2014年4月26日土曜日

【2014前期・月3】ブリッジ・イングリッシュa 授業記録

おことわり:今学期の授業記録の体裁はバラバラです。この授業は昨年度までのブリッジ・イングリッシュⅡとあまり変わりませんので、ちょっと日記っぽく、今学期の新たな取り組みを中心に、少し力を抜いて掲載することにします。これまでのように「質問コーナー」で寄せられた内容は…書きたくなると思いますが、書かないことにします。

シラバスはこちらです。今年度から予習・復習欄の記入が義務づけられましたので、昨年までのシラバスよりも相当ウザいです。(笑)

第4回 4月23日(補講)
  • 第1回の補講を実施。こちらの都合で休講にしてしまったし、今日は出席は一切とらず、来てもこなくても出席扱いにする旨を前回配布の「シラバス補足事項の補足事項」に書いておいた。(でもやっぱりなるべく多くの学生に集まって欲しい…)しかし入学したばかりの1年生が多い授業なだけあって(しかもおそらく初めての補講)予想を上回る人数の学生が参加してくれた。5限や土曜日の補講はなかなか学生も集まらないだろうし、全学年が空いている時間割の枠は存在しないので、苦渋の決断で2年次の選択科目が入っている枠を補講に使わせてもらった。
  • 前回の出席カードに書いてある質問は、質問者が来ていない可能性もあるので、来週に送ることにして、前回の最初の4つの調べ学習テーマに関して解説を少々。今回は出席カードがないので調べ学習の報告をしてもらうことはできなかったけど、興味のある人は調べてみたらいいよ、ということで「言語距離」「変種」「ヒンディー ウルドゥー」「ノルウェー スウェーデン デンマーク」「チェコ スロバキア」「スペイン ポルトガル」(などの言語の関係)、人名としてデイヴィッド・クリスタル(そして2週間に1つずつ言語が消滅しているという言説)、(言語と経済の観点から)サハ共和国のサハ語の話、一般的なキーワードとして「トレードオフ」を紹介。
  • 次に「フラッシュ型 例文・対訳提示ツール」を使ってUnit 1〜2の復習。前回の出席カードで「2回目の練習」の時も英文が見える用にして欲しいという意見があったので、「フラッシュ型 例文・対訳提示ツール」の強みである「対訳を出しながら1語ずつ出していく」機能をふんだんに盛り込みながらたっぷり練習。そしてランダム順でも少しだけ。やっぱり「フラッシュ型 例文・対訳提示ツール」はいいですね!我が子のように可愛い自作ソフトなのでついつい連呼してしまいました。笑。(※リンク先は同一です。)
  • 続いて助動詞の話。そもそも助動詞とは何かという話をしてから、前回予告していた順番に上から板書し「実現可能性の度合い」というラベルをつけてからいろいろな説明。そして助動詞を説明するときのいつもの話(mustとmust not、mustとhave to、実現可能性の度合いが下がることで丁寧さが増すのは日本語も同じ、ご注文は以上でよろしかったでしょうか?)を説明して終了。
  • 次回はこの助動詞の話を再度簡単に説明してから「フラッシュ型 例文・対訳提示ツール」でUnit 3を復習し、Unit 4〜5「第1文型〜第4文型」に入ります。

第3回 4月21日
  • この日から華麗に(!)復活しました。とはいっても今後、手術を受ける可能性も高いので、その時にはまた同僚に代講をお願いしなくてはなりません。
  • まずは「シラバス補足事項」と「補足事項の補足事項」を配布して、神谷が授業できる間の「お約束」などの説明などから。これまでは「予習前」に別々に配布していた教科書の解答を、今学期は全Unitを束で渡してしまうことにしました。
  • これまで開発ばかりやっており、他の先生方にばかり使ってもらっていた「フラッシュ型 例文・対訳提示ツール」を今学期からは自分の授業でも本格的に取り入れることにしました。復習としてUnit 0の例文・対訳をまずは両方出して全部リピート(69文もありましたので結構時間がかかりました)させ、続いて和訳のみを出して全部やりましたが、I am a student. で始まりWe talked with him. で終わるUnitなので、それなりについてこれた学生も多かったようです。ただし「ランダム順」に並べ替えてやってみるとちょっと難しさを感じる学生も…?
  • 出席カードに「今の練習で何個ぐらいいけたか」「このような練習をやってみての印象など」を書いてもらったところ、全クリも数名程度、半分以上は大丈夫だったという学生がほとんどでしたが、一方で1割ぐらいしかできなかったというような学生もいたようで…。
  • Unit 0の補足事項として「(三単現の)-sと(過去形)の-dは音として聴いた場合ほとんど同じ」という指摘と「なぜ楽器にはtheをつけるか」「なぜwatch televisionが正しく、watch a televisionでは間違っているのか」という発問。
  • Unit 1と2は「読んで理解しろ」という指示が中心。そこに大学レベルの補足事項として、一般動詞の否定文を作る時にdo not, does not, did notというように助動詞を置くという現象は言語類型論的に見て非常に珍しい現象である、という話題提供。また、疑問文でYes, I am. / No, I am not. やYes, I do. / No, I don't. というような答え方と、Yes/Noだけで答える時の印象の違いについて、さらに教科書の解答で出てきていた文頭でWhomを使う時の意味について説明。
  • 今日から調べ学習スタート。トピックとして「世界にはいくつ言語があるか?」「言語類型論とは?」「世界で一番難しい言語は?」「世界で一番易しい言語は?」「英語は標準的な言語か?」「日本語は特殊な言語か?」を板書し、これらから2つ3つ、各自のスマホで調べるように指示。スマホを持っていない学生は出席カードに指示されている項目ならどれでも構わないので書くように指示。ちなみに ①授業中に指示された内容への回答 ②言語・文化・教育に関する質問 ③授業中に自分で調べたこと ④授業関連でもっと深く知りたいこと ⑤板書内容で役に立ったこと ⑥教科書からの抜き書き ⑦意見・その他 の7つです。(このうち、調べ学習は③にあたります。)
  • 4月23日に補講をやるのだけれど、他の科目と重なっている学生もいるので、その予告編として助動詞をmust-will-would-should-may-might-can-couldに並べ、高校までとは違った角度で助動詞を眺めてみるという話をして終了。
第2回 4月14日
  • 救急搬送された病院は前週金曜日に退院していましたが、別の病院に外来受診するため、この日まではお休みをいただきました。授業は同僚に代講をお願いしましたが、全く担当されたことのない授業で、しかも初回。段取りや授業準備で大変な迷惑をかけてしまいました。スミマセン。元気になったらお返ししますね。教科書のUnit 0 「Be動詞と一般動詞」を中心に進めて頂いたようです。
第1回 4月7日 
  • いきなり休講から開始してしまいました。この授業は月曜3限なのですが、同日2限の終了間際に突然倒れ、救急車で搬送されてしまいました。この時間帯の記憶はあいまいですが、救急車で搬送される際に「3限は休講でお願いします…」とか口走っていたような記憶があります(苦笑)

2014年4月4日金曜日

初年次ゼミのネタ30選

春休みが終わり、いよいよ新学期になりました。2014年度から学部の初年次学生を対象とした「基礎ゼミナール」を担当することになり、昨今大学教育界隈で話題の「アクティブラーニング」を切り口にいろいろなネタを考えてみました。

私のゼミではこれらを適宜、取り入れながら進めていくつもりです。もちろん実際に進めていきながら軌道修正することや、このままではうまく行かないようなネタもあるかもしれませんけど。

以下は、いろいろな書籍等からのTTP(徹底的にパクる)や、ふとした思いつきを書き留めている私の「ネタ帳」からの順不同による書き写しです。(出典のあるものも、勝手ながら省略とさせていただきます。)

初年次ゼミをご担当の先生方にもご参考になれば幸いです。

  1. 優れた記事をネット上から探してきて、どこが優れているかを100字で説明する。/酷い(非常識な)記事をネット上から探してきて、どこが酷いか(非常識か)を100字で説明する。
  2. 評論家になる:各自が選んだ芸術作品を「好きか嫌いか」だけではなく、その善し悪しを理由づけて説明し、ここをこうすればよくなるという説明を加える。
  3. 「現代用語の基礎知識」やテーマ別の事典類など総記資料から一人一つずつ記事を選び、その内容を話し言葉で他人に説明する。即興でそのテーマについて知っていることを述べる。
  4. 「現代用語の基礎知識」から一人一つずつ関心のある内容を選び、そこに書いていないことを調べて報告させる。そして調べたことと各自の見解を分けて説明する。
  5. 「現代用語の基礎知識」と学生の専門領域をつなぐアイデアを考える。(スティーブンジョブズの言う「点と点を繋ぐ」)
  6. 序論と結論の間に材料を挟む議論の進め方を知る。「何の話をしようか、そうだ、こんな話題はどう?」「それについてはこんなことがある」「こんなこともあるし」「また、こんなこともある」「そうしてみると、こんなことが言えるのではないか」
  7. 問いと答えの連鎖を学ぶ。「なぜ○○なのか」「XXだから」「本当にXXなのか?証拠は?」「こんなデータがある」「なぜこんなデータか/このデータのこれはこうではないのか?」…(以下続く)
  8. 実態を問う問い(○○はどうなっているのか)と、因果関係を問う問い(なぜ○○なのか)を区別して考える。
  9. 世の中のいろいろな話題を最大5段階ぐらいの連想ゲームで無理矢理、学生の専門領域に結びつけ、その結びつける過程そのものを他人に説明する。
  10. 「こんな答えを知りたい」ということを他人に説明できるような「質問の仕方」を学ぶ。中学高校までで使ったことのある資料など、自分で調べられることは質問しないようにする。
  11. 理論武装の仕方を知る。例えば「反戦」について、どういう情報があれば「反戦」を主張することができるか、どうすれば人を説得することに繋がるのか、その過程を知る。
  12. 面接する側になって考えてみる。「みなさんは従業員80人を抱えるある企業の社長さんです。今年は4人を採用する計画で、228人の応募があり、第3次試験の12人の最終候補から新人を選びます。どんな人を採用したいですか?」(限られた面接時間でこれらをアピールする方法も練習する)
  13. 話を評価のみで行わず、解釈や考えを含める練習。悪い対話の例:「A: え〜、ウッソー(評価)信じられない(評価)」「B:ホント、馬鹿みたいじゃん(評価)嫌だ〜(評価)」「A: チョー気持ち悪い(評価)」「B:そう、だからダメなのよ(評価)」こういうやりとりにならないようにするにはどうするか?
  14. ことわざを知る、ことわざに関するディスカッション、ことわざを疑う。
  15. この1週間で見たテレビ番組の中から学生が一つずつネタを選び、紹介する。ただし、その番組を見ていない人にも分かるような説明をすること。
  16. この1週間で受けた授業の中から学生が一つずつネタを選び、紹介する。ゼミ担当者の授業でも可。ただし、その授業を受けていない人(欠席者など)にも分かるような説明をすること。
  17. 自分の知っている面白いこと(他人は興味がないかもしれないこと)を面白く伝える(すべらない話)
  18. 勧めたくないものの良さを何とか見極めて人に伝える訓練(営業スキルの一種?)
  19. unlearnしたことを報告させる。「今まで〜という考え方を持っていたが、〜という立場もあることがわかった」
  20. 豆知識を毎回一人1つずつ報告させる。そしてそれらと専門領域との関連を考える。
  21. ゼミ生全員が共通して取っている授業の内容(ゼミ担当教員以外の授業)をゼミ担当者にも分かるように報告する練習。
  22. 今の日本を知る。例えば首相談話の動画を見たり、文字起こししたものを読む。次の週までに指定した関連動画を見ておき、それについて翌週にディスカッションする。(一種の反転授業)
  23. ネット上で公開されている他大学の「ディプロマポリシー」を読んでディスカッションする。
  24. 「この話を書いている人はどんな人か?」「あらすじは?」「一番ぐっときたこと、箇所」「これに対する意見や疑問」「関連する見解を述べる」「今後、解明しなければならないこと」
  25. DHMO(一酸化二水素)のジョークなど、デマ記事から学ぶ。
  26. NHK報道番組「特集まるごと」ポータルページ http://www3.nhk.or.jp/news/marugoto/ から好みの記事を1つ選び、1分で説明する。そしてこれに関する情報を調べて1分で説明する。さらに自分の意見を1分で説明する。(3分間スピーチの練習)
  27. 普段受けている授業について、ARCSを切り口に議論する。Attention(この授業に注意を向けている)、Relevance(この授業は知りたいことと関連がある)、Confidence(この授業で自信がついた)、Satisfaction(この授業に満足している)の頭文字。(ただし教員の悪口にならないように注意!)
  28. 「次の目標」を報告させる。それを達成するにはどうしたらよいか。「頑張る」以外の具体的な目標設定をさせる。
  29. 高校時代の得意科目(苦手科目)を報告させる。なぜ得意(苦手)なのかを説明。
  30. 「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」(井上ひさし)を切り口に物事を考える。