語版の記事でよくまとまっていますのでそちらを参照してください。)「アメリカ人はあまり白米を食べないのですか?」(→アメリカで商業的に米が作られているのは6州のみ。詳しくはWikipedia英語版のこちらの記事。米が育つ気象条件は限られているし、そういう状況であればアメリカ人の白米の消費量も当然少なくなる。)「基礎ゼミの集合教育でTOEICは必要ないと聞いたんですけど本当ですか?」(→どういう文脈での説明かはその場にいなかったので分からないけど、就職してからは必要ないというような説明だったりして?そりゃあ英語が必要ではないという職種もあるだろうけど、だからといって大学生がTOEICの勉強をしなくていいという理由にはならないと思うけど。)「日本語はいつできたのですか?」(→いろいろな説があるけど、個人的に気に入っているのは安本美典『日本語の成立』の考え方。この表紙に書かれているイラストをそのまま板書して簡単に説明。)「英語の「秋」を表すautumnとfallの意味の違いは何ですか?」(→基本的に意味は同じ。fallは元から英語にあった語。autumnが後から英語に入ってきた外来語。以前ブログのこちらの記事で取り上げていたのを思い出した。)「全ての前置詞が関係代名詞の前にくっつきますか?among whichとかwith whichとかあるんですか?」(→くっつくと考えて良い。amongもwithもどちらもあり得ます。)「英文法を勉強してから英会話を勉強するととても違和感があります。中高で勉強した5文型や文法は日本語で言うところの敬語で、英会話は友達間などでのくだけた表現のように感じるのですが。」(→相手に誤解されないようにするための道具として英文法がある。いつでもどこでも友達間でくだけた表現だけ使うのが英語というわけじゃない。それに英語で友達を作ろうにも、文法がデタラメで「こいつの言っていることはおかしい」なんて捉えられてしまっては、友達にもなれないなんてこともあるんじゃないかなあ。英語で友達を作るためにも英文法はやっておくべき。)「なぜ世界共通語が英語なんですか。フランス語やイタリア語ではいけなかったんですか?」(→大航海時代以降に英語圏が頑張ったから。そして戦後のアメリカの力が大きかったから。フランス語と英語は特にアフリカで覇権争いをした。またフランス語は万国郵便連合の公用語だったので、以前は航空便で封書を送るにはBY AIRではなくフランス語でPAR AVIONと書いておく必要があった。)

・その他、コメントとして「とある夜の旅番組で今はヨーロッパを旅行中ですが、今まではただ字幕を読むだけでしたが最近では現地の人がしゃべっているのも注意して聞くようになりました。この科目をきっかけに自分の意識が変わってきたと思います。」とのこと。嬉しいねえ。

・以上、長すぎるというコメントもほんの一部にあった(圧倒的大多数は歓迎してくれていた様子。たぶん。)「言語・文化・教育に関する質問コーナー」は終了。ちなみにこの実践事例は書籍『言語文化教育学の実践 -言語文化観をいかに育むか-』で自分が執筆した「言語・文化・教育に関する学生の関心事 ー授業とブログによる実践からー」に基づく実践事例としてブリッジ・イングリッシュIIの授業の中で継続的に行ってきたものです。(学生にはこの論文そのものについては紹介しませんでしたが、論文中で紹介しているブログは時々参照していました。そしていつの間にかブリッジ・イングリッシュIの方でも質問コーナーがメインコンテンツに格上げになりましたが、後期開講の同一授業では質問コーナーは「ブリッジ・イングリッシュIIのみで扱います。)

・残り時間30分。今日は英文法の最後の親玉、仮定法。いまいちよく分かっていないという学生も多いだろうけど、「仮定法(仮に定める気持ちの込め方)と直説法(直接説く気持ちの込め方)」という観点や、「仮定法には裏がある」という名言(迷言?)、「仮定法が文法書の最後で扱われるのはおかしい」というボヤキ、「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」でなぜ過去形が使われるのか、時制を1つずらすことで現実世界から目をそらし、別の意味(丁寧さ、願望、遠回し)の意味が加わるのではないかという観点から、以前この授業でも取り上げた助動詞の実現可能性の度合いと絡めながら説明を行った。

・最後に、この科目では質問コーナーもあったし、教科書は英文法の全体を扱ったものであるとはいえ非常に薄いものなので、総合英語フォレスト第6版』などの英文法書を読書して欲しいというようなことを遺言にこの授業は終了。お疲れ様でした!
(本当は今日の授業の出席カードで寄せられた最後のコメントなども紹介したいけど…疲れました。これでこの授業の記録は終わります。)



第14回 7月16日

・1限同様、祝日授業の影響か、普段よりも10人以上少ないような気がする。大教室であってもそれだけ減ると印象が違う。ちょっと残念。

・先週同様、予習チェックせずにそのまま出席カードを配布。(予習しているものとしてカウント。特に自己申告云々の話は出さなかった。)

・大量の配布物(出席カードを含めて8種類!教科書の残りの範囲の予習用の解答と復習用のプリントなど)を配ってからミニレポートについて説明。

・大学指定の授業アンケートを実施。好意的な意見が多かったのが有り難い。

・質問コーナーも今回と次回で終了。たくさん答えた。件数も多いが、質問も徐々に長文になってきた。いろいろなことに興味を持ってくれるきっかけになったようでこれも有り難い。「昔聞いていた曲の題名でurbsという単語がありましたが辞書で調べても分かりませんでした。読みと意味を教えて下さい」(→googleのdefine検索やWiktionaryの話を紹介。ラテン語でウープス、都市という意味らしい)「先生が英語で感動した言葉などありますか?」(→いろいろあるがAll proverbs contradict each other. ということわざがいかにも英語のユーモアっぽくて気に入っているという話を紹介。)「教職という仕事は大変だなと、寝ている人たちの前で話をしている先生を見てつくづく思います。先進国では勉強しない人が多くなるのは仕方ないのでしょうか?」(→苦笑。そういえば先週は寝ている学生を起こさなかったとちょっと反省。確かに国が豊かになると教育の価値は下がるのかも、という気はするが、学生が夜のアルバイトで多くても5000円程度にしかならないのに、授業料1回分で2500円と言う具合に換算すると授業を休んだり居眠りをするのはもったいないのではないか?という定番の話。)「アメリカ人は寝るときも靴を履いて寝るんですか?」(→そんなはずは…。)「どういうきっかけで先生は英語を学んだんですか?」(→いろいろあって。以前ブログに書いたこちらの記事のことを紹介。授業中に参照してくれた学生も何人かいた様子。)「レキシカルグラマーを他にやっている先生はいるんですか?」(→この大学でどの先生が、というのは知らないが、NHKの英語教育番組などでも取り上げられることはあるのでそこそこ知られている考え方かと。)「日本人の苗字は土地柄からつくというような話を聞いたことがあります。海外でもそうなんですか?」(→そういうところもある。)「アメリカ人が高カロリーな食べ物を好んで食べるのはお国柄ですか?」(→確かにそういう側面もあるが、一方で貧困層が安くて高カロリーなものを求めるという事情も。)「最近、若者の引きこもりやニート等が昔よりも目立ってきていますが、このような人たちはその人の家庭環境、外部の環境要因、その人自身の内的要因等、様々な要因があると思いますが、どの要因が主要因でどんな対策(社会的・個人的含め)をしていけば良いと思いますか?先生の観点でお聞きしたいです。」(→日本社会は再スタートを許さない国だと思っている。韓国の方がもっとひどいらしいけど。是正されるべきというのが持論。)「もし人間が自分の言語を任意の言語に変換して話してくれる機械が世界的に普及したら、人間の言語・文化・教育等にどのような影響を及ぼすと考えられますか?CMで音声の質問に答えてくれるスマフォのアプリが紹介されていたので凄いなと思ったのと同時に、このまま利便性が追求されすぎたら、と思うと恐ろしく感じました。例えば自動で外国語を話してくれるなら言語学者等を除く一般の人などは外国語の勉強をしなくなりそうなど。」(→少なくとも我々の世代が生きている間には本当に使えるものは出てこないような気がするので、特に言語・文化・教育への影響は考えていない。ただ教育の場面でこういった機械翻訳やICT活用などが可能な場面があるのなら取り入れてもよいと思う。)「アメリカでは育った環境などにより州の中での結婚が多いのですか?」(→これに関しては歴史人口学という学問領域があるが、ほとんど勉強していないのでわかりません。)「外来語は日本語風の音にアレンジされるのでしょうか。ピッツァがピザというように。また外国でもそのようなことはあるのですか?もう一つ気になったのはミシンは日本に入ってきた時にソーイングマシンのマシンの部分が商品名と勘違いしてミシンという名前で定着したと聞いたことがありますが、勘違いで名前が定着してしまうことは日本や他の国ではよくあることなのでしょうか?」(→外来語の音が変化するのはよくある。ミシンの由来もそうらしい。民間語源のものの例としてvarnishがニスに変わったという話を紹介。)「外人と話をして聞き取るこつとかありますか?」(→音変化のしくみを知ること。ブリッジ・イングリッシュIの方でいろいろやっている。)「外人との話でよく使える単語とかありますか?」(→あるかもしれないけど、それだけ覚えたところで会話がスムーズに進むとはとても思えない。)「テレビなどで外国人(アメリカ人)の多くはバンジージャンプや普通できない怖いことを挑戦することのできる精神面は何でですか?アメリカ人は怖い者知らずですか?」(→同調意識とその場のノリでやってしまうこともあるのでは?必ずしもアメリカ人が怖い者知らずという印象はないけど。)「黒人の身体能力の話がありましたが、日本人もそんな状況があれば黒人みたいになることになるんでしょうか?」(→「そんな状況」というのが本当に実現するのか。通学に10キロとか20キロとか歩いたり走ったりとか、水瓶を何往復も運んだりとか、夜には明かりがないから早く寝るとか、夜間の塾通いなどもなくなって…というふうに考えると同じ状況は無理。気候が違えば作物や食物としての栄養価も変わるし。)「スイスのような国ではどんな人でも3カ国語くらい操ることができるんでしょうか。それともセンスが必要なんでしょうか?」(→普段から複数の言語に触れる機会があるというのは多言語習得には有効だが、だからといって日本人がスイスにいったらすぐに、というほど言語習得は楽に行くものではない。)「日本にチップの風習がないのはなぜですか?」(→サービス従事者の賃金の一部を顧客から獲得するという社会的な合意がないため。)「黒人はなぜ髪の毛がチリチリになるのですか?」(→毛穴の形と髪の毛の内部のタンパク質のバランス?遺伝?)「外国の方と話すのが一番の近道というのは本当ですか?」(→よっぽどコミュニケーション能力が高い人にはそうかもしれないけど、9割の人にとってはたぶん嘘。もっと効率のよい外国語学習法があるはず。)「外国にも地域によって訛りはありますか?日本の方言みたいに言葉が短くなったり言葉自体が変化する言語はありますか?」(→ある。オーストラリア英語ではThank you. が Ta. となるらしい。)「日本のレストランと外国のレストランで名前の違う食べ物はありますか?」(→いろいろあると思うけど?)「言語を使ったり伝わる感覚は国の文化や思想によって違うのですか?じゃあなぜ日本のマンガ・アニメなどが外国人ウケがいいのですか?」(→違うこともある。マンガ・アニメについては珍しさもあると思う。)「先生が行った国で一番いい国はどこですか?」(→そんなに経験はないけど景色の綺麗なところがいいかな。ハンガリーとスロバキアの間を流れるドナウ川とか。)「なぜアルファベットが作られたんですか?」(→記録しておく必要性から。文字ができる前は結縄が使われたこともあった)「今後、日本語がなくなってしまう可能性はありますか?」(→日本人が全滅したら。)「外国人はなぜ漢字に魅力を感じるのでしょうか?」(→珍しいから?)「ユニクロは社内公用語を英語にすると決められていますがそんなに急に公用語を変換されて今まで働いていた社員さんは語学力的にすぐに対応できるのですか?」(→必要に迫られると外国語習得も速いこともあるが、一方でなかなか対応できない社員は真綿で首を絞められるようにじわじわと戦線離脱を強いられるなんてこともあるかも?)「四季があるのは日本だけですか?」(→温暖湿潤気候の所にはある。)「英語は世界で一番使われている言語なのですか?」(→母語話者人口としては中国語に負けるが、貿易の言語としては一番使われる言語であることは間違いない。)「なぜコックローチをゴキブリといったり、和製英語が作られたのですか?」(→ゴキブリは日本語。和製英語じゃない。御器噛り(ごきかぶり)が語源とのこと。)「外国からは日本語に対する重要性はどのように評価されているんですか?」(→日本と日本語で貿易を行う場合以外にはさほど重要な言語という扱いにはなっていないと思うけど。でも日本文化を伝える言語としては当然重要かと。)「外国の映画は全てノベライズ化されているのですか?」(→そんなことはない。)「海外のドラマに出てくる人たちは文法など意識して話しているのでしょうか?」(→ネイティブであれば文法に無意識なのはどの国も同じ。)「英語より、テレパシーのような脳波を飛ばす非言語コミュニケーション能力を身につけたら全人類、あるいは宇宙人と意思疎通できると思います。あり得ませんがもし身につけることができれば口を使う機会が減り、口の形などは変わっていきますか?」(→盲腸が退化した消化器官であるのと同じで、肺から上がってくる空気を喉や口で調節して言語音にして、それを媒介にコミュニケーションするよりも効率がよければだんだんと喉や口も退化すると思うけど。)「大阪か東京で外国人が住んでいる割合はどちらが多いですか?」(→都道府県別外国人登録者数のような統計資料から分かる。東京は大阪の約2倍。)「アメリカ人は体格がいい人が多い気がするんですけど遺伝なんですか?それとも鍛えたりしているからですか?」(→鍛えるかどうかは人それぞれ。遺伝と食物の影響が大きいのかな。)「TOEFLは勉強する意味はありますか?」(→海外留学を目指さないのであればTOEICで十分だと思う。)「単語を覚えるのに手っ取り早い方法を教えて下さい。」(→手っ取り早く覚えた単語は手っ取り早く忘れますがそんな方法知りたいですか?)「チップは何円ぐらい払うんですか?」(→支払金額の何%という形でだいたいの目安が決まっている。)「中学校・高校で関係代名詞はwho, which, thatさえ覚えていたら大丈夫だと言われたのですが本当ですか?」(→硬い文体というような側面も含め、whomでしか伝わらない意味もある。またwhoとthatを使い分けた方がよい場合や、thatしか使われない場面などもある。)「TOEICの勉強をしたいのですが基礎があいまいな自分が問題を解いてみてもいいものなんですか?」(→とりあえずまだ受けたことがない人は一度は受けてみること。そしてどういう分野が苦手かを知ること。優先して勉強すべきところは自分が解けなかった問題。その積み重ね。)「英語の単語は全部で何個ありますか?」(→単数形と複数形を1つと数えるか2つと数えるかなど、数え方の基準を決めないことには数えられない。一般的な大人が知っている語彙数は2万とか言われたりするけど。)

・一方で質問が曖昧だったという理由もあるが答えが思いつかないものも。「黒人の人の歌の発音はとても複雑に聞こえるのですがどうしてですか?」という質問はどういう趣旨なんだろう。その他、コメントとして「質問コーナーを聞いて世界の国々について意識しながら物事を見ることが大事ではないかとより思った」という意見が寄せられた。こういう反応が一番嬉しい。

・授業冒頭での大量の配布物やミニレポートの話、大学指定の授業アンケートの実施などの影響もあり、この時点で残り時間が30分程度。教科書コーナーでは関係代名詞の復習として2つの文をつなぎ合わせる作業など説明してから関係副詞の話へ。前置詞+関係代名詞が関係副詞になるのであって、in whichだからwhereというように決まっているわけではないという点や、関係副詞に置き換えることができないものはどういうものか等を強調したつもり。

・出席カードのミニアンケートとして、前回と今回の内容で英語学習の多くの人が苦手意識に感じている関係代名詞や関係副詞について、以前よりも理解が深まったかどうかを記入してもらった。回答の仕方は人それぞれだが、理解が深まったというように書いている学生が8割ぐらい。変化なしという学生もいたのが残念だが、この授業ではまだ勉強が足りないということであれば別の機会を見つけて勉強して一層理解を深めて欲しいところ。

・次回がこの授業の最終回。前期開始頃のドタバタなどの影響を引きずっていて授業1回分程度の遅れが解消できないままだったが、比較の部分は授業では扱わず、教科書問題の解答と復習プリントのみ配布。(ただしこれも8月1日までに提出。)来週は最後の砦、仮定法。みんな最後まで頑張って授業に出てきてくれるかな?(実は3年前に同じ内容の授業を行った時はポイント制を強調しすぎて、最後の1回は出なくてもポイントが充足して単位が取れることを見越した学生が多く、出席人数が半分程度だったということがあった。このまま仮定法のことを知らずに一生を終えたければそれでもいいけど…いやいやそれでは良くない。面白い話をするつもりなので是非来て欲しい。)



お知らせ 7月13日
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第2回のミニレポートのテーマを発表!
詳しくは16日の授業で紹介しますが、ブログで一足先に紹介しておきます。
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以下のテーマのうち任意のものを選んで自由にまとめなさい。手書きで作成すること。内容に応じて1点〜5点で評価し、成績に算入します。必要に応じて教科書や文法書などから例文等も引用し、裏面にも続けて書くこと。グループで同一内容をまとめても構いませんが、全く同じ文面のものが提出された場合の評価は13点とします。資料や追加事項など別紙の添付は不可とします。指定用紙の両面に収まる範囲として下さい。選んだテーマについて、他人に説明する文体であることが望ましい。なお、例文等の引用元の出典明記がない場合は減点の対象とします。提出期限は8月1日(月)17:00です。

テーマ(選んだテーマを冒頭に記すこと。)
    これまでに質問コーナーで扱ったテーマから1つ選び、さらに調べてまとめる。
    能動態と受動態の書き換えと使い分けについて、優先されるべき話題という観点からまとめる。
    5文型とはどういう文型であるか、例文を引用しながら解説を行う。
    p.41p.46 to不定詞の用法を「未来志向」「時差」という観点から詳しくまとめる。
    完了形の経験・結果・完了・継続の4用法は全て「経験」にまとめることができる件について。
    動名詞と不定詞の名詞的用法の違いについて。
    不定詞の3つの用法をどのように見分けるか。
    分詞構文のもつ「同時性」のニュアンスについて、例文を引用しながら解説を行う。
    関係代名詞と関係副詞の違いについて。
    仮定法の本質とは何か?直説法とは何がどう違うか。



第13回 7月9日

・出席カードを配布する際、いつもは全員の予習状況をチェックしながら巡回するが、今日は自己申告ということにした。全員にはんこ2個が印刷された出席カードを配布し、予習していない者は2つめのはんこを塗りつぶすなり×で消すなりするよう指示したところ、塗りつぶしも×もほとんどいなかった。よしよし、素晴らしい。みんなちゃんと予習をやってきたんだね!偉いぞ!!(…と騙されてみる?)

・質問&コメントコーナー。相変わらず多すぎますねぇ…。質問コーナーだけで45分も使ってしまいました。「アメリカは名前の種類が少ないとのことですが、そのような国は他にもあるのでしょうか?」(→文化によるが、一般的にはヨーロッパの国々は同様の傾向か)「言語の覚えやすさにDNAは関係しないのですか?」(→関係しないと考えて良いだろう。少なくとも言語学ではそういう話は出てこない。)「アメリカで一番盛んなスポーツは?」(→野球とアメフトかな?ついでに言うと広告のつきやすいスポーツとそうでないスポーツがある。)「なぜアルファベットは大文字と小文字があるのですか?」(→もともと大文字だけがあってあとで小文字が作られた。書きやすくするためなど。)「最近の若者はよく言葉を略しますが、なぜ無駄に言葉を略すのでしょうか?」(→「無駄に」と思うようになったら年をとった証拠。若者言葉の本質は同族意識の現れなので、暖かく見守ってあげましょう。)「戦争の時にアメリカ人が日本人にパンを食べさせたから小麦が輸入されるようになったと聞いたのですが本当ですか?」(→ちょっと間違っている。戦前からアメリカの小麦が余っていたのを戦後アメリカ政府がGHQに命じて日本に供給するようになった…という流れでは?)「一番多くの種類の外国人が住んでいる国はどこなのでしょうか?」(→いろいろな国の事情があるのでWikipediaで「多民族国家」で調べると冒頭の部分にいろいろ書いてあります。)「チップを払う文化はいつから始まったのでしょうか。またチップは払うのが当たり前なのでしょうか。」(→Wikipediaで調べてね。そっちの方が詳しいから。)「アメリカで日本みたいに九州、近畿みたいな地域の呼び方はありますか?」(→地域を表す固有名詞ではなく北部、中西部、南西部、西部、南部などの区分がある。)「カナダは多民族国家で使われている言語も多いと聞いたことがあります。カナダに行けば同時に多くの言語を覚えることは可能ですか?」(→言語習得はそんなに甘くない。)「日本人が英語以外で一番必要とされる外国語は何ですか?」(→その人次第。日本人全般に当てはまる言語はないだろう。)「家まで土足で暮らしている国の人たちは足が臭いと思うのですが、どうなんでしょう?」(→臭くなるのは湿気や汗の影響。空気が乾燥しているとか、汗をかきにくい条件が整っているところではどうなるでしょうか?)「通学路のたばこやにTobacoと書いてありましたがなぜですか?」(→もともとスペイン・ポルトガル語からの外来語。カリブ海の島の原産地での名称がスペインやポルトガルを経て南蛮貿易で日本に入ってきた。煙草は当て字。)「一度絶滅した言語が復活して使われる場合、絶滅した言語がどのように復活するのですか?」(→絶滅する前の状態がきちんと記録に残っていることがまず大前提。そして復活させようという国民全体の強い意志と教育場面での採用。その言語が民族を束ねる心の拠り所となるような状況が必要。)「外人からしたら日本語は必要ですか?」(→どうでしょうか?話者人口で世界第9位の言語ですが日本という国に魅力があって、わざわざ勉強したいものが何かあるのなら必要でしょうけど。)「人種差別がなかなかなくならないのはなぜでしょうか?」(→結局、人間は誰しも自分や自分の所属するグループが一番優れていると思いたがる弱い生き物。誰か一人が差別をなくそうとしても集団の意志として差別をなくす努力をするというのはなかなか難しい。)「なぜ黒人の方が運動能力が高いのですか?」(→通学に10キロも20キロも徒歩で通うとか、重い水瓶を毎日何往復も運ぶとか、冷房の効いたところでテレビゲームをやっているどこぞの国の子供たちとは違った状況にあり、またタンパク質が豊富な食料をとり続けていると筋肉のつきが違うなど、違いも出てくるだろう。)「海外での週刊漫画は何ですか?」(→子供が読む週刊誌というもの自体が他国ではほとんど存在しない。)「アメリカでは7年生・8年生というような表現をしますがなぜですか?」(→州や学校によってどこまでの学年が一つの学校で学ぶかが異なるのでそれを揃えるため)「英語をしゃべる人でもそのお国柄でなまりがあるのは知っていますが、具体的に教えて下さい。」(→書籍「アジアの英語」より少しだけ説明)「名前でどうして〜2世などを使うのでしょうか」(→親や先祖の名前をそのまま残すという発想で使われる。)「日本人は英語を就職等で必要だからというような意識で無理矢理学んでいるように感じます。外国の人が日本語を学ぶ時にサブカルチャーに興味を持つのと同じように勉強するというように意識を変えることはできないのでしょうか?」(→その方が良いと思う。でも個人次第。)「TOEICはどこを重点的に勉強したらいいですか?」(→自分が解けなかったところ。それに限る。)「文字数の一番多い言語と一番少ない言語はどのような言語で何文字なのでしょうか?」(→具体的に言語ごとに数えてみたことはないが、一般的な話として表意文字よりも表音文字を使う言語の方が文字数は少ない。)「日本語での〜君や〜さんみたいな相手を敬う言い方は英語では何ですか?」(→呼びかけ語ということで考えるなら役職名・Mr./Mrs.名字・ファーストネーム・愛称というように変化していく傾向にあるので、この序列で左側にあるものが相手を敬う言い方と考えて良い。)「中国語版のドラゴンボールを見つけたので見ましたが、違和感を覚え、日本語版と比べて見てみたら台詞の長さなどがあっておらず、ただ直訳しただけのような感じでした。翻訳では短くしたり長くしたりするものなのでしょうか?」(→そういうことも必要。コストをかけずに雑に翻訳するとそういうことになりがち)「フランスではトイレに行くのにお金がかかります。なんでですか?」(→公衆トイレの維持管理に必要なだけの税金が投入されないという状況だから。)「バイリンガルは良いと思いますが、完全に2カ国語をマスターできるんですか?」(→自分は完全なバイリンガルは不可能だと考える。言語文化を全て共有することは不可能だろうから。もちろんそこまで深く考えない場合には2カ国語をマスターすることは可能と言ってもよいのだろうけど)「世界の国々の言語の違いはわかるのですが、国によっての国民性もやっぱりあるんですか?」(→保守的なお国柄とかありますね。)「ghettoという言葉は差別用語ですか?」(→差別用語かどうかは人それぞれの判断だが、たまたまググって出てきたとあるPC words listでは含まれていたので気にする人は多いと考えてもよいのだろう。)

・前回やった分詞構文の箇所の説明を補足。続いて関係代名詞。この科目の教科書では分詞構文のところは文の書き換えの方法を順を追って説明しているのに、関係代名詞のところは2つの文をつなぐための方法についての説明が欠けている。これは高校英語と中学英語の違いだからというのもあるかもしれないが、関係代名詞のことがよく分かっていない学生は一定割合いるので(以前、大学2年の授業を担当していて12月頃に出てきた質問コーナーで「関係代名詞って何ですか?」という質問があって面食らった記憶が…。)2つの文をつなぐ手順を詳しく説明。自分がここ数年やっている方法は「①共通する部分は後ろの方を消す。②消したところが「〜が」で人ならwho, 「〜の」で人ならwhose, 「〜を、〜に」で人ならwhom, 物ならwhich, そしてwhose以外はthatにも置き換えられる」というシンプルな説明の仕方で練習してからいくつかのルールを付け加えるという方法だが、授業後に回収した今日の出席カードでは「とてもよく理解できた」「なぜ今まで関係代名詞に悩んでいたのか謎」という「およろこびの声」が10件弱も寄せられた。

・授業終了間際の「ミニアンケート欄」は「この科目も残すところあと2回。英文法の全体像は何となくつかめてきましたか?」という設問。大多数が肯定的な回答だったが、やはり普段から予習状況や出席カードへの書き込みが少なめ(予習をきちんとやった上で授業をきちんと集中して聴いていれば出席カードにはいくらでも書き込むことがあるはず。そんな風に授業設計しているのだから。)の者にはまだまだ全体像がおぼつかないという者も。そりゃ当然のことだろう。



第12回 7月2日

・今日も学部のFD企画の授業参観で一人、参観に来られたが、さすがに2週目だとあまり緊張しなかった。

・予習チェックをしながら出席カードを配布。

・質問コーナー。今日も35分程度を質問コーナーに充てたけど、半分ちょっとしか答えられなかったような気がする。残念。今日回答したのは「CAFÉ AU LAITのEの上の記号は何ですか?」(→もともとフランス語の文字に含まれる)「アメリカ人は名前を短縮して呼ぶ場合がありますがなぜですか?」(→種類が少ないので愛称で区別するという場合も)「発音記号は英語ができたときから存在していたのでしょうか?」(→音声学者がアメリカの先住民の言語を記述するようになって作られた)「日本語と英語で共通することわざとかあるのですか?」(→西洋起源のことわざと東洋起源のことわざがあり、表面的な意味が似通っているものもあるが、文化的な解釈が異なるものもある。「転石苔むさず」とか。)「ハングルは日本人が考えた言語だから日本語に近いと聞いた。本当か?」(→デタラメ。ハングルは韓国のお札の肖像画にもなっている人が作った。)「ヘブライ語とはどのような言語ですか?」(→こういう質問は困る。何を喋って良いか…。手元の「世界のことば小事典」から少々抜粋して説明したけど。)「アメリカは家に入る時は土足なのになぜ日本はそのような文化がないのですか?」(→芝生があるから靴の裏が汚れない、地面が土だと靴の裏が汚れる…という説を紹介)「帰国子女の人は就職に有利などという事はあるんですか?」(→採用する側が帰国子女の能力を必要とするのであれば。ついでにバイリンガルとセミリンガルの話を紹介。)「インディアンという語は差別的な単語とのことですが、もともと差別するための単語ではない単語がどうして差別用語になってしまったのでしょうか。」(→搾取の歴史、公民権運動、部族の主権獲得なども関係。しかしインディアンという言葉をネイティブ・アメリカンに置き換えることを嫌う人もいるとのこと。1980年代のPolitical Correctnessも影響しているか。)「先生は聖書を読んだことはありますか?」(→さほど関心はないけどいつでも参照できるようにはしている。)「韓国ではなぜあんなに堂々と偽物を販売できるのですか?捕まらないのですか?」(→いたちごっこ。自分も韓国で偽物の購入を店の裏で勧められたことはあるけど買わなかった。)「ローマ字と英語の違いは何ですか?なぜローマ字っていうんですか」(→ローマンアルファベットを使うから。ローマ字は日本語の表記をアルファベットで表しただけのもの。英語は一つの言語。ついでにアルファベットとはアルファ・ベータから来ている話も紹介。)「アメリカの知り合いの人がトヨタのプリウスのことを「プリアス」と言っていました。英語で「us」は「アス」という発音になるのですか?」(→一般的には英語では単語の最後あたりのusは「アス」)「難しい言語が使われてたら国も発達するのですか?」(→「難しい言語」をどう定義する?)「なぜ日本とアメリカでは小学校に通う年数が違うのですか?」(→教育制度の違い)「アメリカでは黒人と白人どっちが多いですか?」(→2005年の人口統計では白人74.4%、黒人12.1%とのこと)「外国では名前・名前・名前・名前…と続くことがあるのはなぜですか?」(→文化による。両親や先祖の名前などを受け継ぐ場合もあるし。)「何も話ができない人が日本語を会得するのと英語を会得するのとではどちらが難しいんですか?」(→その人の母語との相対的な距離による)「人間は努力したら何カ国語でも話せるようになるのでしょうか?」(→たぶん。)など多数。あとで回答しきれなかったカードを見てみたら、もっと優先的に答えるべきだった質問も数件あったことに気づいた。残念。

・前回の出席カードのミニアンケートで英文法の「型」を身につけることができたかどうか尋ねたので、学生の回答の概略を紹介。その後で今日のミニアンケートとして、「この先、英語をどのように勉強したら良いか、イメージできるかどうか?」を書いてもらった。趣旨としては英文法の「型」と絡む形の回答が欲しかったが「音読」や「参考書を買って勉強」といった内容が多かった。参考書を買うくらいならこの科目の教科書を隅々やって欲しいところなのだけれど…。それに今回そのように書いたのであれば、本気でその方法を各自の練習に取り入れて欲しい…。次回あたり「前回書いた練習方法を本当にやろうとしていますか?」みたいな角度から聞いてみようかなあ…。「もちろんやっていますよ!」なんていう回答を期待しちゃっていいでしょうか!?

・この時点で残り45分。前回の分詞のところの復習に15分、今回の名詞節と副詞節のところの説明などで20分、さらに分詞構文の6つの意味に共通する「同時性」という解釈の仕方で10分。ぎりぎりだったがいつもよりは予習・授業・復習の流れを上手に作ることができたような気がする。次回はいよいよ関係代名詞。この授業の山場もあとは関係詞と仮定法を残すのみ。ゴールまであとちょっと、突っ走りましょう。






第11回 6月25日

・学部のFD企画で授業参観をやっていて、二人の先生が参観に来られた。少々緊張。

・予習チェックをしながら出席カードを配布。

・質問コーナー。「日本語、英語、韓国語などどれもひらがなやアルファベット、ハングルなど単語の元となる形があってそれの組み合わせで言葉を表現していますよね。言語が違うのになぜここは共通しているんでしょうか?もともと1つの言語から派生してるとか何か理由があるのでしょうか。」(→人間言語の本質として小さいものを組み合わせて別の単位を作り、さらにそれを組み合わせて別の大きな単位を作るという特徴がある。1つの言語から派生したかどうかは言語学的には分からないが、それとこれとは話が別。)「あまり知らない情報を調べる時、本1冊や1サイトでは信用できないですが、不信から信用に変わる基準は何でしょうか?」(→教養?読書経験?)「過去形と受動態、現在進行形と動名詞、未来形と不定詞、それぞれこのようにつながっていると考えても大丈夫ですか?」(→ちょっと飛躍しすぎ。そういう特徴もないわけではないけど。)「前置詞は必ず後ろは動名詞ですか?例外はありますか?」(→名詞と動詞が同じ形の時を除けば、動詞が来るなら動名詞)「アルファベットのように音を表す文字が象形文字のような意味を表す文字の後に作られたということは音を表す文字の方が優れているのでしょうか。」(→表音文字は文字数が必要。Twitter140文字で表せる情報量を日本語と英語で比較してみるとよく分かる。)「日本語は漢字という意味を表す文字とかな文字という音を表す文字の両方を使用していますが、両方を同時に使用している言語(国)はあるのでしょうか?」(→今の時代ではない。かつては韓国語でもあった。でも遙か昔、古代でもシュメール語とアッカド語ではそういうこともあった。)「アルファベットのAやBはどのような由来、流れでこの文字になったのですか?」(→初期アルファベットの歴史を少しだけ紹介)「外国でのミドルネームは何なんですか?なぜあるのかとか、使うタイミングとか知りたいです」(→国による。宗教由来、父の名前、女性の旧姓など。)「レディーファーストはどこの国から生まれた言葉ですか?」(→11世紀あたりの騎士道が由来とされている)「ベトナムに旅行しましたがアルファベットなのに全く意味が分かりませんでした。世界でもアルファベットを使っている国は多いですが、いつぐらいから文法が分かれ始めたのですか?」(→ベトナム語は南アジア語族なので英語とは無関係。また、文法が分かれたというよりも音を表すために後でアルファベットが入っていったと捉えるべき)「世界に言語はたくさんあるが一番きれいな語、一番汚い語とかあるのですか?」(→価値判断は人それぞれ。普段聞き慣れないリズムということで、マシンガンのようにダダダダダっと音が続くように聞こえることもある日本語のリズムが汚らしく聞こえるという人もいるだろう。)「なぜアメリカは「米」と表すのですか?」(→亜米利加という当て字から。)「2世を表すIIの読み方は」(→ the second)「ゆとり教育は誰が考えたのですか?」(→1970年代、日教組の提案がルーツとされている)「オーストラリアの英語とアメリカの英語とイギリスの英語の違いは何ですか?」(→イントネーションの他、単語や発音も違う。G'day, mate!とかあるし。)「日本人が外国語を学ぶ上で一番学びやすい語は何語ですか?」(→最初のハードルが高い言語と低い言語があるが、使い物になるレベルにまで到達するにはどの言語も大変。)「授業で習う文法を用いて話をすることができますか?」(→できる。教科書の例文を使ってみて。)「この科目で習う文法以外にも文法はありますか?」(中学・高校の文法体系でほぼ網羅できる。あとは文法をどう捉えるかの問題。)「未来の言語の文法が簡単になると頭を使わなくなり知能が下がりますか?」(→面白い質問。文法が簡単になると運用が複雑になるだろうから変わらないと思うけど。)「先生は高校の頃は英語できてましたか?」(→リスニング力はそこそこあったと思う。確か70分かかる大学入試英語問題が25分で解けたなんてこともあった。)「日本では「すごく」を「めっちゃ」とかだんだん言葉が若者向けになっていますが、英語ではそのような表現はあるんですか?」(→若者が新しい言葉を作る。流行語もあるが日本の流行語とはちょっと意味合いが違う。)「数字の1,2,3は世界共通だと思うのですが、日本や中国の一・二・三、英語のone, two, threeなどありますが、他の国は別の表記はありますか?」(→アラビア数字と表意文字としての漢数字と個別言語の音としての表記の話を混同している。)「一番多くの言語を話せる人はギネス認定されていますか?」(→たぶんされてないだろう。言語を話せるという状態をどう定義するかもあるし。)「なぜ高校英語はアメリカで言う小学生英語なんですか?」(→英語の授業で扱う内容を英語圏の子どもたちの知的水準に当てはめるならせいぜいそのレベルかと。) …という非常に多岐にわたる質問。このほか民俗学・神話学に関する質問も寄せられたがあまり勉強していないということを宣言してパス。

・出席カードのミニアンケート欄は今日は1回目の授業で触れた「英文法の型を身につけることができているか」の自己確認。「型破りはかっこいい、型崩れはかっこわるい」ということで、なるべく早く「型」を身につけて欲しいところだが、出席カードをざっと確認してみた感じでは、やはりまだまだ「型崩れ」や「型が身についていない」と自覚している学生が多いみたい。でも「英語の型」なんてものは本当は気がついたら身についているようなもの。あきらめずに頑張って欲しいし、そのためにもやっぱりこの授業で課している予習復習はきちんとやることが必要。少しでも「型」に近づいて欲しい。

・教科書コーナー。前回の復習として動名詞と不定詞の話から始めたが、復習以外にもいろいろな話をしてしまい、逆に今日進むべき所にほとんど入れなかったのは時間配分のミス。もっとも、前回は扱うことができなかった不定詞の三用法に共通する意味とか、そもそも名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の名詞、形容詞、副詞というのがどういうものかを説明できたので良かった。また、形容詞的用法と副詞的用法は詳しく説明する必要がなければ省略しても良いという話や、受信英語のクラスではよく説明に使っている○がだんだんと大きくなっていくイメージで英文の意味を捉える話も紹介。本来今日やるべきだった分詞のところは実際には来週の範囲とかなり関連があるので(というよりも毎週必ずどこかと関連があるから、区別して説明するのが難しい。本当なら20時間ぐらい連続して文法の話をしたいのだけれど…それはしんどいか。)分詞という用語を「分かれてできたことば」という解釈でもう一度このページを復習してみることを提案して終了。




第10回 6月18日

・レポートを返却して採点基準などを説明。

・出席カードを配布。やっぱり一部の学生は予習をきちんとしていないので、予習ポイントのつかない別の出席カードを渡すことに…。今日は予習範囲が多かったのでいつもよりも多めに点数が付くが、そもそも一度教科書の問題を解くなり、事前に渡した回答を一度書き写してみるなどをしていないと内容理解が不十分になる恐れがあったはずだが。

・質問コーナー。「欧米は個人主義的な面が日本よりも強いと思えるが、なぜそうなのか?日本では村社会から組織を重視する考えが育まれたと聞いたことがあるが、欧米ではどういう背景があるのか?」「日本語と英語のまじった言語があると言っていましたが、英語もありますか?英語とスペイン語とか?」「アメリカ人はカナダ人を見下す風習があるのはなぜですか?」「なぜヒエログリフのような象形文字というものがあるのでしょうか?絵ではすごく不便な気がするのですが。」「英語とイタリア語はどちらの方が難しいですか?」「三菱東京UFJのUFJは何の略ですか?」「主語や述語がない言語はないのですか?」「世界の言語の根源はもとは一つの言語だったんですか?」「これから未来の言語はだんだん簡単になってきて数は少なくなるのでしょうか。生き残る言語の特徴は何ですか?」「名前がかぶることがあると思うのですが、日本では漢字がありますが世界ではどのように区別しているのですか?」「日本語と外国語が混ざってできた言語は小笠原ピジン以外にどのようなものがありますか?」「英語にも大阪弁みたいなものがあるんですか?」「Mr.やMs.が付くようになったきっかけを教えて下さい。」「ゆとり教育という名前は生徒がなまけていることからそういう名前が付いたのですか?」「最も古い言語は日本語じゃないですか?」「エレベータに乗ったときに後ろにいた人からKiss me.と言われました。道を譲るとThank you.と言われました。Kiss meとはどういう意味ですか?」「アメリカ国内でどれだけの言語がありますか?」「日本では地名や苗字には由来がありますが海外ではどうなんでしょうか。」「一番世界で話されている言語はスペイン語と聞いたことがあるのですが本当ですか?」「外国でも名前に意味はありますか?」「英語では〜2世という名前を付ける場合があるのですか?」などの質問に答えた。

・コメントとして「質問を書く前に調べて自己解決してしまいます。」というものがあったので絶賛しておいた。是非そうあるべき。この質問コーナーを考えるきっかけにして欲しいし、いずれはこのコーナーで扱うような内容を自分で調べることができるような人になって欲しい。また、前回の出席カードでいつから英語が嫌いになったかということを自由に書いてもらったが、この中で最も悲惨な経験をしていると思われる事例を1つ紹介。「中学校で初めに習った英語の教師がアル中で同じ所を7回とかするダメな先生に当たった」とのこと。でもそれを人のせいにするのではなく、学校教育なんて単なるきっかけぐらいにしかならないから、自分で努力して欲しいというアドバイス。

・また、質問コーナーなどで扱った内容に関して受講生が知っている情報を提供してくれることも歓迎することを説明。前回ちょっと触れたことだが海外のDQNネームの事例などを書いてくれた学生がいた。

・残り時間が45分弱というところで教科書の方へ。まずは動名詞と現在分詞の共通点を説明してから動名詞と不定詞の名詞的用法の比較。前者が現在に軸足、後者が未来に軸足があり、不定詞を使う場合はtoで挟む2つの動詞の間に時差があることを説明。この考え方を土台にしながら教科書の練習問題を一つ一つ、現在と未来のどちらに軸足があるかという点などを検討しながら説明。不定詞の形容詞的用法と副詞的用法の説明の部分はほとんど時間がなくなってしまったので、「するための」「するために」という訳語でまずは押さえることを説明。英文法の学習は一つ一つの項目に関連があり、不定詞の形容詞的用法は現在分詞の用法と関連があるし、また副詞的用法は副詞句・副詞節と関連があるので、今日の内容はこの先2週間分の内容と関連を持たせながら学習すること、またこれまでにやった内容もいろいろと関連があることを説明。(受動態と完了形の関連、進行形と動名詞の関連、動名詞と不定詞の関連などなど)

・最後にミニアンケートとして、この授業の復習をどの程度時間をかけてどんな方法でやっているのかを出席カードの所定の欄に書いてもらった。この科目は指示された予習・復習をきちんとやらないとポイント稼ぎができなくて単位が取れなくなることが明確に受講生に伝わっているので、みんな1時間程度の予習や復習をやってくれている様子。中には30分程度や2時間という者もいるが、やっていることが中学・高校レベルなので、きちんと目に見える形で課題をやらないと大学レベルの勉強として認められないと思う。もちろん中学・高校とは違う角度から、言語学の知見も交えながら説明したりしているので、そのあたりは十分大学レベルだと思うが、いずれにしても中学・高校で扱うようなレベルでもきちんと定着した状態でなければTOEIC対策や知的財産英語、ビジネス英語などの学習にも支障が出るはずなので、しっかり勉強してもらいたい。英語科目の単位が不足気味な3〜4年生の学生も1割ほどいるけど、特に今年は1年次学生がたくさん取ってくれているので、きっと後々役に立つと思う。いや、是非ともそうあって欲しい。



第9回 6月11日

・出席カードを配布。いつも通り予習状況をチェックしながらハンコの数が違う出席カードを配布して回ったが、予習をサボり気味の学生がいつもよりも多かった?ただし今日は配点が高めのミニレポートの締切だったので、予習よりもコストパフォーマンスが高そうなミニレポートを優先してやったのかな?それはそれで困るのだけれど。

・出席カードのミニアンケート欄は1限と同じく「授業も残り7回、後半は何パーセントぐらいの勢いで頑張るか」を数字と自由記述にて。やはりブリッジ・イングリッシュⅡの方が基礎固め的な側面が多いので1限と比較すると高めの値がそろっているような気がする(きちんとした分析まではしていないけど何となくの直感)。出席カードには予習をサボったかどうかが分かる情報もあるし、授業中に気になったことや新たに学んだことを書くようになっているが、こういう所がスカスカの学生が100%頑張ると書いているケースが何件かあるが、ちょっとわざとらしい…。

・質問コーナー。「Youtubeなどで見る lol という単語はどういう意味ですか?」「英語にはつづり通りではない変わった読み方をする単語がありますがアルファベットの綴りを現代の英語に対応するように改変することはないのですか?」「アメリカでは学校でスペイン語を習うと聞いたのですが本当ですか?」「なぜ日本人は山本太郎が英語ではTaro Yamamotoになるの?」「英語もドイツ語みたいに名詞は大文字で始めるというようなシステムにしなかったのはなぜ?」「英語圏にも珍しい名前はあるのですか?」「好きな映画を何回も見ると英語力は向上しますか?」「英語の勉強は読む・書く・聞く・話すのどれが一番有効なのですか?」「英語は筆記体の方が良いのでしょうか?」「毎日英語を聞くと身につく(スピード・ラーニングなど)とありますが、英会話が多少できるようになるだけで文法は身につくのですか?」「言語が生まれる前はどのようにコミュニケーションを取っていたのですか?」「今でも使われる一番歴史のある言語は何ですか?」「言語が1つの言語として定められる基準は何ですか?」「日本人はアメリカ人と比べ体格が小さいですが、これは文化の違いから来ているのでしょうか?」「なぜ進行形はing、過去形にはedを付けるのですか?」「先生はいろんな言語の歴史を知っていますがそれは全て本から情報を得ているのですか?」「なぜ『右』と『正しい』がどちらもrightという単語なのですか?」「英語は口の周りの筋肉をよく使うと聞きますが英語を話していれば顔が小さくなりますか?」などの質問に回答。また前回の質問コーナーなどで扱ったヘロドトスの「歴史」での「最古の言語の実験」の話や、言語がクレオール化することについての補足なども。今に始まったことではないがこの質問コーナーはどんどん脱線してしまう。なぜか公用語の話からデファクトスタンダードとデジュールスタンダードの話、ゆとり教育の話、ESLとEFLの違いと文法シラバスと概念・機能シラバスの違い、筆記体と書道文化の話、スピード・ラーニングの話などにまで話が拡大。

・教科書の方は前回の第5文型の話の復習からだったが、話の流れ上、過去分詞の本質的な意味を受動態、完了形の両方に絡めて説明。また、今日の進度は完了形のページだけだったのでいろいろ他の話題を付け加えながら説明。(ここでもまたまたいろいろ脱線。advise 人 to V という構文の話からad + vise に語源分解して、さらにviseとvision、ラテン語の動詞 videre「見る」の変化形をざっと書いて英語の三単現と比較してみるとか…)何とか軌道修正しながら完了形の話。ここではhaveの多義性というところと結びつけて考えさせるというところから。参考資料として過去にブログで書いたこちらの記事をスマートフォンなどを持っている学生には参照しながら聴けるように黒板で「吾輩はメモである 多義語」を検索するよう指示。have にはいろいろな意味があると言われるが、これを「持つ」に完了形のhaveは4つの意味というよりも1つにまとめることができるという考え方を元に、教科書の全ての例文の日本語訳を「〜という経験を持っている」に置き換えて読み上げた。最後に今日の「遺言」として「完了形:haveというからには何かを持っているに違いない」と板書。そして「何か」の下に下線を引いて「経験」と補足。いつも出席カードで「今日、新たに学んだこと」さえも何も書かないためにポイントがなかなか貯まらない学生がいるが、そういう者のために「何も書くことがなければせめてこれぐらいは書いておくように」と指示したら一人、「経験」と書くべきところを「経済」と書いていて思わずフイてしまった…lol




第8回 6月4日

・今日は宿題チェックがないので、そのまま全員に定時出席分だけの押印のある出席カードを配布。

・来週が締切のミニレポートについて再度告知。10名弱が本日提出。来週が期限の提出物が多いので早めにやっておいて正解かも。

・質問コーナー。「なぜスティーブンと読むのにStephenと言う綴りですか?」「今後、ある言語同士がくっついて新しい言語が生まれることはあるんですか?」「英文ではなぜ先頭を大文字で書くのですか?」「植民地にされたことにより英語やフランス語など支配していた国の言語を話したり残ったりしている国や地域があるのに、なぜ日本語が残っている国や地域はないのですか?」「バイリンガルの人は頭の中にスイッチのようなものがあって相手の言語に合わせてパッとモードを切り替えて話すと聞いたことがありますが先生はどうですか?」「世界で最初の言語は何ですか?」「英語に関係している言語はいくつぐらいあるのですか?」「日本語で「えいご」は「え」「い」「ご」を組み合わせて1語にしますが、子どもが単語を覚えるとき英語でEnglishという語はどういうふうに覚えているのですか?」「海外の言葉で一番覚えるのが簡単なのは何ですか?」「ある企業で会社内では英語以外話してはいけないというルールがあったけど周りはネイティブスピーカーじゃないのに話せるようになるんですか?」「英語はいつ頃生まれた言語ですか?」「空間認識がほとんど変わらない言語はありますか?」「外国の大学は日本の大学と同じような学習をするんですか?」「日本で行われる英語のテストをアメリカ人などが解くと満点とれますか?」「日本語でも英語でもネットスラングが増えてきていますが英文ビジネスメールでも使用されていますか?」などの質問に回答。

・教科書コーナー。進行形と受動態についてざっと復習してから、第5文型をいろいろな観点から説明。ちょっと残念なのはこの教科書ではShe saw Mike walking.とShe saw Mike walk.の違いを「歩いている」と「歩く」という日本語の表面的な違いだけと対応づけている点だが、確かにこれはなかなか説明しにくい。これ以外の点は教科書にもかなり中学・高校とは違う観点の記述があって面白いのだけれど。また知覚動詞と認識動詞を比べた場合に後者では補語にto beが使われる理由を「ある方向に向かう」「時差が生じる」といった観点から説明。また使役・許可の意味を持つ have, make, let の用法と意味の比較を動詞自体の意味と結びつけながら説明。そしてこれらは補語の動詞は原型になるが、一方でadvise, want, wish, expect ... などでは補語にto不定詞が来るという理由を、同様に「ある方向に向かう」「時差が生じる」という概念と結びつけて説明。

・当初の予定と比べるとちょうど今回で1回分の遅れということになったが、教科書の後半のどこかで埋め合わせを行うことにしよう。(おそらく比較のあたり。文型を覚えるだけの問題がどんどん出てきてあまり面白みがないので。)

・1限同様、出席カードの自己申告欄を使って「この授業の特に質問コーナーや文法に関する学習を通じて英語への苦手意識は少しぐらい直ったか。どの辺が効き目があったか。あるいはなかったか。英語嫌いがまだ直らないという人は直らないとはっきり書く。」という形で問うてみたところ、1限よりは苦手意識が軽減されたという内容の解答が多かった。自由記述や記号での解答などいろいろあるが、ざっと数えてみたところ苦手意識の解消につながったという意見が65%ほどあった。

・次回までの宿題はUnit 2つ分のプリント、Unit 1つ分の予習、ミニレポート。



第7回 5月28日

・予習チェックをしながら出席カード配布。そして1限同様の方法で「緊急アンケート」を実施。

・質問コーナーの最初のところで、改めてこの質問コーナーの意義について説明。これまであまり質問していない学生に参加して欲しいが、すぐには変わらないだろう。今後少しずつ考えていってくれれば良い。今日回答した質問は以下の通り。「言語がなくなることや単語がなくなる基準は何ですか?」(→最後の話者がいなくなればその言語は消滅する。ただしその言語を使わなくなるという意味において、話者が2名から1名に減るという場合や、2名ペアが地理的に離れたところに複数いる場合でも、その言語の残された話者同士に接点がなくなればもうダメ。ついでに最後の話者が鉱山事故で亡くなったというダルマチア語についても紹介。)「日本は古典(古語)を学びますが外国では古語を学ぶことはありますか?」(→ヨーロッパでは教養のある大人にはラテン語やギリシャ語の知識がある)「留学するためにはどれぐらいのレベルにないとダメなんですか?」(→語学留学なら少々低くても何とかなる。学部や大学院に正規入学するには専門分野がその言語で学べるレベルでなければ受け入れてもらえない。)「海外にずっと住んでいたら日本語を話せなくなることがありますか?」(→日本語の単語を忘れるということはある。帰国後「冷蔵庫」という日本語を思い出せなかった友人の話を紹介。)「Parisは田舎者という意味があることをParisの人は知っているのですか?知っていたら変えようとしますよね?」(→北海道の人でも自分の住む場所の地名がアイヌ語に由来している場合もあるなんてことを知らない可能性もあるし、全員が全員、地名の由来に関心を持っているわけではない)「言語学の知識が現在や将来、どういうことに役に立つのか」(→いわゆる文系の学問では実学志向でない場合もあるが、役に立つかどうかということよりもいろいろ考えるヒントになれば、と。もちろん英文法を言語学的に捉えなおした場合、ちょっとわかりやすくなるなんてこともあるかもしれない。)「なぜ日本は未だに5文型を使って英語学習しているのか?」(→それがデファクトスタンダードだから。)「英語圏の人も英語の文法を勉強するということだが、日本の国語みたいな教え方をするのか」(→演劇を活用するなど日本にない教え方もある。また、日本の作文の書き方で習う段落の意味と英語のパラグラフは発想が異なる)「空間認識の話について日本語の発想や英語の発想を持つ言語は他にあるのか、また別の空間認識があるのか?」(→少々視点をずらして日本語と英語でもメタファーが共通する場合があることについて紹介。)そのほか、教科書の問題に関する質問も1件寄せられたので回答。また、質問ではないが前回予習をしていなかったことが出席カードの記載から分かる者が2名、「しっかり授業を聴いて力を付けたいと思います」的なことをポイント稼ぎのつもりかわざとらしく書いているのがあったので注意喚起。そんなことよりもやるべき予習をきちんとやって欲しい。

・教科書コーナー。進行形と受動態について。loveは状態動詞なのにマクドナルドの紙袋などに書かれているI'm loving it. はどういう意味かという話。毎回この話題を扱う時に適当に進行形のニュアンスを含めながら訳して紹介するが、今回は「私、マクドナルドで過ごすこの瞬間がいつも大好き!」というような訳し方にしてみた。この話題は面白いのでついついいつも大げさに話してしまう。以前、雑誌『英語教育』でもこの表現が正しいかどうかQuestion Boxで取り上げられていたこともあったように記憶しているが、マクドナルドがこういう表現を使った時に日本中の英語教師が驚愕した!というストーリーに。続いて受動態の話では、どういう時に能動態と受動態を使い分けるかについても紹介。本当は今日は教科書の第5文型のところにも入るつもりで予習をしてきてもらったのだが、最近徐々に予習内容と授業内容が乖離しつつあるので、今回は宿題なしとして進度調整。ただし任意課題のミニレポート(6月11日締切)があることを指示。テーマは「これまでに質問コーナーで扱ったテーマをさらに調べて掘り下げる/助動詞と実現可能性の度合いについて/must と have to の違いについて/must は「しなければならない」だが、「しなくてもよい」はmust not ではなくdon't have toである理由について/第1文型と第2文型の違いについて/第2文型と第3文型の違いについて/第3文型と第4文型の違いについて/現在形と現在進行形の違いについて」から任意の内容でB5用紙で1ページ半ほど。内容に応じて0点〜5点で評価して成績に算入。

・1限同様にARCSのSで調査。○が89名、△が12名、未記入が5名。△と書いた者が1名「いまいちです」というコメントを残してくれたが、もう少し具体的に聴きたいなあ。あまりにも人数が多すぎるので一人一人がARCSのそれぞれをどう回答しているかまでは確認しきれないが、△や×と書いている者だけでも抽出して何か対策を考えた方が良いのかもしれない。



第6回 5月21日

・大学指定の授業アンケートへの回答からやろうと思ったが、どういうわけか教室プロジェクタにうまくつながらず、あれこれ試行錯誤してみたものの結局断念。代表的なコメントを口頭で読み上げてから、アンケート結果に対するコメントも口頭でちょっと詳しく説明。教員コメントの部分は学生の携帯端末にも出るはずだが、これを開いて読んでいる学生は少なかった様子。

・質問コーナー。今日は教科書範囲が盛りだくさんなので控えめに回答するつもりだったがなかなか…。「Canを過去形で使うにはbe able toの過去形を使うと習いましたが(本当か?)canとbe able toは違った意味なのにおかしくないですか?」(→couldはどうした?)「なんで英語を勉強するんですか?」(→世の中の平均的な大人たちが今の学生諸君は英語をやった方がいいよ、と考えているから大学カリキュラムにも英語がある。)「canの意味が30%ぐらいの実現可能性ということならYou can do it!でなぜ応援の意味になるのですか?」(→実現可能性という意味を取り違えている。ゼロじゃない、潜在的にそういうことができる能力があるという意味。You can do it!というべきところでcanの代わりにmust, will, should, mayなどを使ったら押しつけがましい印象があるのでは?)「海外に留学すると世界観が変わると聞いたのですがどうなんですか?また留学に行った場合、どのようなことをしたらいいですか?」(→変わるよ。高いお金をかけて行くのだから、現地で日本人同士がつるむなんてことは減らした方がいい。)「映画でタコス野郎というセリフの吹き替えがあったんですが、英語にそんな単語があるんですか?」(→悪口はいろんな形があるからあってもおかしくない)「日本では国語と英語を習うことが決められていますが、外国では多国語を学ぶことが決められていますか?」(→韓国は高校で第2外国語をやる。また事件などがきっかけで外国語への注目が集まることもある。その最たる例が911以降のアメリカのアラビア語人気。)「辞書にのっている英単語が減ることはないのですか?」(→古語・廃語は英語にもある。今は詩ぐらいでしか使わないが yestermorningなんて単語も大きい辞書には載っている。)「日本の英語教育史についてもっと詳しく」(→『日本洋学史』を参考に、フェートン号事件から諳厄利亜語林大成あたりまでの話を少々。)「言いたいことを先に言う英語はオチのある話はできないんじゃないですか?」(→そんなことはない。)「今の日本の英語教育はGHQのマッカーサーがわざと効率の悪い教育をさせているみたいな話を聞いたことがあります。」(→教育制度がどうあれ、英語習得の成否を決める要因は個人の努力の方が大きい)「一日に通訳の仕事を何時間もしていると頭を使いすぎておかしくなるって本当ですか?」(→大変な仕事だから集中力は続かないだろうね)などの質問に回答。


・教科書コーナー。まずは第1文型〜第5文型の特徴をざっと説明してから、教科書の例文を使いながら副詞と補語がどういう働きかについて説明。副詞は副える言葉、なくてもよい。補語は補う語。ないと困る。第2文型と第3文型の違いはSとC, SとOの関係だけに注目。第4文型から第3文型の書き換えは中学・高校では書き換え可能と習うが、文末焦点という特徴を考えると、必ずしも書き換えて同じ意味になるわけではない。その後、進行形と受動態のページに入り、それぞれ〜ing形と過去分詞の単独の意味についてちょっとだけ触れて時間切れ。


・1限同様に出席カードの自己申告のチェックは今日はARCSのC。ここまでの内容である程度、達成感を感じているか、やって無駄だと思っていないか、やればできるという気持ちがわいているか、次に目指す方向は見えているか、自分なりの工夫をこらして勉強できているか、学習の自己管理はできているかなどの観点を総合評価して○△×で記入。自由コメントも歓迎。記号ではなく、自由筆記で書いた者が24名(肯定意見〜否定意見までいろいろ)、○が54名、△が33名、×は0名。来週はARCSのSで評価してみたい。



第5回 5月14日

・大学指定の授業アンケートの実施から。1限と2限を両方とっている学生も多いため、既に授業開始前から回答してしまった者も多かった。(それで特に問題はなかったが)携帯電話からの実施なので集計が早くて良い。早速集計結果を眺めてみたが、おおむね良い評価を得ることができたと解釈。若干寄せられた改善希望点についてもコメントを返答しておいた。

・質問コーナー。やはり前回の質問のみしか答えることができなかった。残念ながら第1回目、第2回目の質問で答え切れていないものはボツ宣言。(今後、質問が減ってきたらこれらのお蔵入りした質問に答えるのも悪くなかろう。)今日取り上げた質問とその回答の概略は以下の通り。「なぜ英語が公用語になったのか?」(→植民地支配する側の言語。ついでに以前話題になった日本での英語公用語論についても少し紹介。)「英単語は全部で何個ぐらいあるのか」(→数えるための基準(複数形、動詞の変化形、接頭辞や接尾辞の扱いなど)を定めないことには数えられない。しかし20000とか40000という説があることも紹介。)「日本語は難しいと言われるが、先生はどの国の言語が難しいと思いますか?」(→言語の難しさは母語との相対性でしか測れない。しかし日本人にとってアラビア語が難しいという話はよく言われる。)「なぜ日本人は英語を喋るときは発音が下手で、外国人が日本語を喋るときは完全に真似ができないのか」(→言語ごとに音韻体系が異なる)「mightはよく使われる単語か」(→Yes.)「日本人が習得するのに不可能な言語はありますか?」(→いささか極端な回答だが、ここでは「日本語以外の全ての言語」と回答。英語であってもどれだけ勉強しても文化的背景なども含めた形でネイティブに追いつくことは不可能。)「(前回の内容に関して)髭が濃く耳垢が粘っこい人が南方系ということだが、髭が濃いが耳垢が粘っこくない人はどうなるのか?」(→旧モンゴロイドと新モンゴロイドの身体的特徴や日本に入ってきた経路などについて紹介。)「日本人は日本語を話すとき文法を考えないが、アメリカ人は英語を話す時に英文を頭の中で組み立ててから話すのか」(→ネイティブであればみな同じ。ネイティブと外国語学習者の脳の血流量の比較についても紹介)「フランス語を話せるようになりたいが授業を受けた方がよいか、また英語と同じ勉強の仕方で大丈夫か」(→独学ができない人なら教室で学んだ方が学習効率も上がる)「Shallの用法について詳しく知りたい」(→そういうことは辞書を)「familyはfather and mother I love youの略だと聞いたが本当か」(→初耳。ラテン語からフランス語経由で英語に伝わった単語)「韓国はなぜアメリカのことを美国と書くのか」(→当て字)「日本人が髪を染める時には茶色や金色だが、アメリカ人はどうか」(→アメリカでも毛染めは30色ぐらい売られているから好みで選ぶことになるはず)「過去形を使うことによってへりくだった意味になるのは日本語と英語以外にも当てはまるのか」(→おそらくそうだろうという仮説を見たことがあるが詳しくは知らない。)「英語にも若者言葉はあるのか」(→Yes. ただし流行語大賞といったものはなく、辞書の出版社がこういった内容を取り上げることがある程度)「同じ単語でも違う意味をもつ単語にはどのようなものがあるのか」(→ right が右、権利、正しいという意味になる例などを紹介)「英語にも敬語はあるのか」(→Yes. ただし日本語のような尊敬語、謙譲語、丁寧語といったような区別はないが、人間関係にあわせて適切に使い分けるべき表現はある)「文字を変える国が過去にありましたか」(→Yes. 韓国、ベトナム、インドネシア、モンゴルなど。この質問については事前にチェックしたときはうっかり内容を誤読していて、正しくは「文字を変える国が過去にありましたが、文字を変えることで言語上の変化はそれほど変化するものですか」という質問だった。詳しくは知らないがさほど大きな変化をもたらすことはないのでは?と回答。もちろん状況によるであろうが。)…それにしてもたくさん回答しているなあ…。ここまでで授業時間が半分終了。質問コーナーで30分以上使ってしまった。

・前回にやり残した助動詞の話の続き。mustとmust notの関係に再度触れたあとでhave to, used to, be able toについては have / to, used / to, be able / to と to の前で切って考えてみることを提案。(不定詞との関係については結局今回は触れないことにした)そして must と have to が置き換え可能な場合とそうでない場合について、また同様にcanとbe able toについても説明。その後で助動詞を使った例文を音読練習してから、教科書にリーディング素材として載っているタイタニックの話を助動詞の実現可能性の度合いを絡めながら紹介。

・15分ほどしか時間が余っていなかったが、次のテーマである5文型の導入の話。5文型という概念があるのは日本だけという話や英学史の話から徐々に膨らませていき、ESLとEFLの違いなどについても説明しつつ、以前書いたブログ記事(ESLとEFLの違いをカラオケに喩えてみる)の概略を紹介。EFL環境で英語を学ぶにはどうしたら良いか考えさせたつもり。

・今回の授業に向けての予習として第1文型〜第4文型の範囲をやってきてもらっていたので急いでSV, SVC, SVO, SVOOを区別する方法を説明。続きは次回詳しく説明することになるが、内容は比較的やさしいので復習用プリントを配布してしまうことにした。次回はこれらの他に進行形や受動態についても扱うので盛りだくさん。次回は質問コーナーを少し減らさないと…。(今日は授業アンケートがあったから時間が足りなくなってしまったというのも事実。)

・最後に出席カードの自己評価欄には1限と同様にARCS動機付けモデルを参考にした"R"に関する自己評価。この授業の学習課題が何であるかを知っており、やりがいを感じているかどうか、また学習のプロセス自体を楽しんでいるかどうかを○△×および自由記述で書いてもらった。やはり英文法が無味乾燥だと感じているのか、△が多い印象。もう少し先に進まないと英文法の面白さは見えてこないのだが、それでもこの科目は質問コーナーをきっかけに強く関心を持ってくれている学生が少なくないので、それで助けられているところもある。あともうちょっと進んだらきっと中学・高校とは異なる英文法の考え方で一気に視野が広がる…はずなのだけれど。(現在分詞と過去分詞、現在完了形、不定詞と動名詞などこれから認知意味論的に面白いテーマがどんどん登場するのだが、学生たちはまだこのことには気づいていないようだ。まだ話していないから当然なのだけれど。)あともうちょっと…何とか頑張ってくれ!



第4回 5月7日

・1限と違ってこの授業はパソコンでの音源再生やスライド提示などはないので(今後スライド提示を行う週はあるが当面はない)授業開始前の準備は特にないのだが、何しろ提出物が多いこともあって混乱。授業開始時点で100名以上が教卓前に置いたカゴにプリントを2枚ずつ提出することになっているが、ちょっと提出方法などを検討しなおさないといけなさそう。1限と2限の両方を取っている学生も多いので、1限の終わりに回収してしまうことにしようか。1限と2限の教室が少々離れているのがつらいところ。)

・ゴールデンウィークを挟んだというのもあるが、まだ教科書を購入していないという学生がいることに驚いた。もう入荷しているはずなのだけれど。そして教科書を購入していないと今日の予習ができなかったはずなのだけれど…。

・質問コーナーを20分ほど確保。第1回・第2回の質問でも答えるべきなのに答え切れていないというものが多いが、今回は前回の質問に限定。「言語の広がりは支配から生まれるだけですか?」(→特に若い世代の話者自身が大言語に経済的に価値を見いだしてしまうと徐々に言語も廃れていく)「これからどんどん使われる言語は何か」(→我々が生きている間に英語の持つ価値が廃れることはおそらくない。デファクトスタンダード。)「なぜ英語=イギリス語なのにアメリカの英語が標準語なのか」(→「英」と書くのは英吉利という当て字から来ているので必ずしも英語=イギリス語という訳ではない。)「アメリカ人は文法通り英語を話していないと聞いたことがあるがどうなのか?」(→文法と一口に言っても例えば規範文法・記述文法・脳内文法といった観点があるという話から言語学における記述文法の考え方について少々話を広げながら回答。役割語研究についても少々触れながら。)「英語が分かってきたらスペイン語とかフランス語とかも覚えやすくなるのか?」(→ノルマン人の侵略の話。フランス語とスペイン語は兄弟言語である話、共訳書『図説ことばの世界』の話など)「日本語と文法などが似ている言語は何ですか?」(→韓国語と語順が共通している話から始め、日本語のルーツについても少々説明。ついつい脱線してしまい北方系・南方系の特徴(ひげの濃さ/耳垢)の話からバイカル湖付近の住民の話まで…)「日本に似た文化の国はありますか?」(→食文化・宗教文化・イザヤ・ベンダサン…とこれまた脱線)といった質問に回答。

・ここで宿題チェックをしながら出席カードを配布。質問コーナーを聴きながら内職で宿題をやるなんていう学生がいるかも?と思いながら授業開始後30分以上が経過してからチェックしたのだが、それでも3割以上の学生が宿題をやっていない状態だった。質問コーナーを真面目に聞いていたということか、それともそもそも宿題をやる気がなかったのかはよく分からないが、本来この科目は事前に1回教科書の問題を解いておいてから言語学などに基づく文法の考え方について講義を聴いてもらい、あとでもう一度同じ問題を復習するという大きな流れでやっているので、そこにうまく乗っかってもらえると有り難いのだけれど…。

・今日のテーマは助動詞。「実現可能性の度合い」をテーマに must / will / would / should / may / might / can / could の順番に並べ、100, 90, 80, 70, 50, 40, 30, 20 の数字とともに提示。教科書には would や might や could はそれぞれ will / may / can の過去形としか書いていないが、この授業の第15回で扱う予定の仮定法の話題とも絡めながら、時制を過去にずらすことで遠慮の気持ちが表れるといった説明。また、must not がなぜ「しなくてもよい」ではなく「してはならない」の意味になるかについても must / not ... とし、not 以下の内容が100%達成されなければならないという意味なので禁止を表すことになると説明。

・時間が足りず助動詞を全て終わらせることはできなかったが、have to や used to や be able to については、実は to 不定詞との関係も?という怪しげなコメントを最後に残して終了。

・1限と同様にARCS動機づけモデルを参考にしたアンケートを実施。今日はARCSのA(Attention)で「この授業は面白そうだ」と感じているかどうかについて、○△×で回答してもらうことにした。終わりかけの時間に慌ててやったこともあり、○△×の区別を書いていない者が6名いたが、○が92名(87%)、△が7名(6%)、×が1名(1%)という結果だった。×の1名は「眠かった」とのこと。なるほど。そして△および記号無記入の者の6割以上が指示された宿題をやっていないことが分かる。そりゃそうだろう。面白いと感じてもらえなくても仕方がない。また、記号無記入で1名「やっぱ英語は難しい よくわからん」というコメントがあったが、今日やった内容は中学校の英文法のはず。もちろん大学生の知的水準に合わせた授業設計にしているつもりなので、そのあたりを難しく感じているのかもしれないのだが。

・1限の授業に比べると英文法についての講義部分が多いため、○の比率が下がるかもしれないと思っていたが、質問コーナーに関心を持ってくれている学生が多いためか、むしろ1限を上回る結果に。結局この結果からは英文法に関心を持っているかどうかを測ることはできないので、今後は英文法の考え方自体についても興味関心を持つようになったか?といった観点からも尋ねてみたいところ。でも来週はやっぱりARCSのR(Relevance)で「やりがいがあるかどうか」を尋ねてみる予定。

・1限と同じで履修登録人数からすると20名以上が来ていないのだが、やはりこれも様子見ということで。



第3回 4月23日

・教科書の不足分の最終入荷が今朝だったようだが授業開始時点でまだ40名近くが教科書をもっておらず、少々混乱。

・Unit 0のプリントの提出は今日で締め切った。

・指示した宿題(Unit 1〜2)をやっているかを確認しながら出席カードを配布。きちんとやっている者には「おっけい合格」の判子が3つ押して印刷して出席カード、そうでない者には1つだけ押して印刷している出席カード。(1つ分は授業に定時に出席していたという目印。遅刻者には判子が押されていない出席カードを配布するが、今日は遅刻者なし)9割以上の学生が宿題をやってきていたが、できれば全員にきちんとやってきて欲しい…。いったん注意を向けた内容を授業中で深く学び、再度同じ内容をプリントでやって定着させるというのがこの授業の目標なので。

・自己チェックシートを配布。定時出席、予習状況、出席カードへの書き込み、復習プリントの提出状況などを各自がポイント計算できるようにした。

・質問コーナーとして、第1回・第2回に寄せられた質問に15件ほど回答。筆記体の必要性、なぜ世界で一番英語が話されているのか、日本語を世界共通語にする方法、アメリカにも方言があるか、もし英語がなかったらいま世界中で話されている言語は何だったと考えられるか、受験英語と大学英語授業の違い、2年間留学したら英語ができるようになるか、英語の訛りも日本語と同じでアクセントの違いだけなのか、などなど。少し多めに時間を割いて解説したものとしては、brotherを兄と弟で区別しないのは不便ではないかとの質問。ここでは韓国語、インドネシア語、ベトナム語の親族名称体系なども絡めながら説明。また、英語発音の細かいところを聞き取るのが苦手だという学生に対して、英語母語話者は語頭の「つ」の音が苦手なので、「あれが好きです」「あれが月です」のような日本人にはごく当たり前の音が聞き取れないというような話につなげた。ついでに日本語を学習している英語話者で「ついに築地に津波が!」と言えるようになったら語頭の「つ」は完璧というような少々ふざけた(?)話に広げた。

・今日の学習アドバイスとして、答えを見ながら写してくるという予習の時に、どういう写し方をしているの確認を促した。可能であれば1文ごとに写すこと。これを単語レベルや文字レベルで何度も見ながら写すようでは学習効率が悪いので、まとまった分量を一気に書くという意識付けを行うよう指示。そして出席カードのミニアンケート欄には今回の予習をどのように行ったかを自由記述で書いてもらった。さすがに内容がbe動詞と一般動詞の否定文・疑問文なので、答えを見ずともできる学生も多く、また答えを写した者でも1文ごとに書けているという場合も多かったが、やはり一定割合、単語ごとにしか書き写しができないことを告白する学生もいた様子。中には1文字1文字書いたという学生もいるようでちょっと心配。

・Unit 1〜2の範囲を1文ずつすべて音読してから文法の説明(というよりもこぼれ話)を中心に。扱った内容は英語で一般動詞を使う否定文や疑問文でdo, does, didを使うことは言語類型論的には非常にまれな現象であること、疑問文に対して yes / no だけで答える場合と Yes, I am. No, I am not. のように答える場合の印象の違い、疑問文の文頭での whom の用法など。

・教科書に収録のタイタニック号の話は前からフレーズ単位で意味をざっと説明していく程度。この科目ではさほど重視すべきことではないが、やはり英語は前から英語の語順で読めるように頑張ってほしい。また、このタイタニックの話題が書かれているページの下の問題も復習として提出する際にはやっておくことを指示。

・最後にUnit 1〜2の復習プリントを配布。次回の授業開始時に回収。教科書や答えのプリントは見ないで、隣近所の人と瞬間英作文として問題を出し合うことをやりたかったが時間が足りなかった。またそのうち。もう一つ、次回への宿題としてUnit 3の解答を配布。これを見ながらでもよいから教科書のUnit 3の所を埋めてくることを指示。




第2回 4月16日

・どういうわけか2週目に再び受講生が激増!1限の授業に負けず劣らず、こちらの受講者数も120名ほどに膨れ上がってしまった。まさか1回目は他の授業に出た学生が2回目からこの授業にさらに50名近くも集まるとは全くの想定外。むしろもっと減るかと思っていた。急遽教室変更を手配。偶然にもすぐ1階下に空いている大教室があったので移動時の混乱はなかったが、悪いことに前回追加発注した教科書も不足分がまだ入荷していないとのこと。教科書の英作文問題をひたすら行うという授業にとっては致命的な状況に…。結局、この教室変更手配と学生の大移動、種類の多いプリントの増刷に加えて教科書範囲のプリントを新たに印刷しなければならず、90分のうちのほぼ半分がつぶれてしまうという残念な展開となってしまった。

・本来の授業開始時間に遅れること45分、ようやく出席カードを配布。まずは前回から出席した学生の宿題を回収。ほぼ全員がきちんとやってきてくれた様子。この課題の締め切りは本日ということにしていたが、どのみち今日予定していた内容をやるにも時間が足りないし、教科書の入荷数が足りず、指示していた予習もできていなかった者が多かったため、期限を延長することに。

・今回が初めてという学生が3分の1もいるので、授業計画についての概略を再度説明。併せて英文法の必要性や英会話の力をつけるために必要なことをいろいろ話した。(つづりを覚えるかどうかは別として、とりあえずしゃべりたい内容があるなら、それを時間をかけてでもいいから文法的に正しい英文で書けるようにすべき。そして書くスピードの4倍ぐらいのスピードで口から出してようやく英会話になるということ。書けないのにしゃべれるはずがない。そしてどうせなら相手に誤解されずに済むように文法に従って話せるように。)また、この授業はごく初歩的な英文法を扱うが、内容的には大学生の知的水準に合わせながら、中学校や高校では曖昧になっていた所を掘り下げる授業であることを説明。(ごちゃごちゃしているところに「補助線」を引いてすっきりわかりやすくするという観点からの英文法の捉え方など)

・不規則動詞の変化について練習するつもりだったが最初の混乱のため割愛。また落ち着いてから本腰を入れて何度もしつこくやるという方針に転換。

・前回の質問にも答える余裕はほとんどなかったが、せっかくなので数枚だけ英語の歴史に絡む内容を扱った。危うくピジンとクリオールの話にまで広げてしゃべってしまうところだったがぐっと我慢(笑)

・前回の範囲の英文を音読。自然に読んだ場合には play と played など、原形と過去形が同じ音に聞こえることもあるという話。また、今日のブリッジ・イングリッシュⅠでも話した内容語と機能語についても再度触れた。

・授業開始2週目にしてほぼ1週分の遅れが発生。まあ仕方ない。どこかで時間調整しよう。

・宿題として教科書Unit 0のプリント(未提出者のみ、期限延長)、Unit 1〜2は教科書に書き込み(教科書が手に入らないときはプリントへの書き込みも可ということで。)

・出席カードへの記入はミニアンケート欄は不要とした。「言語・文化・教育に関する質問/今日の授業内容で気になったこと/今日、新たに学んだこと」もいろいろ書いてくれたので嬉しい(出席カードの束をざっと眺めるだけで今日しゃべった内容がほとんど思い出せるぐらい)。でも質問がどっさり寄せられている。次回答えきれるだろうか…。




第1回 4月9日

・こちらも同様に多くても70名ぐらいだろうと予想していたら80名を超える出席者に。教室は少々窮屈だが変更する必要まではなさそう。そしてこちらも不足分のプリントの増刷で15分程度遅れてスタート。2限は同時間枠の1年生科目に心理学の授業があるので、そちらに流れた1年生も多かった様子。

・プロジェクタでオンラインシラバスを提示しながら概要を説明し、成績評価方法の詳細などプリントを配布して補足事項を説明。英語学習の目標設定として「型」を身につける話。「型崩れはかっこわるい、型破りはかっこいい。」

・中学・高校6年間の英語学習をわずか半期15回でやるので相当厳しい進度になる、予習・復習もたくさん必要。(でも実はそんなに難しくない。英作文を中心とした教科書だが、答えも予め渡すので、答えを写してくるだけでも構わない。1回書いてくれば1ポイント、授業終了時にその範囲のプリントをもう1枚配布するので、それを翌週までにやってくれば2ポイント。2回目も答えを写すだけでも良い。でも、毎回6〜8ページぐらいはあるので、英文を書く(書き写す)分量はかなり多いはず。)

・言語・文化・教育に関する質問コーナーについて、プロジェクタを使いながら説明。

・不規則動詞の活用を練習。メトロノームのiPhoneアプリと自作の不規則動詞変化形提示ツールを使いながら音読。テンポは90まで。全件表示(プリントと同一順)→2箇所表示(プリントと同一順)→1箇所表示(ランダム順)で実施。今後数回は授業最初にやる。

・Unit 0のプリントを一人1枚ずつ配り、やり方を説明。1回目は解答を見ながら埋めるだけでも良い。10分程度。

・仕組みなどを説明。英語の歴史の話を少々。

・音読練習をする時間がなかったのは最初の混乱と段取りが悪かったせい。ちょっと反省。

・次回までの宿題について指示(教科書を買うこと、Unit 1〜2を埋めてくること。)また、Unit 0はもう1枚配布したが、人数分、右上にちょっとサインしておいた。授業時間中に書き写した方ではなく、もう1度、右上にサインのあるプリントの方を埋めてくることを宿題とする旨を告げたら「卑怯者!」という声が聞こえてきたような…(苦笑)とある学生は出席カードに「先生は曲者や」と書いていた。(笑)いや、どれだけ学生に嫌われても、勉強するきっかけを与えることが私の仕事なのですから何を言われても気にしません。

・出席カードには早速、言語・文化・教育に関する質問もいろいろ寄せられた。また、継続して履修する意志があるかどうか書いてもらったら、厳しい授業に弱音を吐きそうな感じの学生もいたが、それでも70名程度は継続して取ってくれる様子。

2012年7月23日月曜日

授業記録:ブリッジ・イングリッシュⅠ(月曜1限)

授業のシラバスはこちら

第15回 7月23日

・いよいよ最終回。この科目は筆記試験をしないので(小テストと音読テストと平常点のみ)最終回でもいつもの授業と同じスタイルでいつもの雰囲気。大量の配布物(出席カード、教科書の残りの部分の解説プリント6枚と教科書の問題の正解一覧を2枚、その他、前回の欠席者用の配布物など)を最前列に並べ、一人ずつ取りに来てもらっている間に機器類のセッティング。なぜか今日も教室の有線LANがつながらなかったので、予定していた質問コーナーでの数件の情報提示を断念。

・質問コーナーの最終回。本来はこの科目では質問コーナーを行わないはずだったのにいつの間にかメインコンテンツに昇格したまま最終回まで盛りだくさんの質問が寄せられた。結局こちらは全部の質問に答えきれず。紹介した質問は以下の通り。「海外で流行っている日本のアニメや映画などはありますか?」(→知的財産学部の学生が相手なので中国でのクレヨンしんちゃんの判決について軽く説明。)「アメリカ人の一般の人たちの日本に対するイメージとしてはどのような特徴がありますか?」(→日本人に対するエスニックジョークの特徴を少々説明。)「海外の自動販売機は紙幣を入れるとおつりが正確に出ないそうですが本当ですか?」(→そういうこともあるのかなあ?あったら困るけど。)「英語にも日本の俳句や短歌にあたるようなものはありますか?」(→文字数や音節数を575に揃えて詩歌を作るという習慣はないけど、歌詞なども含めて韻を踏んだものを作る習慣はある)「他国の言語は一番最初にどうやって訳されたのですか?」(→漂流民の苦労などの資料を参照。日本史で出てくる人物としてはフランシスコ・ザビエルがいるが、この時も実は日本から渡った人の力を借りていた。ついでながら娼婦と通訳が最古の職業という説もあることを紹介。)「日本からアメリカに移住すると国籍を変えないといけないんですか?」(→変えない。国籍を変えるのは非常に難しい。)「イタリア人男性に対しての最大のジェスチャーというのがあるとマンガで見たのですが本当ですか。(図示)」(→世界にはいろいろなジェスチャーがある。手元の「ボディトーク 世界の身ぶり辞典」から3つほどランダムで開いて出てきたものを紹介。)「留学とかではなく旅行のような形で海外に行く時はやはり英語を話せる人と行った方が良いでしょうか?」(→どうせなら自分自身で英語が話せるようになったらどうだろう。ついでながら、海外ではその現地での言葉が使えた方がだまされずに済む可能性が高まるし、安上がりになることも多い。)「日本語にあって英語にない言語はありますか?」(→例えば「太鼓の達人」とか「冷やし中華はじめました」なんてのは英語に直訳しても伝わらないであろうという話。)「なんで西洋の方はジェスチャーが多いのですか?」(→高コンテクスト文化・低コンテクスト文化と絡めて説明)「英語だが日本語に聞こえる面白いものはありますか?」(→いわゆる「空耳英語」。「掘った芋いじるな」や「揚げ豆腐」の類。自分が一番好きな空耳英語として "Come here!"(=神谷)を紹介したらちょっとウケた。)「なぜ欧米人は欧州人と言語が違ってもマリアなど同じ名前の人が多いんですか?」(→キリスト教文化を共有しているから)「中高で習った英語はアメリカ英語ですか、それともイギリス英語ですか」(→どちらかといえばアメリカ英語的。)「なぜ日本人は他の国の人より英語をしゃべれないのでしょうか?」(→ESLかEFLかで言えば日本はEFLだから英語を使う機会が少ない。それが大きな理由の一つ。)「アメリカ留学は危なくないですか?」(→あまり心配しなくても…)「映画とかで黒人の人たちが使っているようなスラングを織り交ぜたりしている英語を日本のアーティストが使っているところを耳にしたことがあるのですか、実際そのような英語をアメリカなどで使っても向こうの人は何も思わないのでしょうか?」(→受け手側の判断は相手次第。受け入れてくれる場合もあれば拒絶するる場合もあるはず。)「サマーバケーションとサマーブレイクではどちらが正しいのですか?」(→どちらも可)「違う地方の人で方言でイントネーションが違う人が英語を話すとイントネーションはやっぱり違いますか?」(→人による)などの質問に回答。

・前回紹介した内容に関するコメントとして「大阪弁は音が抜けにくい(注:無声化が起こらない)からきつく聞こえるのか。」というものがあり、妙に納得させられた。また「国の違いで意思疎通ができないのは人間だけだと思ってました。」という件は前回説明した動物言語の話の関連だが、本当のところはどうかは分からないけど同じ種の生物であっても仮に何かコミュニケーションをしているとして、それが別々の地域に移ったりすると気候や風土で食べ物が変わったりするとフェロモンの成分が変わったりして…などという妄想話も少々。)さらに「英単語のカタカナ読みが心なしか読みづらい気がした。これは成長している証なのだろうか?」というコメントには「素晴らしい!」と回答。

・続いて発音コーナー。前回の配布資料の続きを使い、日本語の「ん」は7種類の音があるというシラバスにも書いた謎解き話を最終回で説明。この話は日本語さえも母語話者が意識しないような発音の仕組みがあるのに、それを外国語である英語でやろうとするのだから、まだまだ英語の発音は奥が深い…というような話につなげたかったのだが、少々説明が足りなかったような気がしている。最終回なのにちょっと残念。

・この時点で残りが30分程度。今日の午後から音読テストを受ける学生もいるだろうと思い、試験範囲である教科書Chapter 6〜9の冒頭から第2段落の終わりまでを「音声を聴く」→「スラッシュごとに同一の長さのポーズを入れた音源を使い、後に続いて音読」→「同時読みゆっくりバージョン」のように3つの練習を4課分全部でやった。その後、5分間自由練習。読めない箇所などがあれば質問するように指示したところ、何名かから質問もあった。

・最後に出席カードの自己申告欄に音読テストの予想点数(15点満点)とこれも含めた前期成績の予想点数(100点満点)を書かせてみた。なかなか面白い結果。普段からサボり気味であることが見えている学生の中には正直に「60点ギリギリ」などと書いている者も。その一方で85点とか90点とか100点とか書いている者もいるが、それは甘すぎる自己評価だな!(笑)おそらく最高点でも85点ぐらいになるような気がしている。毎回の出席カードは全て1点〜5点で評価しているし、小テストや音読テストなど、成績評価のためのエビデンスは20種類たっぷりある。毎週毎週100名以上の出席カードに点数を付けるのは大変な作業だったけど、このおかげで成績を付ける段には一切迷いが生じなくて済む。逆に言えば基準に1点でも足りなければもうアウト。

・今日は音読テストは結局2名しか受けに来なかった。100人以上が5日間に受けに来るわけだから明日から大行列かな?こちらも覚悟して臨みます…。受講生の皆さんも頑張って練習した成果を見せて下さいね。



第14回 7月16日

・祝日授業の1限のせいか、いつもよりも学生数が少ない気が…2週間ほど記帳をサボっているので先週来ていた人数からどれだけ減っているかすぐに把握できないけど、88名という人数はこれまでなかったぐらいに少ないような気がする。

・大学指定の授業アンケートを実施。リアルタイムで集計結果が表示されるのが便利なところなのに、教室からVPN接続がうまくできずみれなかった。先週火曜日の科目では途中経過も表示しながらやっていたのだけれど、今日うまく動かなかったのはサーバーも祝日に酷使されて機嫌を損ねていたからに違いない(笑)

・音読テストについての告知をしてから質問コーナー。もうあと2回ということだし、なるべく多くの質問に答えるという方針で臨んだらやっぱり多く答えすぎた。「先生は今でも英語を学んでいますか?」(→あんまり勉強っぽいことはやっていない)「boughtやenoughのようにghの音は発音したりしなかったりしますがなぜですか?」(→黙字は綴り字を統一する中で後から挿入されたというものが多い)「can'tとcanを聞き分けるコツはありますか?」(→キャーンとクン)「滑舌が悪い人は「さしすせそ」が「しゃししゅしぇしょ」になるみたいですが、英語の方が発音がきれいに聞こえるんですか?」(→まさかそんなことはないだろう。)「なぜイギリス英語とアメリカ英語で表現が大きく変わるのでしょうか。オーストラリアなら離れているので納得いくのですが」(→地理的にも離れているし、今のような両国で見られるようないわば標準語的な役割を持つ衛星放送などがあるわけでもない時代に分かれていって独自の進化を遂げたということ)「bikeとbicycle、どちらも自転車と訳されますが違いはあるのですか?」(→bikeの方がカジュアル)「もし関ヶ原で三成が勝っていたら関西の方言が今よりも発展していましたか?」(→そういうこともあるかも)「世界で一番方言が多いのってやっぱり日本ですか?」(→どうだろう?日本と同じぐらい面積のある国でも同じように方言が発生しても島国ではない場合、他国から侵略を受けたりで方言が失われるなんてこともあるだろうし…)「日本人がネットなどで使っている顔文字は外国の人も使っているのでしょうか?」(→欧米の顔文字はかつては1バイト文字だけで作られていたので :) のような単純なものが多かったが、UNICODEが使える環境では日本でよく使われる複雑な顔文字などが使われることもあるらしい。)「newの発音は「んぬぅ」という感じでいいのですか?「ニュウ」という発音は間違っていたんですか?」(→語頭のnが日本語よりも長めに聞こえるので「んぬぅ」の方が良いかな。)「外国人に英語などで質問された場合、私はジェスチャーをしてあたふたするのですが、外国人がジェスチャーをしているところを見たことがありません。先生は見たことありますか?」(→あると思う。)「言われたことを意識して発音しているが、どうも英語っぽい発音にならない。このまま音読テストに挑むと考えると不安になる。」(→ま、気楽にやりましょうや)「言語が確立し、言語でコミュニケーションをとるようになったから戦争が多くなったとは考えられないのですか?」(→人間と同じような言語を使わない動物にも縄張り争いなどが起こりうる。言語の有無と戦争の多寡は無関係では?)「日本語で575のリズムが取りやすいと思いますが外国でもこのようなリズムはあるのでしょうか?」(→古代ギリシャ・ローマの時代から詞のリズムという考え方はあった。漢詩で言う五言絶句・七言絶句などもリズム。ついでに日本語の5/7/5というのは拍のリズムや「休符」も含めて考えるなら8/8/8という話も。「ふるいけや*** *かわずとびこむ みずのおと***」のようになるが「てをあげて*** おうだんほどうを わたりましょう**」のように5/8/6といういわゆる字余りの場合でも同じリズムで読めてしまうのは同様に8/8/8だから。)「手話は世界共通なんですか?」(→違う。アメリカ手話とイギリス手話さえも別物)「もし、まだ解明されていない言語が見つかったとして、その言語はどのようにして解明するのですか?」(→音声・音韻・形態・語彙・文法などさまざまなレベルで。)「アメリカには日本食の店が何軒ぐらいあるのでしょうか?」(→ありすぎて数え切れない)「日本人はこれから社会に出ると英語が必要になる人が多いと思いますが、英語を使う国の人々は英語だけで仕事できますか?」(→彼らにだって外国語が必要になる場面はあるかも)「英検1級はアメリカの人たちでも難しいのですか?」(→アメリカの人たちといってもいろいろ。試験慣れしていない場合や一定の教養がないと困難な場合もあるのでは?)「外国人に中指をたてると本気できれるみたいなことを聞いたことあるんですが本当なんですか?」(→命の保証はしません)「アメリカで億万長者になるにはどうしたらいいですか?」(→まずは他の人がやらない・他の人にはできない仕事をやってみたら?知的財産学部だから知財ビジネスでも。)「カタカナ発音がむしろネイティブな発音だという単語はありますか?」(→思いつかなかった)「日本では悪口を言う際、オタンコナス、どてかぼちゃ、もやし野郎などとやたらと野菜を悪者にしていますが、外国でもそうなのでしょうか?」(→どうかなあ?野菜にそういうイメージがあるのかもしれないけど、そもそも悪口全体にしめる野菜の割合ってそんなに大きいかな?)「動物の鳴き声にも国によって違いはあるんですか?同じ動物でも違う国の動物同士では意志の疎通ができないとかあるんでしょうか?」(→動物のコミュニケーションはあまり詳しくないけど、例えば何らかの物質を発することでコミュニケーションを図る動物がいたとして、より効果的に自分の意図を伝えるためにコミュニケーション手段が進化し、これが世界同時多発的に起こった場合、同じ動物でも意思疎通ができなくなるなんてことはあるかも?)「遊戯王のカードの英語版を見ているとカードの名前が日本語と英語で違っているものがあります。何か変える必要性があるのでしょうか?」(→商標とかでひょっとしたら引っかかっているのかも?)「英語圏で映画を撮影するときはイギリス英語とアメリカ英語のどちらに合わせて台詞を言うのですか?」(→こういうことを意識することはない。単純にキャストがどちらの英語を話すかで決まる)などの質問に回答。

・発音コーナー。配布資料(改編・再配布自由)に従って日本語の無声化を英語と比較するという話。後半、少々おふざけが過ぎたかもしれないが。

・最初に授業アンケートや音読テストの説明を行ったこともあり、この時点で残り30分。教科書の進度は遅れ気味だが、来週の授業終了後に早速音読テストを受験したいという者もたくさんいるので、とりあえずChapter 8とChapter 9の音読だけ。教科書の問題はもう行わないことにし、またディクテーションの小テストも授業進度の都合上、中止とした。

・最後に出席カードに「英語の発音をこれから良くするためにどういうことをやればよいか、方向性は見えてきましたか?」というテーマでミニアンケート。ざっくり分けてみた感じでは肯定的な意見が69名、それ以外(△で「少しずつ」という回答も含む)が19名。なかなかいい感じの結果ではある。



お知らせ(第2回音読テストについて) 7月14日

今回は個別の日時の指定は行わないことにします。ただし希望調査では以下のような傾向が見られましたので、適宜判断の上、受験して下さい。


・7月23日/7月24日 受講生の約半数がこの2日間に集中しますので、かなり混雑します。
・7月25日/7月27日 やや混雑するでしょう。
・7月30日/8月1日 比較的すいているようです。

希望が少なかった日時については試験日から外します。受験可能日時は以下のいずれかとします。(これ以外にも在室している時間はありますが、事前に調整のない場合には受験を認めません。)
7月23日(月)12:45〜17:00
7月24日(火)9:30〜15:15
7月25日(水)9:30〜17:00  16:30 (校務都合により変更)
7月27日(金)9:30〜17:00
7月30日(月)9:30〜17:00
8月1日(水)9:30〜17:00

神谷担当の受信英語Ⅰの受講生は7月26日(木)の授業後でも受験可能です。LL教室で実施します。

必ず受験票を持参すること。採点・集計の都合上、受験票を持っていない者は減点対象とします。

第2回音読テスト 実施要領
1. 受験票に学生番号・氏名を記入してから7号館8階 神谷講師室まで来て下さい。集計が煩雑になりますので、受験票を忘れた者は減点します。
2. 6〜9のいずれかが書かれたカードを用意しています。カードを引いたChapterの冒頭〜第2段落の終わりまでを教科書を見ながら読み上げてください。制限時間は設けませんのでゆっくり丁寧に読んでください。
3. 終了後、点数と評価について簡単にコメントします。受験票を回収して終了です。

評価項目(15点満点)
・スラッシュで切って読めているか(2点)
・スラッシュ以外の場所では滑らかにつなげて読めているか(3点)
・全ての単語を読めているか(2点)
・個別音が上手に発音できているか(2点)
・強弱がきれいに区別できているか(2点)
・音の上げ下げは自然か(2点)
・教科書の音源が物まねできているか(2点)



第13回 7月9日

・出席カード配布。前回同様、最前列から順に束で回すだけで配布。

・再来週から開始する第2回音読テストの実施可能日を板書し、出席カードのミニアンケート欄に各自の受験希望日時を第3希望まで書いてもらった。ちょっと集計が大変かもしれないけど何とか来週までに集計して学生番号と決定した受験日時をまとめたプリントを作って配布する予定。

・質問&コメントコーナー。例によってすごい枚数。コメントとしては「日本語表記のあいうえおと発音記号で表した時とで違いが出て面白いと思った。」「発音は何回練習しても慣れないです。この授業が終わるまでには良い発音ができるように努力したいと思います。」「日本語のあいうえおがいかにいい加減かよく分かりました」(→いい加減というわけじゃないと思うけど…)「おふざけフレーズがだいたい5・7・5なのが気になります。」(→引用元で5・7・5のものが多い。オリジナルのものは必ずしもこれにこだわっていないけど。)「言語が分かれるのは別々の生活をしていると自然に分かれていく。だとすると日本がもし2つに分割したら言語も違ったものになるんじゃないかと思った。」(→現実的にはあり得ないだろう。例えば西日本と東日本で完全に交流が途絶えるような状況になり、かつ西と東で同じテレビ番組は全く見れないというようなことになったりすれば話は別だろうけど。)

・質問としては「日本語を英語にしたとき失礼な言葉とかありますか?」(→年齢を尋ねることなどは失礼になる、ほかいろいろ。)「アメリカでは兄弟・姉妹を表現するときbrother, sisterなど兄と弟、姉と妹を区別しませんがなぜでしょうか?」(→区別する必要がないと思っているから。)「発音記号を見ても発音がよく分からないのですがどんなものを見て聞いてすればよいでしょうか?」(→「発音記号」でググったらいくらでも勉強できる素材はあるはず。)「元KAT-TUNの赤西仁の英語発音は良いのでしょうか」「女性アーティストのBENIという人の発音は上手いんですか?」「CHEMISTRYのChange the Worldの発音は良いのでしょうか。日本人の中で誰が一番Change the Worldを上手に歌っていますか?」(→赤西仁、BENIの発音は上手い。CHEMISTRYはカタカナ英語的なところが多い。他にChange the Worldを上手に歌っているのは佐藤竹善とATSUSHI。他には調べていない。)「How come...とWhyの違いは何ですか?」(→スピーチレベルが異なる。How come...は話し言葉でしか使わない。)「外人の方は唄っている歌詞をしっかりと聴き取り理解しているのですか?日本の歌の場合でもなんと言っているか分からない時がありますよね?」(→日本人の場合と同じでは?)「外国の人が日本人が鼻をすする音を嫌うというのをテレビで見たことがあるのですが本当ですか?」(→文化による…テレビで見たならそれを疑うこともないのに…。)「サ行のシから始まる単語は全て「すぃ」に変化するのか?」(→sheは「すぃ」ではなく「し」の音。ちょっと質問の意図が分からないけど。)「浜崎あゆみの曲にDearestというのとBelievedというのがありますが言葉の意味は同じですよね?」(→そんなことはないと思うけど?)「人間が初めに口から発した音はどのような音ですか?」(→人間というのをどの進化の段階のものと見なすかという問題はあるが、例えばホモ・エレクトゥスは脊椎の穴が小さすぎて呼気を調整できなかったらしい。解剖学的にみて長く複雑な発話は不可能だった。)「newsとnewspaperは「ニューズ」「ニュースペーパー」と分けて発音すると聞いたことがあるのですが高校の先生などは両方とも「ニュース」と読んでいました。大した違いはないのですか?」(→newsという単語は14世紀にnewの複数形からできた。ここでは濁るsの音になるはず。)「oftenはなぜtを読まないで発音するんですか?他にもtを読まない単語はありますか?」(→黙字はあとから古い時代の綴りに揃えるために入れたという場合ともともとあったものが読まれなくなった場合の両方がある。他の例としてはfastenやcastleなど。)「単語を覚える時には声を出しながらの方がいいんでしょうか?」(→そう思う。)「なぜアメリカと日本で速さの単位などを変えてるんですか?」(→変えているのではなく揃えていないだけ。)「日本で英語の授業があるようにアメリカでは他の国の言語を勉強したりするんですか?」(→イングリッシュ・オンリー運動もあるが、フランス語・ドイツ語・スペイン語などを学ぶところも多い。)「韓国語にはカードやケーキのような伸ばす音がないと聞いたのですが本当ですか?」(→本当)「アメリカの漫画でBANG!やDOBONG!」のような表現が良く出てくるのですが英語の擬音の最後にはGが来るものなんですか?」(→もしもこれらがNでおわったら、バンヌ、ドボンヌみたいな音になってしまうはず。)「アメリカの調味料のさしすせそはどうなるのですか?」(→そんなものはない。sssssでsugar, sugar, sugar, sugar, sugarなんていう冗談もあるかも?)「英語でTwitterはどのように発音するのですか?」(→トゥイターに近い)「日本語の理解力が未熟な幼少期に英語をさせると日本語の理解に悪い影響を与えると新聞か何かで見た気がするのですが実際のところどうなのでしょうか?」(→悪い影響を与えるほどに深く幼少期から英語をやる人はそんなにいないのでは?)「カタカナ発音を治すためにはどのようにすればいいのか教えて下さい。」(→とりあえず個人指導を受けに来て下さい。)「ぢ と じの発音の違いはありますか?」(→ない。でも区別したければʤとʒの区別でもしてみたらいい。ついでに木材と材木の「ザ」の発音の違いを説明。)

・その他、前回の質問&コメントコーナーで出てきた話題についての学生からの追加の情報提供などもあった。(「しーん」という擬音語を漫画に持ち込んだのは手塚治虫とのこと。)

・回答を用意していたつもりだったがうっかり別の例を持ち出してしまったためにあまり回答にならなかったという残念な質問があった。「なぜ日本語には音や状況を表現が多いのですか?」という質問では関西弁のオノマトペの話(月刊言語2001.8より)を紹介するだけで終わってしまった。ちょっと的外れだったかも。

・発音コーナーは前回配布のプリント(Excel形式、改編・再配布自由です)の(2)の面をざっと復習してから(3)の面に入った。1つずつ日本語と比べながら発音。

・教科書コーナーはまずChapter 8の英文音声を聴いてから発音コーナーで練習した趣旨に基づいてPhrase Reading Worksheetの区切りで語頭に注意しながら練習。再度音を聞いてから教科書に入っているスラッシュ単位でのリピート練習用音源を使い、音読。本文の音読だけで終わってしまったため、残りの授業回数を勘案するとディクテーションの小テストが出しにくくなってしまったが、さあどうしようか?Chapter 2つ分だけの小テストを行うかどうするかを検討せねば。

※やたらと質問&コメントコーナーの部分だけ詳しく書いているけど、発音コーナーと教科書コーナーだけで50分ぐらいは確保しています。いや、それでもやっぱり質問&コメントコーナーが多すぎるのでしょうね…。



第12回 7月2日

・出席カード配布。いつもなら一人ずつ渡すのだが何か面倒になったので束ごと後ろに回す形で配布。複数枚キープしておいて不正利用しようとする学生もいるかもしれないが、何かその日の授業に関することを書いて提出しないとポイントつかないから出す意味ないし…(筆跡変えて他人の名前で提出するとかヤメテね!)

・質問&コメントコーナー。相変わらず質問が多い。1限のクラスの方はもともと質問コーナーはなかったはずなのにいつの間にか…。道理で予定通りに教科書が進まないはずだ。「おふざけフレーズはオリジナルですか?」(→アイデアといくつかのフレーズは靜哲人先生の著作から借用しているけど半分以上はオリジナルまたは過去の受講生が考えてくれた作品)「厳密な発音記号とは何ですか?」(→発音コーナーで国際音声記号のことを少しだけ紹介)「眠くて集中できなかったから月曜1限はやめてほしい」(→眠いのは誰のせい?)「発音練習の際に先生の発音を真似して読んでも何か少し違う気がするんですけど滑舌の悪さは関係していると思いますか?」(→単なる練習不足では?)「EXILEのATSUSHIの英語の発音は良いですか?」(→YouTubeで全編英語で歌っている動画とかが見つからなかったので判断保留。洋楽カバーとかを唄っている人の動画を紹介してくれたら聞いて確認してみます…といったら数名から今日の出席カードに数名のアーティストの名前が…)「先生は英語以外の外国語の中で話せる言葉はありますか?」(→韓国語を少々…いやいや、そんなレベルでもないけど。)「知的財産学部は第2外国語の科目がないですがこれってどうなんですか?」(→自分もそう思う。せめて韓国語ぐらいはあっても…。中国語は工学部設置科目があるので他学部履修可。)「アメリカの初めの国旗の星の数は何個だったのですか?」(→13。こんなのググったら簡単に見つかる質問なのでポイントなしです。)「アメリカ人が日本語で発音しにくい音は何ですか?」(→語頭の「ツ」の音など。)「J-Pop、K-PopはあるのにアメリカのPopのA-popがないのはどうしてですか?」(→J-Popは1988年頃から、K-Popは1990年代中頃から使われている言葉のようだが、それ以前からアメリカのPopがあったからでは?)「英語ばかり話していると標準語になると聞きました。実際どうなんですか?」(→よく分かりません。)「言語が分かれだしたのはいつ頃ですか?」(→例えば遊牧民族が東と西に別れた時!?)「歯並びが悪かったらうまく発音できなかったりするんでしょうか?」(→歯がないとかいう状況でなければあまり関係ないのでは?)「フランス語などにある中性語(?)はニューハーフ語ということではないんですか?」(→文法性と自然性は違うし、中性といってもニューハーフとは無関係。)などの質問に回答。

・発音コーナー。前回の出席カードに受講生が書いてくれたおふざけフレーズの紹介。「ほほをたたいてはれあがる」「ぶっつけ本番ぼっこぼこ」「爆音ぼんぼんばかやろう」「暴走族バイク飛び乗りブルンブルン」「ベビーカーバブバブ言ってる赤ん坊」「母の日に唄ってみたよヘイヘイホー」「泣いてるベイビーにベロベロバー」などを「採用作品」として板書。その後、新しいプリント(Excel形式、改編・再配布自由です)を配布。このプリントでは英語の音の仕組みにちょっとだけ敏感になるために、日本語の50音は英語発音と対応させるとイ段とウ段で子音が異なることがあるということを紹介したものと、英単語の最初は「溜めて読む」という練習のために用意したもの。今日は最初の「日本語の謎」の部分の講義程度だけだったが、来週と再来週で「溜めて読む」練習をいろいろやってみる予定。

・教科書コーナーは前回の続きで教科書の問題から。結局は次のChapterに入れず。どうしてこうなった?

・途中、私語をしてはならない場面の私語があり、2名の出席カードを回収するという事件が発生。以前の約束でこういうことがあった場合は「追放」ということにしていたが、ここ数週間、少しずつ私語が増えてきたので強権発動。当該学生2名は授業後に謝りに来たが、謝ることよりも周囲の迷惑を考えろと言いたい。

・うっかり出席カードのミニアンケートを出題せずに授業終了を宣言してしまった。本当は「英語の発音をこれから良くするためにどういうことをやればよいか、方向性は見えてきましたか?」的なことを書いてもらおうと思っていたのだが、次回に送ることにする。



第11回 6月25日

・ディクテーションの小テストの準備として、出題範囲の英文3課分をプレイリストにまとめて計4回ずつ流している間に出席カード配布。その後、小テストを実施してペアで交換して採点、回収。

・質問コーナー。「自分のイメージだと外国というだけで危険なイメージがあります。安全の定義は難しいですが居住できるレベルだとどんな国がありますか?」(→そこまで考えなくても。とりあえず外務省のホームページで情報収集を)「言語の統一は無理なのでしょうか。また、これまでの歴史で人間が統一された言語を話していた時代はあったのでしょうか。」(→無理。少なくとも言語学的に分かる範囲では人間が統一された言語を話していた時代はない。)「(thの発音に関して)上下の歯で舌先を軽く挟んで発音するのが難しいんですけどどうすれば上手く発音できますか?」(→とりあえずプリントの通りに練習するところから。)「先生がこれまで覚えた英単語で発音やイントネーションが似ていて間違いやすいまたは要注意な単語はありますか?」(→自分はsemesterとcemeteryを間違えたことがある。)「she/see/seaの発音は違うのですか?」(→sheがsee/seaと違う)「eとéの発音は違うのですか?」(→言語による。話のついでに日本人の名前でローマ字表記したら残念なことになる「井上」(普通にフランス人が読んだらイヌー)と「鈴木」(普通にドイツ人が読んだらズツキ)の話を紹介。)「なぜ世界の言語を英語だけにしないのですか?」(→だったら明日から世界中が英語になってもいいの?困らない?)「代名詞のIはなぜ大文字ですか?」(→見やすくするため)「外国人のお相撲さんはすごく日本語をペラペラ話します。モンゴルなどのお相撲さんになる人が多い国は日本語と似た発音なんでしょうか?」(→必ずしもそういうわけではない)「映画を字幕なしで見るのにどのぐらいかかりましたか?」(→英米語学科の授業を受けまくっていた大学2年の頃の夏にニュージーランドでシュレックを字幕なしで見てみたがまだまだつらかった。でも最近は時々日本語字幕が邪魔に思えることもあったりするかも)「犬の鳴き声は日本では「ワン」、アメリカでは「バウ」ですが「バウ」というのがしっくり来ません。同様にアメリカ人からすると「ワン」がしっくり来ないのでしょうか」(→そもそも犬が唇をいったん丸めてから開いて「ワン」と言うことも、唇をいったん閉じて「バウ」ということもない。どっちの音も違う。)「日本語でいう「今は昔」みたいな矛盾語は英語でも存在しますか?」(→これは矛盾語というわけじゃない。矛盾語としてすぐに思い出すのは相手に対する悪口で出てくる表現とかの例。例えば「クソッタレの便秘野郎」みたいな表現とか。)「英語ばかりしゃべっていると日本語がしゃべれなくなりますか?」(→母語はそう簡単には喪失しない)などなど今日も盛りだくさん。

・発音コーナー。前回の出席カードで募集したおふざけ発音練習フレーズのオリジナル作品で面白かったもの、使えそうなものを板書。練習しやすいように少しだけ手直ししたものもあるが、採用作品は「ろれつがまわらなーい」「サンマの採寸すぐ済むさ」「アザラシザーザー雨ざらし」「さっきお寿司を食べました」「すばらしくおいしい寿司」「残念全然的外れ」「アサリとサソリが騒いでる」「人生自力で乗り越えろ」など傑作揃い。これらも練習に加えながらr/l/thの復習を一通りやってからfとvの練習。紹介したフレーズは「腹減った腹減ったお昼ご飯」「母の皮膚 母の皮膚 母の皮膚」「ほっと一息コーヒーで」「ぶんぶんぶん 蜂が飛ぶ」「ぼろぼろで涙ぼろぼろ」「バイキンべたべた文房具」「バイキンマンびびって自爆でバイバイキーン」と今日もおふざけモード全開。そして今日も学生からフレーズを募った。面白いのがいろいろありそうだけど来週までに採用作品を決めることにする。

・教科書コーナー。発音練習の方でかなりの発音が出そろったので、教科書Chapter 7を細かく切りながら音読する際にもなるべく発音の細かい所も注意しながら練習。おふざけフレーズなら結構きれいな発音ができる者も多いが、英語だけを読んでいるとまだまだ不十分という場合が多い。その後、ポーズ入り音声で練習したところでほとんど時間切れ。少し早めに終了。次回は教科書の単語問題の答え合わせから。

・出席カードの自己評価欄・ミニアンケート欄には「隣の人よりもうまく発音練習できたか、改善すべきところはどこか。」という設問にしたが、「○○君よりも上手に発音できました」とか「○○さんには負けました」などと書いてくれている学生が多くて楽しい。また、vの練習などは「なるべく汚い音で」と指示しているので「○○君には汚さで負けました」などというコメントも。隣の人もそうだが、先週(先月/去年)の自分の発音よりも今週(今月/今年)の自分の発音の方が上手だ!と自信を持って言えるように練習に取り組んで欲しいところ。



第10回 6月18日

・出席カードを配布しながら教科書Chapter 6の音声を再生。1回通して再生する間に出席カードを配りきれなかったのでリピート再生。

・質問(とコメント)コーナー。前回の授業で扱った内容や授業内容への受講生からのコメントとしては「共通言語の需要が拡大すると従来の言語に携わる仕事や文化が減ると思う。まあそんなにすぐシフトしていくものではないと思う」「課題が多すぎる。この授業が一番多い。英語をうまくしゃべりたいが多すぎる」など。質問としては「なぜ英語ではrとlの発音を明確に区別するのですか?」「先生は日本語を覚えるような感覚で英語を覚えたり読んだりできるのですか?」「杉田玄白は辞書もないのに誤字等の修正(?ママ)はどのようにしていたのでしょうか?」「洋楽の中で日本語が使われることはありますか?」「新しい言語ってどうやって生まれるのですか?」「人工言語も自然言語も元は人間が作ったものなのに、どのような定義で人工言語と自然言語とを分けているのですか?」「自然言語は減る一方でもう増えないのですか?」「昔、辞書はなかったですが、辞書はいつから書かれているのですか?」「外国に居住するなら先生はどこがいいですか?おすすめを教えて下さい。」「発音練習で一番効果的な方法は何ですか?」「同義語を上手く暗記する勉強方法などありませんか?」「留学しに行った場所に日本語を話す人がいると英語を身につける能力が下がるというのは本当ですか?」「ドイツ語、フランス語に特有の文字はありますか?」「日本で侍などが使いそうな「申す」や語尾に「ござる」など現在ではめったに使わないような昔の言葉も英語にありますか?」「日本では古典の授業がありますが、アメリカなどでも古典のような授業ってありますか?」「人が進化の証として言語を手に入れたのなら、人以外の生き物が言語を人と同じように使えるようになる日はくるのだろうか」など。

・発音コーナー。前回配布の発音プリントでrとlに関する練習をもう一度復習してから、rとlを練習できる「おふざけフレーズ」として「あぶらもの とりすぎ みるみる ふとりすぎ」「るんるんしてるねー!」を追加。続いてすんだthの練習を行ってから「さようなら せんせいみなさん またあした」「すばらしく せいせきあがり うれしいな」「そんなそうさは しりません」で練習。そして濁ったthも練習してから「じかんわり ぜんぶずれてて ずっこけた」「かぜひいて つくるぞうすい あじもなし」「あじさい あじさい はなざかり」で練習。(一部のフレーズは靜哲人先生の著作より借用。)その後で3分ほど時間をとって、学生からこの手の練習用フレーズを募ったところ、かなりいろいろなアイデアを出席カードの余白に書いてくれた。なめらかに練習できるフレーズをいくつか、次回の練習用に採用予定。爆笑フレーズも多数集まって非常に楽しかった。

・教科書コーナー。Chapter 6を発音プリントでの練習も踏まえながら少し細かく音読練習。その後、スラッシュごとに同じ長さのポーズを入れた音源を使い2回音読。2回目は「声を大きくする」「音の上げ下げを真似する」「単語と単語のつながりを意識する」のどれか1つを目標にして練習させることにした。続いて教科書の単語問題とディクテーション問題。途中の内容理解問題は時間の都合で省略。次回ディクテーション問題のChapter 4〜6を使って小テストを実施予定。

・出席カードの自己申告欄・ミニアンケート欄には「英語の音とリズム」の学習に関係しそうな復習をこの授業以外にどのぐらいやっているのか、どんな方法をやっているのかを記入させた。中には堂々と「復習していません」と書いている者もいるが、1時間復習とか、2時間復習とか、週に3〜4日は発音の練習をしているといった嬉しいコメントも。夜寝る前と通学中に英語の音声を聴くとか、教科書を見ながら音読しているとか、教科書の単語調べをやるとか(この授業では教科書の和訳も配布しているし、音とリズムに集中することにしているので、特に英語そのものを学習するという課題は指示していないが、上手に勉強してくれている者もいるようで嬉しい。)でも最も多いのは1週間で5分とか10分といった回答。それじゃちょっと不十分かなあ。教科書の付属CDをただ聞き流すだけでもいいから、できるだけ毎日やって欲しいところ。



第9回 6月11日

・いつも授業ごとに配布物などを全部カゴにまとめており、カゴごと教室に運ぶのだが、どういうわけか今日の授業とは異なるカゴを持って行ってしまうという失態。慌てて研究室に戻ろうとして教室を出たが教室に研究室の鍵を忘れるという失態。そして教室に戻ってきたものの、教室で流す教科書の音源をiPhoneに転送し忘れて流せないという失態。(いつもはMacBookAirを持ち込んでいるが、音声を流すためにしか使っていないので、たまにはiPhoneから流せばいいだろうと直前で荷物を減らしたのが失敗。)みたび研究室まで戻ることになった。月曜1限からグダグダですね…。

・出席カードを配布し、先週でようやく終わった音読テスト(なぜか締切が延長になったとかいうような噂が流れているようなので、本日の昼休みを最終期限としたらぞろぞろと追加で7名ほど受けに来た)の講評と学期末にやる2回目の音読テストに向けてのポイント説明など。

・いつもは授業の最後に書いてもらう出席カードの自己申告欄とミニアンケート欄だが、今日のテーマは「授業も残り7回、後半は何パーセントぐらいの勢いで頑張るか」を数字と自由記述にて。授業後に集計してみたら100%頑張るという学生も3分の1以上もいるのが嬉しかった。53%とか40%とか22%とか書いている学生がいるが、それは単位不要ということなのか?英語の音とリズムについて授業への参加も一定の水準で達成してもらわないと困るし、せめて60%以上と書いて欲しいところなのだけれど。

・前回の出席カードに書かれた学生からのコメント、特に前回の授業の最後で問いかけた「この授業を通じて英語への苦手意識は少しぐらい直ったか云々」に関するコメントを読み上げたり、いろいろ寄せられている質問への応答。(質問コーナーはブリッジ・イングリッシュⅡだけの予定だったが、もうこちらの科目でも「毒を食らわば皿まで」的に授業のメインコンテンツに昇格で良いだろう。後期の授業ではどうするかまだ分からないけど)「問いかけ」に対するコメントとしては「発音練習を繰り返し授業でやっているので英語が楽しくなってきた」「聴き取りは上手くなったが文法はまだ苦手」「俺が英語圏の人にならない限り治らない」など。また前回の授業で扱った内容などに関するコメントとしては人工言語の話、日本以外の文化について関心を持った学生がいた。質問は「日本の手話とアメリカの手話は意味が異なるのか」(→違う)「日本の楽曲は歌詞に英語が含まれている場合があるが洋楽の歌詞には他の言語があまり含まれていないのはなぜか」(→外国語への憧れの度合い?)「外国語の言語は英語が土台になっているのか」(→違う)「昔の人たちが辞書も何もない時代に他の言語と自分たちの言語をどのように対応させたのか」(→杉田玄白や大黒屋光太夫の話を紹介)「日本人の英語は丁寧すぎると聞くが本当か?」(→そんなことは…?)「短期留学で少しでも英語を習得できるか。長期の方が良いか」(→短期で大化けする人もいれば長期でも全く変わらない人もいる)「母音に挟まれたtはラ行の音に変わるというが、なぜateは変わらないのか」(→文字ではなく音で考える。ateのeは読まない)「『ナイスシュート』は英語として正しくないというのは本当か」(→shootは動詞だからおかしい)など。

・今日から「『あいうえお』で英語発音練習」と称した新しい発音プリントを利用。(PDF版。改編・再配布自由。Excel版はこちら。)これでrとlの音の練習を実施。プリントへの補足として「母音の後ろにrがあるときは唇の形をなるべく変えずに舌全体を後方に引っ込める」などの説明も。また「おふざけフレーズ」として「タラちゃーん、イクラちゃーん、ノリスケさーん」「プリプリのエビどれー?」「とろろ芋とろとろー」で練習しながら「日本語のラ行子音は一瞬で終わるがrとlはどこまでも伸ばせる音」などといった説明も行った。学生たちもこういう「斬新な」練習方法はかなり喜んでいたような印象。「rとlの読み方の違いなどが今までよく分からなかったが少しずつだが分かってきた」「発音練習がこんなに楽しいとは」なんていうコメントも。次回もおふざけフレーズ満載の予定。お楽しみに!

・新しい学習方法を取り入れた回はどうしても教科書をやる時間が十分にとれないが、前回答え合わせした部分を音読する際にも少なくともrとlには意識を向けさせることができるので良しとする。ディクテーション問題の小テストは再来週実施を予告。結局教科書はChapter 5の終わりまでしか進まなかった。受講者数が多いことと、質問コーナーにも異様な盛り上がりがあるためにあまり進められないというのもあるのだが、まあ教科書を終わらせなくてもいろいろなことをきっかけに英語の音とリズムに興味を持ってくれさえすれば良いんじゃないかな。



第8回 6月4日

・出席カードを配布。中途半端なところ(ディクテーション問題)から開始することになっていたので配布時には英語音声を流さなかったが、どこか適当なところのを流しながら配ってもよかったかも、と後で気づく。

・最近、遅刻者が少々目立ってきたので、出席カードを配り終わって、しゃべり初めてから入室した者には角をちぎった出席カードを配布した。遅刻者チェック。また、前回「私語厳禁」の緊急アンケートをやったことを最初にも確認して牽制。それでも残念ながら数名しゃべりそうになっている状況は見かけたのだけれど。

・告知2件。個別の音読テストの受験者数が伸び悩んでいる。今週金曜日が最終期限なのに半分も受けに来ていない…)大行列ができなければ良いのだけれど…。それと今日の映画英語マラソンの案内。

・質問コーナー。やはり予定していた分を全て答えることはできなかった。最近は授業への感想も増えてきたので、今日は感想などを多めに紹介。質問として取り上げたのは「どこかの言語に単語1つ1つに性別があると聞いたことがあるがその言語には差別問題はないのか?」「言語を今まで最高いくつ覚えた人がいるのか?」「a hurricane と african は聞き間違うことはないのか?」「アメリカでは肥満の人は自己管理能力が欠如していると判断されて就職とかで不利なことがあるというのは本当ですか?」など。前回、人工言語の話を少ししたので、これに派生する質問やコメントも多かった。でも「人工言語には知的財産権は適用されるのでしょうか?」という質問が出てくるところはさすが知的財産学部の学生。人工言語の作者は世界平和などを願っていることが多いが、中には自分の作った言語こそが完璧だという思想を持ち、権利を主張する場合もあるが、そういう人工言語はだいたい失敗している(というよりも人工言語で成功したのはエスペラントぐらいしかない)みたいな話をした。また以前、言語の変化について喋ったことをきっかけに「言語学では未来の言語がどういうものになるのか予想できるのですか?」という質問が寄せられていたので、眉につばをつけて聴くべきであると前置きをした上で城生佰太郎『言語学は科学である―「象ガ国会デ宿題ヲ忘レル」不思議への招待』の最終章で紹介されている「21世紀末の日本語はこれだ!」と紹介されている部分をそれっぽく音読した。

・発音コーナー。今日でこれまで8回続きで使ってきたプリントは終了。今日のポイントは of の弱化や母音間の t など、比較的良く出てくるものが中心。何度も繰り返し紹介している内容語と機能語の区別などにも触れながらひたすら音読練習。相変わらず発音練習の声が出ていない者が特に教室後方には目立つが、まあ声を出さなくても英語の音の仕組みだけでも意識を向けてくれて、聴き取りの時に生かしてくれるのであればそれだけでもいい。本当は上手に発音できるような練習もして欲しいところなのだけれど。次回からは個別の音を発音する練習を行っていくシリーズのプリントを中心に、rとlの音からやっていく予定。

・教科書コーナー。前回やり残したディクテーション問題だけやってからChapter 5に。Phrase Reading Worksheetを使って音読してから、教科書の方はスラッシュごとに同じ秒数のポーズを入れる形で予め加工した音源を使って後について読む練習。そのあとで音源と重ねて読む練習。いつもと違う練習を取り入れたので少々難しかったという声もあとで聞こえてきたが、毎回同じ方法だと飽きるので少しずつ工夫していかねば。その後、教科書のAとBの問題をやって答え合わせ。教科書Aの単語問題の音読までやってしまいたかった。次回はChapter 6に入るので、このプリントに目を通してくることが宿題。

・授業最後の恒例、出席カードの指定欄を使った自己申告およびミニアンケートとして、今日は「この授業を通じて英語への苦手意識は少しぐらい直ったか。どの辺が効き目があったか。あるいはなかったか。英語嫌いがまだ直らないという人は直らないとはっきり書く」という形で問うてみたところ、102名出席のうち、半数以上がポジティブな回答を書いてくれているように感じた。一方、「相変わらず英語は苦手です」「変わりません」という者も30名ほどいるし「発音練習でますます苦手意識」という者も数名いるようなのがちょっと残念。あと7回の授業で英語に苦手意識を持つ学生を少しでも減らすことができれば良いのだけれど…。そしてまだまだ「戦い」は続く。



第7回 5月28日

・教科書音声を流しながら出席カード配布。英文を見ながら音を聞くという学習のためにやっているのに、後ろの方にいる教科書を開こうとしない学生は一体何を考えているのだろう?

・出席カード配布直後に「緊急アンケート」と称して、まずは出席カードの自由記述欄に回答欄を一つ設けさせた。そしてとにかく「○」とまず回答することを指示。その後で「緊急アンケート」の設問を発表。「今後、私語をしてはならない場面では私語をしません」という趣旨の設問だが、今回この設問に○以外で回答する者は即追放、また来週以降も今回「○」と書いた者がこの約束を破ったら追放するという、無茶苦茶な方法による私語しません宣言をさせたところ、さすがに今日の授業は効果テキメンで全くと言っていいほど私語が発生しなかった。しかしこれでは学生らも疲れるので、話題の変わり目や練習問題を行っている際などは隣近所と相談しながらも可ということにした。ガス抜きは必要。

・質問コーナー。前回、2週間ごとに1つずつ言語が消えていくという話をしたら「いずれなくなるんじゃないですか?」という質問。そこで前掲書p.124に書かれている「これから二,三百年の間に一国家あたり一言語しかなくなり、最終的に全世界でたった一つの言語しかなくなるという断言している学者もいる」という話をさらっと紹介。他に「アメリカのバスを降りるときに「あげどうふ」(= I get off )と言って伝わるか」(→自分はニュージーランドで実際にやってみたら通じた)、「なぜCanが「キャン」ではなくて「クン」という音になるか」(→内容語と機能語、優先して伝えるべき部分ではない、また多音節語で曖昧母音が生じるといった話と絡めながら説明)「PolicemanとPolice officerの違いは?」(→性差別的な単語を排除するという必要性とPCに関する表現について、またややこじつけめいているが学生らに考えておいて欲しい話題として history と herstory について紹介)「日本人のアーティストが日本の曲を英語でカバーしている曲を聴くことで英語になれることができるか」(→英語の発音が下手なアーティストも多い。上手だと思うアーティストを紹介。宇多田ヒカルやKOKIAなど)「言語が消えていくという話でしたが、逆に新しい言語ができることはありますか?」(→ピジンとクレオール、人工言語の話。さらに日本人が作った人工言語としてノシロ語の話を少々。また、ニカラグア手話についても少しだけ触れた。)「アメリカ英語とイギリス英語の違いは?」(→音声の違いを少しだけ紹介)「ネイティブアメリカンも文法の勉強をしたりするんですか」(→国語教育の一環で母語を学ぶ機会があれば規範文法も学ぶ。)といった質問に回答。また、前回の出席カードに卑猥な内容を書いていて、上から修正テープで見えなくしているという者がいたが、そういうことをする者は今後は追放するということで注意喚起(当該学生は前回の授業を欠席扱いにすることも宣言。学習記録など他に平常点として評価できる項目が何一つ書かれていなかったというのもあるがペナルティの意味も込めて。)

・発音コーナー。6ページ目を2回ずつ読んでから7ページ目に。だんだんレベルが上がっていくので、今日は細かく切りながら、また音の変化の部分を確認しながら紹介。これまでは単語と単語がくっついて前の単語の最後の音が消えるのは同じ音の時というものが多かったが、今回は調音点が同じであれば前の音が消えることもあるという話へと拡張。

・教科書はChapter 4を音読してから教科書の問題へ。A〜Eの問題のうち空所埋めのCの問題だけができなかったので、次回はここから開始。

・出席カードの自己評価欄はARCSのSで「この授業に満足しているか」を○△×と自由記述で書いてもらった。ここでは授業そのものへの満足ではなく、過去7回の授業を振り返って自分自身の取り組みにも満足しているかを考えさせた。○が87名、△が19名、×が3名という結果だったが、特に△で自由記述があった者の回答を見ると、復習が不十分であることを自覚している様子。確かに授業中はいろいろ発音練習しているが、やっぱり授業外でも何度も音を聞いて、何度も口を動かして欲しいものだ。そうすればきっと上手くなるから!

・音読テストは既に20名程度が受けに来ているが、まだあと100人以上!



第6回 5月21日

・先週実施した大学公式の授業アンケートの結果をプロジェクタで映し出して講評など。

・出席カードを配布する際に教科書英文の音声を流すのはいつも通り。音読テストを想定してChapter 1の音声を流したが、リスニング小テストの方を優先して、教科書のディクテーション問題のChapter 1〜3を連続して流すことにした。

・教科書とほぼ同じ場所を抜き取った聴き取り穴埋め問題を5問。Chapter 1から2問、Chapter 2から2問、Chapter 3から1問。終了後は隣同士交換して採点。

・告知2件(音読テスト、映画英語マラソン)

・質問コーナー。「どうしたらなめらかに読めますか?」(→音のつながりを意識。これはいつも授業でやっていることなのだけれど)「日本の地方によって英語の覚えやすさは変わるのか。例えば九州方言を話す人よりも関西人の方が英語を習得しやすいとか」(→たぶんそんなことはないでしょう。それよりも個人の努力の方が成否に関わる要因としては大きいはず)「日本人がネイティブスピーカーに完璧にものを伝えることができるのにはだいたいどのくらいかかりますか?」(→完璧に伝えるといっても店でものを買うといった場面なんかではすぐにできるようになる。少しずつ表現できることを広げていくことが重要。)「TOEICの勉強をする際に大学受験で使っていた文法問題集とTOEIC用の問題集、どっちがいいですか?」(→大学受験用の文法書で全範囲を網羅してからの方がよいかも。ただしTOEICは大学受験よりも遙かに密度が濃い)「世界には何カ国言語がありますか?」(→何カ国という訊き方はおかしい。5000〜7000言語というのがよく言われる数だが、デイヴィッド・クリスタル「消滅する言語」によれば2週間に1つずつ言語が消滅している)「アメリカ人にバカと言ったらbackupと聞こえるのか?」(→そもそもbackupだけを誰かに対して言うことってそんなにあるかなあ?あるいは日本語の「バカ」が英語のidiotに対応していることを知っている人も多いかも。)「大文字・小文字・筆記体が分かれているのはなぜですか?」(→書字材料の変化によっていろいろな書体が生まれた)「先生は今まで何カ国に行ったことがありますか?」(→5カ国。ただしスロバキアにはドナウ川を歩いて渡って15分だけ滞在。)などの質問に回答。

・出席カードには「今日の授業内容で気になったこと/今日、新たに学んだこと/覚えておきたい表現」を書くことになっており、ここに質問が書かれているものに回答することにしているが、中には授業で話した内容を誤解して全く事実に反する内容を書いている者がいる。例えば「日本語は世界でも難しい言語の1つなので…」というようなことは過去の質問コーナーで出てきたときにきっちり否定しておいたのだが、こういったことを書く者は話を聞いていないのだろう。また、意味がよく分からない質問も時々。「allowsという単語の発音がうまくできない。allowysという単語とよくにているなと思った。」とあるが、allowysなんて単語は知らない。一体何を尋ねたかったのだろう?

・発音練習プリントの5ページ目を復習してから6ページ目へ。今日のポイントは t の弱化 center of「セナラヴ」や in front of「インフラナ」 や語末のエル for a while「フラワイオ」twenty dollar bill「トゥェニーダラービオ」みたいな練習と、以前単語レベルでは練習している important, cotton, suddenly, couldn't のような -tn- や -dn- の練習とmostly, partlyなどの -tl- の練習が中心。次回分のプリントも配布。

・授業開始時のアンケート結果へのコメントでかなり時間を使ってしまったこともあり、教科書コーナーに入るところで既に残り時間が非常に少ない状態に。結局Chapter 4の本文を音読するだけで時間切れ。残念なことに授業終了間際に私語で授業妨害をする者がいたために注意して2分程度のタイムロスもあったのだが。私語については毎回厳しく注意しているつもりなのだがなかなか減らない。もっとも、私語をする傾向のある者は出席カードへの記述がおろそかになる傾向があり、このままだと授業に出ていても単位が取れないレベルになるような気もするのだが、どうせ単位が取れないレベルになるのなら私語で他の学生を邪魔するようなことはしないでもらいたい。来週あたりまた強権発動し、私語した者の出席カードをその場で破棄して一発退場とかの措置をするしかないのだろうか。悲しいことだが。

・出席カードの自己申告のチェックは今日はARCSのC。ここまでの内容である程度、達成感を感じているか、やって無駄だと思っていないか、やればできるという気持ちがわいているか、次に目指す方向は見えているか、自分なりの工夫をこらして勉強できているか、学習の自己管理はできているかなどの観点を総合評価して○△×と自由コメントで書かせて終了。記号での回答は○が39名、△が67名、×が4名。AよりもR、RよりもCと徐々に○の数が減っているような気がする。来週はARCSのSで評価してみたい。



第5回 5月14日

・来週から3週間にわたって実施する個別の音読テストの受験票を配布。受験日時が指定されており、教室前方に座っている人から好きな受験票を選ぶことができるようにした。どの時間に受けるか迷っている者もいたようで、教室後方まで受験票が行き渡るまでに結構時間がかかってしまった。行き渡った頃を見計らって音読テストの実施方法などについて説明。音読テストで4割ぐらいにしかならないという悪い見本も実演。(カタカナ読み、抑揚なし、小声でぼそぼそ…)

・その間に大学指定の授業アンケートを実施。携帯電話からの実施なので集計が早くて良い。早速集計結果を眺めてみたが、おおむね良い評価を得ることができたと解釈。若干寄せられた改善希望点についてもコメントを返答しておいた。

・さらにこれと並行しての質問コーナー。受験票が行き渡るまでの間、友人といろいろ調整したいという人もいるかもしれないと思い、若干の私語は認めることにしたが、これは失敗だったかもしれない。「発音を良くするには何回も話して上手くなるしかないんですか」という質問には、教員を発音のコーチと捉えて欲しいことを説明。スポーツ選手がコーチの指導を無視していれば効率も悪い。前回、英語の方言の話をしたが、それに関連して言語と方言の違いに関しての質問があったので、ヒンディ語とウルドゥ語、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語の間の相互理解可能性について紹介。また方言の例として関西弁に関する質問についても回答。他にTOEIC対策のおすすめの教材(こういう質問には公式問題集を薦めることにしている)や言語の難しさについて説明。前回の授業に寄せられた感想の一部等についても紹介した。

・発音コーナー。前回の復習をざっと行ってから新しいところを少々丁寧に説明しながら音読練習。今日のテーマは強弱のリズムについての練習が中心だった。

・教科書コーナー。ここからの進め方は毎回のパターンが決まりつつあるが、今回はPhrase Reading Worksheetを見ながら発音練習を行う場合、ちらっと日本語訳を見てから聞こえてくる英語を真似するという方向で取り組むように指示。毎回同じパターンでやっている練習でも少しぐらい頭を使うようにしないと!教科書の問題はChapter 3の終わりまで進めた。その後、少々時間が余ったので音読テストで次のChapterを選ぶ者のためにChapter 4のPhrase Reading Worksheetも第2段落の終わりまで音読練習。

・出席カードの自己評価欄にはARCS動機付けモデルを参考にした"R"に関する自己評価として、この授業の学習課題が何であるかを知っており、やりがいを感じているかどうか、また学習のプロセス自体を楽しんでいるかどうかを○△×および自由記述で書いてもらった。ざっと見た感じでは前回の"A"に関する評価よりは若干△が増えている気もするが、それでも強くやりがいを感じているという学生もかなりの割合でいるようなので授業する側としてもやる気がわいてくる。もちろん自分の授業設計に対する"R"は◎!(あとは△や×と書いた学生との摺り合わせが必要なのだが…少しずつ工夫していくことにしよう。)

・次回、教科書のChapter 1〜3のCの問題を素材とした聴き取り穴埋めによる小テストを実施。予定よりも2週ほど遅れており、さらに言えば範囲も狭いのだが仕方がない。



第4回 5月7日

・パソコンから教材音声を流すための準備などが必要なので授業開始5分前に教室に入ったが、前回の欠席者などでプリントを所望する学生や、インフルエンザで欠席していた者、就活で休むことを伝えに来る者などなどいろいろ声をかけられて、結局は定刻に始めることができなかった。来週からは10分前に入室が必要か…。

・前回同様、教科書の音声を流しながら出席カードを配布。1課分の音声だけでは足りないので2課分の音声を流したぐらいの長さでちょうどよかった。もっとも、教室で教材音声を流さなくても教科書にCDが付いているのだから、是非とも教室外でも何度も聞いて欲しいところなのだけれど、相変わらず教科書の付属CDの封を切っていない学生も少なくない様子。

・このクラスは出席カードに書かれた質問などには答えないつもりだったが、やはりそういうわけにも行かないので10分程度は前回までの質問などに答える時間などが必要な気配。まあ多くの学生が「今日の授業内容で気になったこと/今日、新たに学んだこと/覚えておきたい表現」を出席カードに書いてくれているので(書かされているので)これを一部読み上げるだけでも前回の復習になってちょうどよいという気がしないでもない。ということで前回触れた曖昧母音の話やネオ方言、若者言葉の伝播について軽く触れてから、質問として書かれていたOKとOkayの違いについて説明し(違いはないけど)All Correctが語源と考えられているという話についてちょっとだけ紹介。

・発音コーナー。前回の範囲をもう一度音読してから新しいページへ。今日のテーマは What are you... や What do you... が「ワルユ」というような音になる話から t や d が弱くなってラ行の音に近くなるという話と、his / him / her などで h の音が落ちることがあるという話が中心。

・教科書Unit 2のExercise AとBを板書で答え合わせ。この部分は宿題のはずだが、教室を巡回してみると書き込みをしていない学生が多数。宿題をやっているかどうかは特にチェックしていないが、だからと言って手を抜いて欲しくはない。チェックされないから宿題もしないというのは取り組みの姿勢として疑問に感じる。むしろ同じ授業を受けていても差が付いたり後々まで残るかどうかはこういったところの取り組みにあるような気がする。

・音読をしてからExercise C〜Eも続けて実施。この段階で残り時間が20分。時間配分としてはだいたい前回と同じ程度で、今後はこの調子で1回で1課ずつ進められそうな気配。第1回で配布した資料では今日が1回目の小テストの予定だったが、出題の都合を考えると再来週実施ということになる見込み。

・出席カードの自己申告欄は今日から4回のシリーズでARCS動機づけモデルを参考にしたアンケートを行ってみる予定にしていて、今日はARCSのA(Attention)で「この授業は面白そうだ」と感じているかどうかについて、○△×で回答してもらうことにした。併せて自由記述でも書いてもらうことにしたが、本日の出席者110名のうち、92名(84%)が○、18名(16%)が△と書いていた。△と書いている学生はやはり発音について苦手意識を持っている様子だが、△と書いていても出席カードの「今日の授業内容で気になったこと/今日、新たに学んだこと/覚えておきたい表現」にはそれなりにいろいろと書いてくれている。履修登録者数からすると既に20名以上来なくなってしまっているようなのだけれど、こちらはしばらく様子見ということで。来週はARCSのR(Relevance)で「やりがいがあるかどうか」を尋ねてみる予定。



第3回 4月23日

・教科書の音声を流しながら出席カードを配布。受講者数も多いので出席カードを(ごまかしなくきちんと人数分)配って回るだけで4分くらいかかる。前時の教科書本文の音声などを流しておくとちょうどいいことが分かったので、こういうやり方にした(実は今朝ひらめいた。)

・過去2回分の出席カードで寄せられた質問などへのコメントを少々。特に出席カードへの記入の扱いについて。毎回の授業での取り組みとして出席カードに「今日の授業内容で気になったこと/今日、新たに学んだこと/覚えておきたい表現」を書かせるようにしているが、これらが出席カードの両面にわたって書かれている場合は平常点として4点分でカウント、書いている分量が少ない場合は1点~3点となり、15回授業の合計で成績の60点分と計算することについて改めて確認。

・この科目では本来は言語文化教育に関する質問に答える予定はなかったがせっかくなのでいくつか寄せられた質問には回答。英語の標準語とは何を指すのかなどといった話から標準語と方言、若者言葉が生まれる理由、ネオ方言、「日本語は年速1kmで広がる説」などを少々。knowやnightの黙字を発音しない理由を英語の歴史と絡めて。

・発音コーナー。前回の範囲をもう一度音読してから新しいプリントに。音のつながりなどを少し丁寧に。特に内容語と機能語が音の強弱を生み出すきっかけにもなることについて、いろいろな例文を使いながら確認。

・教科書のUnit 1を音読で復習してからExercise Aの部分を使い、単語のアクセントがない部分が曖昧母音の[ə]になりがちであるということを説明し、separateやrevolutionaryなどの例を使いながら、意図的にアクセントのない箇所は[ə]で読むという練習。

・教科書のUnit 2の音声を聴き、音読をプリントと教科書の両方で。

・途中、サボっている者2名に対して本日の出席を無効にするペナルティを発動。また、出席カードを他人に預け、荷物を持って途中退室しようとした者がいたので、学生番号と氏名を確認した上でかなりきつく叱った。(先生を怒らせたらいけない、とか、こういう厳しい態度に好感が持てる、サボる学生にはもっと厳しく!と出席カードに書いてくれた学生も5名以上いた。今後も厳しくやりますよ。不正行為は許しません!)

・最後に出席カードの自己申告欄にどのぐらい授業に集中できたかを%で書かせたところ、多くの学生が80%以上の値を書いてくれた。中には59%を下回る値を書いている者もいたが、やっぱり大学は何でも6割合格ということを考えるなら、授業への集中度も6割ぐらいは達成して欲しいところ。また、ミニアンケート欄にはこの3回の授業で英語に対する意気込みや苦手意識などが変わったか、変わらないか?などなどを自由筆記で書いてもらったところ、1回目に英語が嫌いだと書いた者も、好きだと書いた者も、かなりの割合で一層英語を好意的に捉えてくれるようになったような印象。「ちょっと楽しくなってきた」「もっと英語を知りたい」「高校の時よりも何十倍も発音を意識するようになった」など。もちろんまだ3回ぐらいでは何も変わらないという者もいるし、これまであまり意識してこなかった発音を徹底的にやっているので、自分の発音がこれまでまったくできていなかったということを再自覚し「知れば知るほど英語の難しさに気づいた」というようなコメントを書いてくれる学生もいる様子

・宿題はChapter 3のプリントの観察、Chapter 2 のExercise AとB、それと音声を中心とした復習!(←これが一番大事)



第2回 4月16日

・出席カード配布。

・前回の発音のプリントから総復習しようと思ったが、前回の大幅人数超過のごたごたで自分用のプリントも配布してしまい、手元に1枚も残っていないという失態。プリント原稿を取りに研究室に戻ったが散らかっていて見つからず、やむなく引用元の書籍を持って教室へ。前回の範囲を音読してから今回の範囲を少し丁寧に学習。特にpardonやsoftlyのような[dn]や[tl]の時の音のつながりを丁寧に説明。また、内容語と機能語の区別を説明し、後者は前者よりも弱くなることについて触れた。その他、going toやgot toについて説明する際の条件異音についても少し触れた。母音に挟まれた t でgot to が「ガラ」となり、waterが「ワラ」になる話など。

・前回の出席カードに書かれた感想などから10枚程度ピックアップしてコメント。

・教科書の音声を聴いてからPhrase Reading Worksheetで音読。次に教科書を使って音読。ところどころで発音アドバイスを挟んだ。途中で5分ほど時間をとり、英文と和訳を比較して構造がつかめない場所や読めない単語などを周囲の学生同士で相談して確認させた。

・5分間で教科書の問題(単語選び、内容一致)。その間に文型書き換えの練習問題の答えを板書。ここは学生各自が考えて解くのではなく、書き換えた文を音読するだけで利用。答え合わせの後で単語問題は2回ずつ音読。

・会話文のディクテーションの問題を実施。ナチュラルスピードで1回、話者間に3秒のポーズを挿入して編集したもので1回、ゆっくり音読して1回。それでも多くの学生には難しかった様子。この対話問題は音読せず。

・文型書き換え問題の音読を終えたところでほぼ時間切れ。次回までの指示として教科書問題の残りと配布した2枚のプリント(次の発音プリントとPhrase Reading Worksheet)に目を通してくることを宿題として指示。

・最後に出席カードの自己申告欄には今日どのぐらいがんばったかを100%満点で記入。またミニアンケートにはどれだけ楽しく勉強できたかを自由記述で書かせた。楽しくなかったら楽しくなかったと書いてほしいと述べたところ、9割以上の学生が好意的なコメントを寄せてくれた。「嫌いな英語の授業なのにあっという間に終わった」「もっと英語を知りたい!」「高校英語の10倍以上楽しかった」「もはや神」とか書かれていて嬉しかった。でも一部の学生にはまだまだ届かない様子。これは今後の課題ということで。でも自由記述で「楽しくなかった」と書いてあっても98%がんばった(自己申告)ということなら問題ないかも。



第1回 4月9日

今年度も授業記録をブログに書いてみます。早速今日の授業から。

・どんなに多くても70名ぐらいだろうと予想していたが、それを遙かに超える130名以上という人数で急遽教室変更やプリント増刷などで20分以上遅れて授業開始。プリントも5種類もあったので時間がかかった。

・プロジェクタでオンラインシラバスを提示しながら概要を説明し、成績評価方法の詳細など補足事項を別のプリントで説明した。

・出席カードを配布。

・こんなに違うよ文字と音(1)のプリントで音読練習。

・教科書プリントとPhrase Reading Worksheet(日本語訳入り)を配る。使い方について説明し、1回音声を聴いた。授業最初の混乱により、これを音読練習する余裕等がなく、またその後に予定していた教科書の問題などをやる時間が確保できなかった。残念。

・出席カードの自己申告欄に来週以降もこの授業をとるつもりがあるなら○を書いてもらうよう指示したところ、それでも127名が○をつけていた。また、ミニアンケートの欄に、どのぐらい英語が嫌いかを一言で書くように指示したらすごいことに!そんなに嫌いではない、むしろ好きな方という学生もかなり多かったようだが、中には「日本で英語を習う必要がない」「頭が痛くなるくらい嫌い」「見るのも嫌なくらい」「人生で一番嫌い」「とても嫌いです」「英語を見るとゾッとする」「見たら気持ち悪くなるほど嫌い」「ホームページのデザイン変更に4500万円もかかるとほざく日本の偉い人(笑)くらい嫌い」「できるなら一生関わりたくなかったです」「英語は何を言っているか分かりません」「見ると自分が宇宙にいるかのように思います」「青汁並みに嫌いです」「チャーハンの上にグリーンピースがのってるぐらい」「宇宙一英語無理どすえー」「英語を話している人がいると何となくむかつくほど嫌い」「自習の時、集中力が5分しか持たない」などと個性的な嫌い方でいろいろ書いてくれた。楽しいクラスになりそう。